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序文「思い立ったら吉日」2020.02.20

 大学時代、ゼミの課題で「今週の私」というものがあった。
 先生が果たしてどんな目的で書かせていたのかは、よくわからない。
 とにかく、毎週ゼミの時間にA4一枚分くらい、今週あった出来事を書いて持ってこいというものだった。

 正直、書くことがなかった。
 だから私は、大抵小説を書くためにしている考察を文字にしていた。この課題は、先生から添削をいただくことはない。感想ももらえない。だから、正直何をやっているのかよくわからないような心地がしていた。

 でも、今読み返してみると、案外面白いというか、この時の自分はこんな風に考えていたんだなぁということがわかって、楽しかった。

 私にとって、大学時代は黄金時代だ。毎日が楽しくて仕方がなかったと思う。勉強も面白いし、バイトもまあまあ楽しんでたし、ゲームも楽しいし、小説も書いてたし。就職してからは、一ヶ月で会社を辞めたりとか、転職活動をしたりとか、鬱病になったりだとかして、正直、波瀾万丈の人生だった。実は今も、休職中だったりする。

 それでも、ようやく元気になってきて、そろそろ復職できるかなとなった頃、誕生日を迎えようとしてる。二十歳すぎるとあっという間に時が過ぎるというけれど、なんか今の自分はそういうあっという間ではない気がする。あまりにも、色々ありすぎた。人生がひっくり返ってる時間が長くて、悪戦苦闘してたら、時が過ぎてた。そういう話だと思う。

 なんか、そろそろ、楽しく生きたい。
 そんなことを思っていた私は、柿内正午『プルーストを読む生活1』2019年(零貨店アカミミ)を読んだ。この本は友人のリョータ経由で知って読み始めた同人誌的なものなのだけれど、とっても面白い。読書って楽しいよねっていうのがすごくすごく伝わってくる本だ。概略は、プルーストの『失われた時を求めて』を毎日読みながら毎日日記を書くというもの。
 正直、よくやるなあと思った。
 毎日何かをやるってしんどいよ。私には無理。それも読んだ上で書く!? よくやるなあ……って感じ。

 そう思ってたら、冒頭の方にこんな記述があった。

 とりあえず上がこの日記を毎日書いていくためのルールの草案だ。
 書いていくうえで不都合があったら変えていくかもしれない。

 そう、ルールというのは人が作るものだ。
 人が作るものは変更も可能だ。
 自分にとって気持ちよく過ごせるルールを作るために、つどつど点検してみたり、読み替えてみたり、手を加えてみたりすればいいのだ。

 プルーストだって、タイプされた清書原稿にたくさんの付箋を貼ってどんどん小説を書き換えていったのだから。

柿内正午『プルーストを読む生活1』2019年(零貨店アカミミ)p32

 私は、ルールというものを勘違いしていたのかもしれない。

 自分が気持ちよく過ごせるために、ルールを作ってやってみるのは、苦しいことじゃなくて、楽しいことなんじゃないの?

 そんなことを思いながら、次に外山美樹『実力発揮メソッド パフォーマンスの心理学』2020年(講談社)を読んで、

優れたパフォーマンスは、「目標を設定する→目標に関連して行動を実行する→目標をクリア(達成)する→新たな目標を設定する……」の繰り返しの営みから生じると言っても過言ではありません。

外山美樹『実力発揮メソッド パフォーマンスの心理学』2020年(講談社)p4

PDCAサイクル〜〜〜と思った。


 そして、それって私、やっていたのでは? とはっとした。

 大学時代。
 小説が上手くなりたくてたまらなくて、長い小説をコツコツ書くぞと目標を立て、なんとかかんとか小説を書き、毎週ゼミで「今週の私」を書いてフィードバックしていたこと。

 それ、またやればいいのでは?
 自分が気持ちよく過ごせるルールを作って。

 と、いうことで。

・毎日何かコンテンツを楽しむ
・毎日小説を一字でいいから書く

 ことにしました。
 勿論、このルールの変更はあり。
 ついでにフィードバックとして、

・「今週の私」社会人編を書く

 ことにしました〜。
 三日坊主目指して頑張るぞ〜〜〜〜。

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