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いくつか漫画を読んでみて【エッセイ】

※ネタバレする可能性があります

※あくまで個人的講評ですが、読んで不快になる方もいらっしゃると思います

物書きの私のいやらしい習性を抑えきれず‥ついこんな記事を書いてしまった。

ここのところ、コロナで缶詰めになっており、ひたすら漫画を読んで過ごしている。

その中でいいと思った点、良作ゆえにここがこうならなおよかったのに、という感想を書いてみた。

最初にスパイファミリーを読んだ。これは3巻まで読んでコロナ禍で漫喫にいけなくなりストップしていたが、つっかえることなくすんなりと読めた作品なので続きを読むのを楽しみにしていた。
やはり面白かった。こういう互いに隠し事をしているコメディは、いかにリアリティを持たせるかが大事だと思うが、そこがうまく書けている。意外や小さな女の子がストーリーの語り手となっている。その女の子の能力なくしては話が進まないので、うまいこと考えたと思う。
さすがベテランと思わせるのは、尺に合ったサイズの展開。見せるところとさっと終わらせるところのメリハリ、コマがみやすいところである。主要キャラはちょうどよい程度にバックストーリーもあるし、好感を持てるキャラ作りである。
コメディで進めながらも締めるところは締めている。また、一話ごとと大枠のストーリー両方ある作品だがその配分もよい。

次にチェンソーマンを読んだ。
面白い漫画だと思うが、惜しいと思う点が。
尺に物語のサイズが合っていない。あの尺ならば登場人物を半分くらいに削ったほうが読みやすい。もちろん尺の都合で、というのはあると思うので、長い尺を用意されていればあのサイズでもよい。
魅力的なキャラがたくさん出てくるが、そのキャラのバックストーリーをもうちょっと知りたいな、と思うことが多々あった。キャラが多すぎてそこに触れられなかったのだろうかと思う。また、キャラごとの話の回収ができていないところもあった。
重要な部分の、なぜ?が解決されていない。
ラスボスに対しての伏線を張るテンポがもう少しなだらかな方が強敵感が出る。
全体の寸詰まり感を直し削る作業をすれば、ラスボスも際立ったかと思うが、物語全体のメリハリに欠ける。

その次は異世界おじさん。
キャラ絵のオリジナリティが、話の面白さと物語の根幹を作るのに役立っている。また、見た目に反しておじさんのかっこいいところもうまく描けている。
設定自体が面白い。
残念だったのは、途中、似たような展開の繰り返しになっていて、読み飽きる部分があった。

次にブラックナイトパレード。
緻密にプロットを練ってあるのが伺える。
ちょうどよいテンポで物語が進行し、それに連れて主要キャラのバックストーリーも明かされていくので感情移入しやすい。伏線もちょうどよいテンポで張られ、きちんと回収されている。
画面がみやすい。クリスマスという設定もあり、画面の華やかさも感じる。実写映画化されたので、実写化するとどんな感じになるのか見にいこうと思う。


私の感想は大体こんな感じだ。
これを書いていて思い出したのが、高校生のときに書いた中編小説と、noteの企画で書いた二百文字のショートショートだ。

振り返るならば、中編小説は、帰着点が先にあったことは良かったと思う。しかし、プロットをせずに書いているので、尺がなく自由に書けたからよかったものの、尺の決まりがあれば寸詰まりになっていたろう。またテンポが悪くメリハリがなかったかもしれない。引っ越しの際捨てられてしまったようだが、大体の内容は思い出せるので、プロットを作る練習も兼ねてもう一度書き直してみるのも1つだと思った。

二百文字のショートショートを思い出したのは、削る作業の重要さを改めて感じたからである。
あれを書いたときは、実は結構大変な思いをした。二百文字で展開させることの難しさと、今までいかに余分が部分があったのか気付かされた。削ぎ落としながらもストーリー展開だけでなく背景も描く必要があり、その配分にも苦しんだ。実は最初に書いたときは倍くらいの文字数になったのであるが、削るという作業は、大変であり、またせっかく書いたものをどんどん消していくのにも躊躇いがあった。しかし実際二百文字にしてみると、とてもスッキリとして驚いた記憶がある。
ただしその内のミステリー物はうまく伏線回収に至れなかった。そもそも二百文字の中にミステリーを収めようというのが無理があったのだろうか。

漫画の感想とともに自分の作品の振り返りをしてみたが、こうやって文字にすると原因や問題点、課題がはっきりしてきた。
今後の執筆に活かしたい。
最後に言うならば、そもそも、この文章自体、削るべきところが沢山あると思う。

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