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かわいちひろさんの個展に伺った話 in 2022.11.19

2022.11.19 ~ 2022.12.11 までの約2週間にかけて渋谷区神宮前のギャラリー・ルモンドで開催された、イラストレーターとして活躍されている "かわいちひろ" さんの個展『manimani』に伺いました。

不思議なことに彼女の個展では毎回、初日に雨が降るというジンクスのようなものがあるのだけれど、今回も例に漏れず。

かわいさんの作風は、何気ない日常や様々な人々の人生のワンシーンを切り取った、ふと振り返ればそこにあるようなもので、今回の個展では世界中を旅する兄と、毎月届く兄からの写真と手紙を楽しみにしている妹の人生の交差を描いた作品群をメインに構成されていた。

最近は装画や挿絵を担当されている本を見かけることも多く、忙しくされているそうなのだけれど、個展には在廊されているので直接お会いして実際に絵を見ながらお話を聴けるというのは素敵な機会だと思って、東京個展の度に伺わせてもらっているのだ。

彼女を初めて知ったのは2017年頃。翌年の秋には吉祥寺で開催された個展で初めてご本人とお会いして、初めて『原画』というものを購入したのもそこでだった。

その時の個展のタイトルとなっていた『明日のすみか』という、ある日の帰途にある1人の女性が、自転車を降りて街並みを見つめている1枚の絵に強く強く惹かれ、どうしても手元に置きたいと思ったのだ。

2018 水彩 色鉛筆「明日のすみか」原画
(2018 東京個展 / キチジョウジギャラリー「明日のすみか」)

楽しかった日もそうではなかった日も、
明日のすみかを探しながら
私はいつもの道を通って家に帰る。

この感覚を言葉で説明することは難しいのだけれど、どうしてか気に入ってしまったそれからは、その時々の個展のタイトルとなっている作品を頂戴するようになっている。

決して安いものではないし、この世にこれ1枚しか存在しない原画を扱うという責任のようなものを負うことにはなるけれど、もしもこれを読んでいるあなたが言葉では説明できないような感覚を受けた作品と出会うことがあれば・・・

思い切ってみれば少しだけ人生が豊かな気分になるかも知れない。

所有している作品

2017 水彩 色鉛筆「夜の時間」原画
(2018 東京個展 / キチジョウジギャラリー「明日のすみか」)

所有している作品の中では、この『夜の時間』という作品が1番気に入っているものだと思う。

かわいさんの作品は日常を描いた明るい印象のものが多い印象なのだけれど、初期の頃に描かれたこの現実とはどこか違う場所にいる構図は、なにか不思議な魅力を感じるのだ。

2018 水彩 色鉛筆「明日のすみか」原画
(2018 東京個展 / キチジョウジギャラリー「明日のすみか」)
2019 透明水彩 色鉛筆「木陰の道で」原画
(2019 かわいちひろ・かとうゆきお二人展 / ブックギャラリーポポタム「木陰の道で」)
2019 透明水彩 色鉛筆「まちぼうけ」原画
(2019 かわいちひろ・かとうゆきお二人展 / ブックギャラリーポポタム「木陰の道で」)

この1枚は、二人展の共同展示者のかとうゆきおさんの作品なのだけど、製作過程を伺ったところ『木陰の道で』と『まちぼうけ』は言わば2枚で1組という形で描かれたということだったので、引き離さずに2枚ともお迎えさせていただいた形。

2019 透明水彩 色鉛筆「内緒の登校」原画
(2019 かわいちひろ・かとうゆきお二人展 / ブックギャラリーポポタム「木陰の道で」)
2021 水彩 アクリルインク 色鉛筆「今宵はよい肉」原画
(2021 東京個展 / L’illustre GalerieLE MONDE「すっぴん」)
2021 水彩 アクリルインク 色鉛筆 原画
(2021 東京個展 / L’illustre GalerieLE MONDE「すっぴん」)
2022 ベークレー印刷 アルシュ紙 「恋のまにまに」複製原画 Lot number 1/3
(2022 東京個展 / L’illustre GalerieLE MONDE「mani mani」)
2022 水彩 カラーインク 「マイリトルシアター」原画
(2022 東京個展 / L’illustre GalerieLE MONDE「mani mani」)

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