朝比留よる

大阪生まれのなんちゃってクール、朝比留よると申します。やかましく取っ散らかった頭の中を…

朝比留よる

大阪生まれのなんちゃってクール、朝比留よると申します。やかましく取っ散らかった頭の中をエッセイとして書き記しています。結局どんな人物かわからないと言われますが本人もわかっておりません。取り留めない日常ですがあなたの朝、昼、夜のどこかの時間のお供にぜひ。

最近の記事

エッセイ|こがね色に酔う

私はビールが好きだ。若者のビール離れなんて言われて久しいけれど、たとえこの世の20代全員がビールから離れても私はお前を抱きしめていてやるからな……!という強い気持ちが私にはある。 職場では「朝比留の水筒にはビールが入っている」と揶揄されるくらいに自他ともに認めるビール好きだ。 TPOをわきまえない人間だと思われていそうなところが気がかりだが、ビール好きの朝比留として認識されているのは嬉しい。 私のビール好きは端っからで、二十歳になりたての頃「若いのによぉけ飲むなァ。ビー

    • エッセイ|中耳炎に効くらしいアイツ

      「そういえば中耳炎には耳に玉ねぎ突っ込むと良いって言ったっけ?」 言われてないしそういえば史上こんなにも なんて???ってなったセリフはない。 さらっと発せられたそういえばのあとにこんな言葉が続いてたまるかと、そのあまりの面白さにめちゃくちゃ悔しくなりました。 そもそもどこの民族の治療法なんだよそれ。 炎症起こしてる耳に野菜入れていいはずないだろ。 泣きっ面に蜂、中耳炎にベジだよ。 風邪引いたとき喉にネギを巻くといいなんていいますが、どう考えたって直接入れちゃダメ。

      • エッセイ|私が世界を映すとき

        「朝露」というものを初めて目に留めた。きっと過去にもわたしの瞳に映ったことはあるはずなのに、別段気にしたことがなかった。 小さな小さな緑の上にこれまた小さくまあるい水の粒がキラキラと朝の光を抱いて世界を映している。とても純粋に、綺麗だ。 でもそう感じた自分の純粋さがどうにも恥ずかしかった。「はいはい、小さなことに感謝するみたいなやつね」とのっぺらぼうの声が聞こえる気がしたからだ。 本当は些細なことを大げさに掬い上げてこれでもかと愛したいのに、いつしか顔も見えない化け物に

        • エッセイ|水族館で一夜を過ごせたなら

          水族館で一夜を過ごせたならどんなにいいだろう。 水族館が好きになったコレというきっかけはないのだけれど、雄大な海の世界を水槽に閉じ込めたあの不思議な空間で、何をするでもなくただただ時を過ごすのが好きだ。誇張なしに8時間は居る。ただ、居る。 水族館の存在はとてもありがたいと思う。もしも水族館がなかったら海の生き物を近くで見るためには命をかけて自然海に潜らなきゃならない。 友人たちから「ある日ふと消えてなくなりそうなほど生命力がない」という不名誉な評価をされている私には到底無

        エッセイ|こがね色に酔う

          エッセイ|贈り物

          大切な人の人生の節目に何か特別なものを贈りたいと思った。なにが良いかと悩んだ末に、本革の長財布なんてどうだろうと考え至った。 当時、まだ10代だった私に革製品の知識などなく、ただ「長く使えるらしい」くらいの印象と頑張って貯めた5万円を握りしめて革製品を扱うブランドショップへ足を運んだ。 「何かお探しですか?」 パリッとスーツに身を包みお洒落な丸メガネをかけた50代くらいの男性が話しかけてくれた。こういう人をイケおじと言うのだろう。 「プレゼント用に本革の長財布を探してい

          エッセイ|贈り物

          エッセイ|カルボナーラ

          なんだか今日は買い物に行くのが面倒だなぁ。 ありものでなんとかならないものかと冷蔵庫を開く。 お、あるある。卵にベーコン、粉チーズ。 にんにくチューブは賞味期限が切れているが まあいい。これでカルボナーラが作れる。 カルボナーラは案外手軽なのだ。ベーコンを炒め、パスタを茹でればあとばボウルで卵液と和えるだけ。楽してとんでもないカロリーを取ろうとするところに私の卑しさが見て取れる。 慣れた手つきで作り終え、くるくるとフォークに巻きつけ口に放り込んだ。するとなぜだかいつもと

          エッセイ|カルボナーラ

          自己紹介、というにはあまりに希薄な。

          「どうしてそんなに喋らないの?」 もうn回目の質問だ。 ここでの模範回答は「ついぼーっとしちゃうんだ」みたいな、無難なヤツ。 「いま喋るような話題ある?私には無い」なんて正直に答えると角が立つのだと過去の数回できちんと学んだ。 実際のところ、私、朝比留よるはまったく静かではない。大阪生まれに静かな人間がいるわけないだろう。ただ、静かに見えるだけなのだ。私の脳内は常に誰かが会議をしたり、プレゼンをしたり、演説をしたり。はたまた脳内で誰かと飲みに行っていたりする。そういや漫才

          自己紹介、というにはあまりに希薄な。