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【すんだい新学期】遅れてくる開講日までの準備(その5)

※駿台高卒コース・朝霞担当クラスの生徒さん向けの記事です。開講日の遅くなる関東で受講予定の生徒さんは,参考にして自学自習をしてください。

 駿台全校舎とも開講日が5/7まで延期されました。学校が休みになるのが小学生の頃から大好きだったので,今回もうれしい!とかは絶対言ったりしちゃいけない雰囲気なので絶対に言いません。ほんとうに残念です。
 今回は「で,結局なにしたらいいの?」という話です。これまでの記事に論拠を示したので,そちらも必ず読んでください

★学習法に正解はない

 「勉強法を教えてください」という質問はよく受けますが,生まれも育ちも理解度も違う生徒さんに,一律これが正解という勉強法はありません。あるとすれば勉強の方向性でしょうかね。

 知識の詰め込みと丸暗記だけで合格できる大学を目指すなら,努力と根性でいいんじゃないかな,と思います。「根本から理解せよ!」と言っても聞く耳持たない人が少なくないのでね。ただ,覚えることもなかなか苦労します(そこで理解することが大切,と言っても聞く耳持たない人には通じないので仕方ない)。しかし,これが医療系となると話は別で,大学で学ぶことを想定していない方法なので,大学に入ると苦労します。ですから,しっかりと学ぶトレーニングを高校や予備校のうちに学んでいると,結果として楽になるんですよね。

 単純な知識問題だけではない入試問題を課す大学,いわゆる難関大と言ってもいいと思いますが,生物用語の定義を理解せずに入試には臨めません。生命現象をトータルで理解していなければなりません。一年間予備校で学んで大学に行こうと思っている人たちが目指すのは,こういう大学かと思います。そのあたりを目指す人向けに,今後の指針を示します。

★高校で一通り生物基礎・生物を学んだ人向け

 高校で使っていた検定教科書を基盤において勉強を進めていきますが,何の手立てもなく教科書を読み進めるのはなかなか難しいですね。小麦粉みたいな文章を読んでも,面白みが乏しい。

 そこで,一通り生物基礎・生物を学んだ人は,問題に問いかけてもらうことからスタートしてみてはどうでしょうか。「苦手だな」と思う分野から進めるといいんじゃないかと思いますが,5/7の開講のことを考えると細胞・代謝・遺伝子あたりの苦手な前期に扱う分野から手をつけるとよいでしょう。この辺はみなさんの好みでいいと思います。「やっぱり教科書は最初から!」「光合成がよくわからん?」程度の動機で結構です。もちろん,教科書を読んでから問題に手をつけてもok。

 私の授業では,「基本事項の説明」をした翌週に「演習問題のザックリした解説」を行いますので,テキストの演習問題は授業と並行して利用するために手をつけなくてもいいですし,今から始めてもいいです。学校で使っていた問題集もロクに取り組んでないでしょうからそれを元にしてもよいですし,あれこれやってしまったなぁという人はセンター試験の過去問でもいいです。そもそも,問題なんて何を使ってもいいんです(疑問があげられれば教科書に目を通すだけで,問題なんか解かなくたっていい)。自分が理解してないことを問いかけてもらうだけですから。(ここまで書くのは,どれがいいのか?あれはダメなのか?とかの,どうでもいい細かいことの質問が多いからですよ)

 わからないことをピックアップして,自分で解決できることは解決する or 授業の時まで待つ,となれば,開講までの3週間の過ごし方としてはよいと思います。もちろん,ノートなどに整理してもよいです。

★高校で生物を学んでいない,ほぼ初学に近い人向け

 まずは生物基礎の教科書をはじめから読んでください。生物基礎と生物は中途半端に分野が分けられているので,生物基礎の細胞の部分を読んだら,生物の細胞の部分を読んでみる,くらいな感じがいいでしょう。このとき,駿台のテキストのまとめ部分を参考にするとその分野の全体像をつかみやすくなると思います。
 わからない言葉があったら調べましょう。すでに述べた用語集や生物小辞典などで調べてください。言葉の意味がわかったら,文章の意味がつかめますから,さらに読み進めましょう。 

 学んだことはノートに整理しておくとよいでしょう。気をつけたいのは写経にならないことです。写経とは,般若心経などを写すことです。

 教科書や資料集などに書かれていることをノートに丸写しにする=「写経」は,アタマの中に何も入ってこなくても,時間だけがたくさん過ぎますから,充実感は得られます。つまり「教科書を写して癒やされた」という点で,写経と同じです。写経だって,教えを理解すれば意義があるんですよ。しかし,丸写しだけの教科書写経。宗教団体つくろうかしら,教科書写教。

 テキストの問題は解けるなら解いてもいいです。補強問題・確認問題なども手が出ればやってきましょう。無理はしなくていいです。

★整理することの大切さ 

 ノートに整理しているといろいろなことが見えてきます。

・ぜんぜんうまくまとめられない。
・覚えられない。
・結局なんなの?

 教科書を読んでわかったつもりになっていても,実際まとめてみると,あれ?となることが多いんです。これでは生命現象の理解につながりません。教科書に書かれた文を目で追うことと,読めていることは別なんです。
 ここで出てきた疑問を解決するのが授業なんです。まとめにくそうなこと,覚えにくそうなこと,わかりにくそうなこと,そこをどうするかというヒントを授業で話します。多くの先生方が「授業の前に疑問を持つ」ことが大切だ,と主張するゆえんです。やってくれないとぴえんです。
 疑問を持たずに授業に出ると,授業の内容が全然頭に入りません。教科書を目で追うのと同じことです。問題集なんか解いてる暇があるなら,まずは駿台のテキストをもとに,たくさんの疑問をもって授業に臨んでください。

★体験談への信頼度は,8割以上削減していただきたい

 訳のわからないアドバイスを手放しで受け入れ,変な噂にも流され,小さな成功体験に基づく効果の薄い我流を通して,結果大失敗となった受験生の皆さん。人生,この辺でつまずいてよかったですね。些細な失敗を再起不能になるまでバッシングするのが大好きな国民性の国ですから,何も気づかずにこの先でもっと大きな失敗するより,はるかによかったわけですよ。ですから,悔い改めなさいね(神より)。

 多くの受験アドバイスは,個人の小さな成功談を一般化します。難しく書きすぎました。

いかに勉強しないで,メジャーな(?)大学に入ったか

 こういう美談,みなさん好きでしょ。勉強しないことの免罪符だものね。しかしね,少子化で受験生は大きく減少した一方で,大学の募集定員は増加したまま,さらに理系人気は低下(医学部人気はさらに低下)している昨今,こんなに合格しやすい環境はありません。しかし,合格できなかった。
 努力はしたが届かなかった。成績開示したらあと少しだった。我流でももうすこしやれば来年こそ合格できる!という根拠のない自信はどこから来るのでしょうね。それより入試本番の時に,君のそのご立派なアタマをフル回転させても,合格最低点までの数点がどうして絞り出せなかったのか! そこが問題なんですよね。
 あななたちはまだ子どもなので,「結果は出なかったけど,一生懸命がんばったね」って「過程」をほめられます。努力したんだからね,ほめてほしいね。よくやったね,うんうん。一般に,結果が出ないときには原因を分析した上での改善が必要です。これまでの方法論のどこかがおかしかったから結果が出ないのであり,その追求の仕方をこれまで長々と書いてきました(本当に長い文だ)。 

 したがって,「○○だけをn周やった(予備校にさんざん通ったけどね)」,「必要のない授業は切った(その科目はすでに得意科目)」,「あんまり勉強しなかったけど受かった(当初の志望校はどこだった?)」という耳に心地よい言葉って,言った本人の快楽でなんだよね。「朝一で予備校に行って,閉館時間まで勉強してた。予習と復習を欠かさず,質問にもよく行った」という体験談はつまんないでしょ。大変そうだし。小さな成功者の自慰行為におつきあいするんですかね,みなさん。

★きちんと学ぶ習慣づけをしよう

 例年ですと4月の授業から少しずつこうした方がいいんじゃないというお話ししていきますが,開講延期となってしまったので,みなさんには自主的に始めてもらうことになります。その方向性を示しましたので,まずは精一杯格闘してみてください。

 「こんなペースでやってたら,間に合わないじゃないか!」という人は,勝手にどうぞ。9月頃に「成績が伸びません,どうしたらいいですか?」と言われましても当方には成果保障する義務はありませんので,自己責任でよろしくお願いします。

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 次回は,なに書こうかな。note 書いてるだけで1日終わってしまう…

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