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【すんだい新学期】遅れてくる開講日までの準備(その3)

※駿台高卒コース・朝霞担当クラスの生徒さん向けの記事です。開講日の遅くなる関東で受講予定の生徒さんは,参考にして自学自習をしてください。

  今回は「生物用語の定義を理解すること」の重要性について触れます。

★生物の学習は,生物用語の定義を理解することに始まり,生物用語の定義を理解することに終わる

 生物の勉強は実にシンプルです。生物学用語の定義を正確に理解すること,これに尽きます。でも不思議なことにこれができる人は1割にも満たないと思います。
 「言葉の意味とか,ナントナクわかる or イメージはできる」なんていう人はいます。それではダメなんです。「イメージできる」なんて言うのはクセ者ですよ。

 ” ふわっと,わかる ”

みたいな。そういうのいらないです。正確に理解してください。

 なぜ,生物用語の定義を正確に理解することを重要視するかというと,

①知識問題を正確に解答するため
②記述問題を的確に作成するため
③教科書や問題文を正確に読むため

に不可欠だからです。

 ①はなんとなくわかりますね。正確な知識がないと,知識問題で落とします。生物知識の手始めとして,生物用語の意味が正確に理解されてないといけません。
 ②について,記述問題を苦手にする人は多いのですが,苦手意識を持ってるだけで,まともに手を打っている人はほぼ皆無です。「添削してください!」なんて答案を見せられるんですが,ほぼ拷問です。そもそも日本語になっていないので添削しようがない。英作文でよく言われるような「例文」的なものが頭にないので,意味の通る簡潔な文が書けないんですね。用語の定義は簡明に書かれています。適切な文を書く手本として,生物用語の定義をはじめ,教科書に書かれている文や入試問題の問題文を参考にすることが大切です。
 さて,一番肝心なのが③教科書や問題文を正確に読むため,です。ここは知られていないかもしれません。なぜかというと,合格点に直結する感じがないからです。

★教科書を読むために知識が必要

 中学校までの教科書は,読めば全部覚えられて,それでおしまい。あとは問題たくさん解いて入試対策。こういうのは,そろそろ卒業しましょう。

 知識を得る根本である「高等学校の教科書」。読むのに一苦労しますね。内容が膨大だけじゃなく,教科書の文は無味乾燥で決して読みやすいわけではない。そもそもハードルが高い。しかし,内容は簡潔で明瞭です。ただ,一つ一つの知識を理解した上で読み進めないと,読んでいるつもりがついつい眼で追うだけになります。

 ここで肝心なのが,生物用語の定義を理解していることです。単語の意味がわからないと,現代文も古文も英文も正確な意味はとれません。「単語一つわからなくても,前後の文脈から判断できるぅ」と言う屁理屈はいりません。教科書から一つ一つの生命現象を理解する糸口を得るためには,まずは言葉の意味がつかめていなければなりません。

★正確な知識がなければ考えることはできない

 「考察問題が苦手なんですけど,どうしたらいいでしょう」という質問を良くされるのですが,だいたいこういう質問をしてくる生徒に共通な点が,知識がないことです。彼らの主張を意訳すると,

” あまり覚えたくないので,楽に点数取る方法ないですか ”

です。知識がなくても考えれば答えが出てくるという幻想ですね。これは仕方ない面もあります。「講義形式の一方通行型の授業は知識の詰め込みだから悪である」,「柔軟に考えられる発想力を身につけることが肝心」,「思考型の問題には深く考察することが要求される」などと愚にもつかない言葉のシャワーで洗脳状態なわけですからね。

 正確な知識があって,問題文に書かれていることがきちんとつかめれば,今の時代,大学入試はうまくいきます。入試問題もそのように作られています。この点をよく覚えておいてください。「正確な知識がない→問題文に書いてあることが読み取れない→考えたところで的確な答案は作れない」です。つまり,

正確な知識がある

問題文の条件が読み取れる

的確な答案が作成できる

です。正確な知識があることの根っこは,生物用語の定義が正確に理解されている,ということです。

*  *  *

 ここまで読み進めて,当たり前なことしか書いてないじゃないか!と思った人。そうですよ。

あたりまえなことをあたりまえな方法論であたりまえにやれば,結果が出るのはあたりまえ。そんなあたりまえな講義をします。

 こんな感じのことを入学案内のパンフレットの講師紹介のところに書いてましたからね。大学入試に魔法はありません。

 教科書を読み進めるでも,問題を解くにも,わからない生物用語があったら調べましょう。生物用語の定義を調べるために,生物用語集(駿台文庫),生物小辞典(三省堂)があると便利です。

 私が執筆に加わった生物事典(旺文社)は絶版です(泣)。電子辞書に入ってたら活用してください。

 今日から実行に移してください。


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