京都 徘徊つれづれ 5日目 その1

宇治駅を降りるといきなりこれですよ。

■さて腹具合はどうなったかというと

0時頃寝て5時過ぎ覚醒で小水。ついでにカタチのあるのも少し出てきて、お、これなら大丈夫かな。でまた寝て、7時過ぎ起き。昨日同様、朝食は同じ形式のバイキングで、でも用心して食べ過ぎないように注意。冷たいジュースは控えよう、なんて感じで済ませて。9時半ごろチェックアウトし、近くの烏丸御池駅へ。まずはコインロッカーにリュックを預け、肩の荷を軽くして行動しようという算段である。
手ぶらのまま地下鉄に乗って京都駅へ。JR奈良線に乗り換え、20分足らずで宇治駅に到着した。案外、近いのだな。駅前がそんな賑わってはいないのは、まだ観光地が完全復活となっていないせいなのか、それとも午前中で人の出足はまだこれから、なのか。分からないけど、とりあえず目的地めざしてたらたら歩きはじめる。
漂う雰囲気は地方の観光都市な感じで、参道にはパラパラと観光客向けのお土産屋や飲食店が並ぶ感じだけど、まだ準備中の店も多い。まだ午前中だしね。それとやはり、お土産屋はお茶の販売が多いね。さすが茶どころ宇治。とはいいながらも、宇治茶はいまはどこでつくってるんだろ? まさか、いまもこの近在に茶畑があるんかいな? よく知らんけど。
お茶自体には興味がないけど、江戸時代からあるという一軒の茶店に「史料展示中」と貼り紙があったんで入ったら、店員が速攻でセールス攻撃してきた。いやいやいや、それはいいから。で、「史料室は?」と聞いたら速攻で力が抜けた感じ。「2階」とそっけなくうながされた。まあ、展示はモノが並んでいるだけな感じで、いまいち面白みに欠けるものだったけど、江戸時代からの文書やなにかは、大切に保存してもらいたいものであるよ。

■映画のセットみたいだな、平等院って

10円玉でしか知らない平等院ではあるけれど、これまで写真なんかで見たイメージは、湖面を前に雄大な建築が威容を誇る、ずどーんと巨大な建物、だったんだけど。ところがどっこい、池は小ぶりだし建物もあんがいと華奢で小さい。どころか、あまり時代がついてない感じで拍子抜けしてしまった。まるで何かのミニチュアのセットな感じ。
これを書いているいま(6月30日だけど)、Wikipediaで調べたら1053年に建立されたものに違いはなさそうだ。けど、そうは見えなかったんだよね。瓦はあたらしっぽいし、柱もくすんではいるけど極彩色の紅色で、なんか有難みが薄い。いったいどの部分が1000年以上前のものなのかしらん。
あと、パッと見て気がつくのが、両側に延びる建物部分が、ただの飾りだってこと。なぜって中央の建物につながっていないし、入口がどこにもないのだ。ありゃいったいなんなんだろ。
拝観料は600円で、例のごとく鳳凰堂内部の拝観料は別途300円だという。しかも時間予約制なんだとか。あー、めんどくせえ。どうせたいしたことないだろうとパスして、ミュージアム鳳翔館という博物館の方へ。ここは、なかなか良かった。もともと鳳凰堂の屋根に乗っかってた一対の鳳凰とか、内部にあった仏像とか、あるいは元は壁か後背あたりにくっついていたような小ぶりの菩薩像とか、そういうのがずらり勢ぞろいしていて、なかなか壮観。ただし鳳凰像は、近くで見ると羽根が比率としては小ぶりに見える。あれ、畳んでる姿だから様になってるけど、広げた姿は不格好だぞ。まあ、屋根に乗った状態でいちばんカッコよく見えるよう仕上げてはいるんだろうけど。
さて、この日も館内には修学旅行の少年少女がうじゃうじゃおって。ミュージアムではぞろぞろ列を成してロクに展示物も見もしないで早足で歩きまわってる。迷惑だよな。あ、いや、こちらにとってだけでなく、少年少女たちにとっても、ということ。こんな、わけの分からんところに連れてこられて、古ぼけたモノを見せられて。はた迷惑な話で、お気の毒様。

■宇治上神社というのもあるのか、じゃあ行ってみるか

さて、もらった案内図をみると、平等院の裏手、宇治川を渡った向こう岸に宇治上神社というのがあって、これも世界遺産に含まれているとか何とか書いている。こういうのに弱いんだよね、貧乏性は。せっかくここまで来ているのだから見ておこう、という“もったいない”気持ちに押されてしまうのだ。で、向かおうとしたら、驚いたことに平等院のすぐ近くにスタバがあったこと。世界遺産だから客もやってくると踏んでの打算的な開店なのかしら。ひぇー。
なこんなで川の近くに出ると中州のようなのがあって、公園になっているのだけれど、橋はその上をまたいで架けられていて、景観がなかなか。渡りきったら神社があって、でもそれは宇治上神社ではなく似たような名前の宇治神社で、なんじゃこりゃ、フェイクか! と思わざるを得ないようなことになっていた(宇治神社さん、ごめんなさい)。で宇治上神社はまたその奥の少し登ったところにあって。これがズドーンと豪勢かというとそんなことはまったくなくて、ムダに横に長くて奥行きのない不思議なかたちの古ぼけた社なのが珍しい、というものだった(宇治上神社さん、ごめんなさい)。

さらに、近くには宇治市源氏物語ミュージアムというのがあるとMapや道案内は「こっちへ来い」光線で導いてくるんだけど、どうせまた料金とられるんだろうし、源氏物語にはとくに興味もないからもういいや。で、未練なくそのまま引き返すことにした。とはいえ、宇治川にかかる橋から見る光景は、優雅に飛ぶ鳥の姿もなかなか大らかで良かったことだけは覚えている。
さて、正露丸を投与した腹具合。復調の兆しは見えたけど未だ絶好調というわけでもなく、わずかに心配をはらみつつな状況。でも、あらかじめ家からもってきたのが3粒と、連続投与すべき弾薬が手元にないのが心もとない。そういえば平等院までの街並に町の薬局が、それも2軒もあったっけ。なので帰りしなその1軒に入って求めたのが、なんと瓶入りではなく携帯用のプラケース入り。こんなのあるんだ、とは思いつつ、でもこういうのがあるということは腹下しの旅人は少なくないのだなと1人得心したりしてね。
「水をたくさん一緒に飲んでね」という店主の心づかいに、へいへいと顔でこたえ、自販機で水を購入。しかしプラケース入りは瓶入りと違って正露丸臭がわずかに漏れているのが気になるな、な感じだった。

■観光客がいなそうなイオンモールで遅い昼は丸亀製麺

京都駅に戻ると、腹かすいた。そこで目指したのがイオンモーで、京都駅の南側にある。駅の南側は東寺と東福寺に行ったときぐらいしか足を踏み入れたことはないけど、地図では駅からすぐ、に見えたので行ってみた。
飯屋ぐらい京都駅構内にも周辺にもいくらでもあるだろうに、と思われるかも知れないけれど、地図で見ると京都駅にくっついているようなイオンモールに、なんか興味が惹かれたのだよね。ここには観光客もあまりこないだろうし、普段の京都人がいるんだろう、というのもあった。
すぐ、に見えたイオンモールだけど、歩いてみると思った以上に離れていて、ただの歩数稼ぎにしかなってねえだろ、な感じがしてきた。とはいえ興味深かったのが、南側にもホテルがたくさんあって、都ホテルを筆頭に巨大なホテルがたくさんあるということ。これって修学旅行のボーイズ&ガールズ向けなのかな。観光バスも目についた。なんて感じでトボトボ歩いてやってきたイオンモールはひとつのビルの中に縦型にずどんと入っている感じ。その何階かにあったのが丸亀製麺で、わざわざ京都で食うかこんなもの、なんだけど。弱った胃腸にはやっぱうどんでしょ。というわけで、温うどんとサツマイモの天ぷらを注文。周囲でガキどもがわちゃわちゃしてるなか、地味に遅い中食とあいなったのでありました。
他の店舗はとくに興味もなく、というか、全国どこでも変わりはないだろうとスルーして。どっか座ってお茶が飲めるスペースはないものかとうろついたんだけど、これがない。全国どこでもカフェの椅子は埋まっているのか。なんでみんなこうカフェでだらけてるんだ? むかしの喫茶店には、こんなにたくさん客はおらんかったぞ。というわけで足を引きずりながら京都駅に戻り、駅構内とかふらふらしてカフェを探すが手頃なのが見当たらない。放浪の末たどりついたのが駅北口のショッピングモールで、その東外れにあるはずのイノダコーヒーを目指したんだけど、人気があるのか順番待ちができているほどの繁昌ぶり。こりゃダメだとあきらめて。近くの誰でも座れるベンチにため息交じりに座っていたら、疲労が疲れてウトッとしてしまったであるよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?