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浅井と好きだった人

浅井です。
夏なので書きます、それだけです。

あんまり色恋沙汰が得意じゃない人間なのですが、一丁前にちゃんとした初恋は小1です。
同じクラスだった子、いつも外でかたき(北海道だけなのかなこれ)して遊んでた子。

クラスの仲良しの子たちで遊びに行った事がきっかけで好きになったと思います。
そのとき全員が自転車で遊びに来ていたんですが、当時私だけ自転車を持っていなかったから頑張って走るね〜ってスタンスで遊んでた。
でも彼だけは毎回自転車を降りて一緒に歩いてくれて。それが本当に嬉しかった。
元々やさしい人なんだなぁとは色々な面で思っていたのでそこでコロッと行ってしまいました。

まあその後は子供なので好きな気持ちが薄れたこともあり何も言いませんでした。中学まで同じ学校でしたがクラスが別々だったから特に何もなく。
でも見かけるたびに声かけてくれたり、部活がんばってるのー?なんて言ってくれてたりして、ずっと優しい人だった。

浅井は携帯電話を持ち始めるのが遅くて、中学卒業後は一切コンタクトは取っていませんでした。
連絡先を交換するほど話していたわけでもなかったし、なんならちょっと忘れていたまである。

成人式でまた会えた、だから大学2年の時ですね。
中学の時はあまり仲良い人が多くなかったから、違うクラスでそれを知らなかった彼には普通に話しかけれた。前みたいに話せたことが嬉しかった。
前髪の一部を赤く染めてて、YouTuberみたいだね、って言ったらみんなに言われる!って笑ってた。
身長は変わらず私の方が高かったけれど、いつの間にか声が低くなって手の甲もなんだかゴツゴツしていて、大人になったんだなと実感しました。

成人式で写真を撮ったから共通の友人からLINEを聞いて、写真送って、Twitterも繋がって、そこからほぼ毎日LINEで話すようになった。
帰省するたびに遊ぼうよって言ってくれた。
詳しくは聞けなかったけれど、高卒で働き始めてから身体的にも精神的にも病気になってしまったみたいで、それがしんどいという話も聞いた。

前に付き合っていた人が良い意味でも悪い意味でもすごく心に残っていて、恋愛はもういいかなと思っているとも。

それを聞いた時に、私この人のこと好きなんだなーって思った。絶対に叶わないってわかってから分かるのも皮肉な話で、それから帰省するたびに2〜3回ずつ遊んではちょっと寂しくなってしまった。

大学3年の夏に、一緒にいるとすごく楽しくてまた前に進めそうだよって言ってもらえたのも覚えている。手は繋いだよ、いっぱい手汗かいちゃったのも覚えてる。とても嬉しかったけれど、きっと恋愛としては成就しないんだなと思って一緒に撮った写真をほとんど全部消してしまった。
2人で行ったカラオケの動画とか、おすすめしてもらったゲーム実況の動画のブックマークまで。

でも未練がましく一緒に行ったビアガーデンで撮ったツーショットとおつまみを食べてる彼本人の写真は残してある。今も大事にしてる。
その日は盆踊りがやってたからその景色は残してた、提灯の灯が綺麗でずっと夏休みだったらいいのにって思った。
その日にバイバイした時、またねって言ってもらえなかったことが寂しくて東京に帰ってから泣いた。ちょっとだけね。

最後にLINEしたのは私の誕生日だったかな。成人式から一年だね、早いね。おめでとう。って言ってくれた。彼らしい文面ですごく嬉しかった。
ありがとう、寒くなってきてるから体に気をつけてね、また会おうね。
スタンプだけ返ってきたから、私も次に進もうって思ったことを覚えている。辛くなっちゃうからLINEの履歴も消した。

彼のSNSがいつの間にか全て動かなくなったのに気づいたのは大学3年の終わり際、3月の頭とかだった。
とてもオタク気質な子だったし、猫が好きだったからよくリツイートしてたのを見てた。私も恩恵に与ってた。
それがなくなって、最近どうしてるんだろうなと思ったのを覚えてる。

大学4年の初めに、彼が亡くなったと母親から聞いた。小学校で6年間クラスが一緒で、よく家にも遊びに来ていたから覚えていたんだと思う。大学生になってからは帰省のたびに遊んでいたし。
地元の共通の友人に聞いたら、自分で自分を殺めたらしい。遺書も何もなかったって。
そっかあ、って思った。何も言えなかった。

毎日辛くてしんどかった彼が少しでも救われたなら良かったのかもしれないとは思う。ただ彼もきっと気づいていた私の気持ちに何も言わせてくれなかったことが後から悔しかった。そんなのずるいじゃん。忘れられないじゃん。って居ない人間に怒っても仕方ないのに暫く泣いて過ごしていた。

なんでLINEも写真も動画も、大切だったのに消してしまったんだろうって後悔している。もう声も思い出せなくなってしまった、カラオケの時に高い声が出なくてはにかんでいたことしか思い出せない。
自分の番が来たなんて言ってる暇があるなら私に連絡して欲しかった。助けられたかなんてわからないけれど私の気持ちを伝えさせて欲しかった。
どこまでも自分のことしか考えられなくて嫌になるけれど、本当に好きだった。本当はいなくならないで欲しかった。

こうやって記録に残すことも自己満足的なオナニーみたいな行動かもしれないけれど少しでも忘れる前に残しておきたいから許してほしい。

日付見たら、今日がビアガーデンに行った日からちょうど3年だった。もう少しで24歳になるはずだった君が救われているといいなと思う。
また会えたら君の歌をカラオケで聴きたいな。

2022年8月14日 浅井

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