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『Soulstice』レビュー

Soulstice (ソウルスティス)』は、中世ヨーロッパがベースの「剣と魔法の世界」を舞台とした、三人称視点(TPS)の3Dアクションゲームだ。

主人公は灰剣騎士団に属する剣士ブライアーと、エーテル体として常に彼女に寄り添うリュートの2人姉妹。

彼女たちが属する騎士団は、市井に生きる人々が邪悪な存在から累が及ばないよう陰ながら活躍する立場で、本作ではレイスと呼ばれる死霊のような存在に占拠された城塞都市を調査するべく彼の地に赴くことになる。

開発:Reply Game Studios
販売:Modus Games
配信日:2022年9月20日 / 日本語サポート有
Steamにも同レビューを公開中:Link

ゲームシステム

本作は章立てとなっていて、章毎にエリア内の探索と戦闘を繰り返しながら、合間にストーリーが展開するという構成になっている。

タイトルに "ソウル" と冠されているがソウルライクではなく、開発元が公言している通り『デビルメイクライ シリーズ』に強くインスパイアされたゲームデザインとなっている。

タイトル名に "ソウル" の文字が入っていることで本作をソウルライクだと勘違いしていたというコメントを、少数だがSNSなどで見かけている。それだけ特定の単語に先入観や思い入れがあるのかも知れないが…

購入してからミスマッチに気づいては遅いので、注目しているゲームはジャンルやストアテキストにも注目してほしい。

ステータス/パラメータの概念はなく、武器は7種類(初期は2種類)あるが強化要素はない。スキルを習得することで攻撃や防御などの様々なアクションがアンロックされていく形だ。

戦闘で操作するのはブライアーだが、防御やカウンターなどはサポート役としてリュートが担う。アクションが苦手なプレイヤーにはリュートの行動を自動化するオプションも用意されているので安心だろう。

難易度も複数用意されているので、プレイヤースキルに併せて幅広い層のユーザが楽しむことができるはずだ。

TIPS

任意でダッシュする機能がなく、コントローラで言うとL3スティックを倒して移動し続けると、やがてダッシュに移行する仕様となっている。やり難いと言うのが筆者の本音だが、しかし回避行動を挟むことで即座にダッシュ状態になれる。

わずかだが繰り返せば移動もストレスになるので、うまく活用してほしい。

日本語サポート

音声は英語(フルボイス)・UI/テキストが日本語に対応。翻訳を担当されているのは"田中友梨"氏 (@yuritanaka_jp) だ。

本作は登場人物こそ少ないが、カットシーンでの会話はそれなりに多い。またキャラクターやモンスター、武器や世界観に関するフレーバーテキストも豊富に用意されており、読みやすく且つ読み応えのある内容の翻訳となっている。

翻訳担当の田中氏によれば、リリース時点ではLQA前の翻訳(UI/テキスト)が実装されているため、後日修正・差し替え等が発生する予定とのことだ。続報があればお知らせするとのことなので、気になる方は田中氏のSNSアカウントをチェックしてほしい。

https://twitter.com/yuritanaka_jp/status/1572150835651706880

気になるポイント

(1)
戦闘中はフリーアングルで任意にカメラ操作が可能なものの、それ以外では強制的に固定アングルになる。その仕様自体は否定しないが、後者のカメラワークの調整がやや雑で人によっては酔い兼ねないだろう。

(2)
プリレンダリングされたカットシーンのみが30fpsに固定されているのは、やや違和感がある。動きの早いカットが多いため余計に目立ってしまっているようだ。

以前にSteam版『ニーアオートマタ』でも同様の問題があり、その後、映像ビットレートが改善されたケースを知っている方もいるだろう。本作でもフィードバックが上がっているので、改善に期待したい。

総評

キャラクターデザインやアクション面など、いずれもインスパイアされた作品のイメージが強く、本作独自のユニークさを持てているとは言い難いものの、そのクオリティは高い。

多くのAAクラスのタイトルを製作してきたスタジオの実力にたがわず、比較的高い水準でまとまった作品と言えるだろう。

最近ではアクションと言えばソウルライクが多いが、純粋な3Dアクションが好みであればおすすめだ。

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