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『Redfall (レッドフォール)』インプレッション
『Redfall (レッドフォール)』は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州にある街「レッドフォール」を舞台に、突如として街を占拠した吸血鬼との戦いを描いた、3DオープンワールドFPSアクションゲームだ。
街は外界から閉ざされ、わずかな生存者たちも吸血鬼とその信奉者たちによって生命の危機に瀕している。主人公は、生存者たちとともにこの状況を打開するために、行動を起こしていくことになる。
開発:Arkane Austin(Arkane Studios Austin)
販売:Bethesda Softworks
配信日:2023年5月2日 / 日本語サポート有
ゲームシステム
本作では、個性的な能力とバックストーリーを持った4人のプレイアブルキャラクターから1人を選択して、ゲームをはじめることになる。
チュートリアルを終えて、「消防署」を奪還するとそこが生存者たちの拠点となり、武器や物資の補給が可能となる。そして、ブリーフィングルームでストーリーに沿ったミッションを受けて、レッドフォールの街へと探索に赴くわけだ。
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ミッション(セーフハウスや探索中に受注するサブミッションを含む)の内容に応じて目的は変わるが、その間も街は自由に探索することができるので、武器や物資を集めたり、物語の背景に迫れるイベントやテキストを発見したり、といったことができる。
また、例えば建物への侵入ルートが複数あり、選択はプレイヤーの裁量に任されているなど、これまで『Prey』や『Dishonored』といった自由度の高いタイトルを手掛けてきた Arkane Austin(Arkane Studios Austin)らしいスタイルが感じられるのも嬉しいところだ。
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なお、本作のジャンルは「オープンワールドFPSアクション」とされているが、オープンワールドと言ってもその定義は作品によって異なる。本作の場合はあくまで「レッドフォールの街を自由に探索できる」程度の意味合いと、理解しておいてもらいたい。
本作に限った話ではなくさまざまなジャンル(ローグライクやハクスラなど)で発生することだが、まれに「これはXXXXじゃない」といった意見を見かけることがある。
個人の認識を否定するものではなく、思い描いていたものとすれ違いが起きてしまったならば気の毒だが、こうした定義は実に曖昧であることも覚えておこう。
吸血鬼との戦いと備え
街なかには主人公に敵対する吸血鬼や、その信奉者の人間たちがいて、出くわせば戦闘に発展することになるが、戦う手段は共通して銃器と、キャラクターによって異なるスキルを用いる。
銃器はチェストから発見したり、ドロップで手に入る。アサルトライフルやショットガン、スナイパーライフルといった馴染みのあるものから、杭打ち銃のように吸血鬼相手にふさわしいものもある。
入手時のプレイヤーキャラのレベルに比例する武器レベルによって基本性能が上がり、レアリティによってランダムに付与される武器スキル(リロード速度+20%など)の数が増減する形だ。最大3つまで同時に装備して持ち替えられるので、好みの武器を扱っていくといいだろう。
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スキルについては、キャラクター毎に3種類のアクティブスキルと、複数のパッシブスキルを持っており、レベルアップで獲得できるポイントを消費して性能を拡張・習得していく。
筆者は「レイラ・エリソン」という超能力を備えた女性キャラクターを選択したが、空中や高い位置へジャンプできる「リフト」や、超能力で作った傘で攻撃を防いで反撃もできる「アンブレラ」、吸血鬼になってしまった元カレを味方として召喚できる「元カレ吸血鬼」など、バラエティに富んだスキル構成だった。
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戦闘では、人間相手にはそれほど苦戦しないが、吸血鬼は特殊なスキルを持っていたりと強力な存在だ。
さらに、吸血鬼の体力を削りきったら、バヨネットのように先端に「杭」を装着した銃器の近接攻撃でとどめを刺すというギミックがあるのは、いかにも"らしく"面白い要素だろう。
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物語が進めば、より困難さは増してくるのだろうが、本作は多少の慎重さを求められるシーンはあるものの"マルチプレイを前提としたものではない"ため、シングルプレイでも問題なく楽しめる作品となっている。オプションから難易度調整もできるので、プレイヤーが望めば比較的カジュアルに楽しめるのではないだろうか。
シングルプレイとマルチプレイ
本作は、シングルプレイと、最大4人までのマルチプレイ(Co-op)が用意されているのだが、ここに誤解が生じてしまっている。
リリース前から展開されていた、公式によるプロモーション(およびそれを元にしたゲームメディアの紹介記事)では、協力プレイを主軸としたゲームであるかのような印象を受ける内容となっていたことから、例えば『Left 4 Dead』のようなスタイルを期待していたプレイヤーも多かったのではないだろうか。
しかし実態は、先に触れたようにむしろシングルプレイを主軸に、Co-opプレイ"も"楽しめるというものだった。
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また、(ローンチ時点では)オンラインマッチング機能がなく、フレンドとのCo-opのみというクローズドなものであるため、手軽に協力プレイが楽しめるとは言い難く、一部のプレイヤーから批判の声が上がってしまっているというのが実情だ。
それは、購入前のユーザに誤解を与えてしまったプロモーションの問題であり、誤解をしたまま購入してしまったプレイヤーとの間で、すれ違いが起きてしまったのは残念だ。
リリースの約1ヶ月前となる3月下旬頃には、国内外で解禁されたメディアプレビューによってゲームシステムの詳細が伝えられていたので、そこで誤解を解かれた方も多いことだろう。筆者もその1人だ。
常日頃から「注目しているタイトルの情報を追いかける」というプロセスを踏まれている方であれば問題とはならなかったため、必ずしもパブリッシャーだけに責任があるわけではない。1度広まった情報を上書きすることは往々にして難しいことなのだ。
ゲームのパフォーマンス
筆者はPC版でプレイしているが、インテル Core i9-13900K + GeForce RTX 4090 という環境では、4K/最上位のエピック設定/DLSS3(クオリティ)で、使用モニタの上限値の144fpsで安定して動作していた。
レイトレーシングに対応していないこともあり、DLSSをOFFにしたネイティブ4Kであっても120fps程度で推移するなど、おおむね負荷は軽いという印象だ。
特にDLSSの効果が大きいため、比較的最近のGeForceグラフィックボードを搭載したゲーミングPCを所有していれば、1080pや2Kの環境で快適にプレイできるだろう。
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なお、Xbox版(Xbox Series X|S)は、リリース時点ではゲーム側で30fpsにロックされている。後日、解像度とグラフィック設定を抑えて60fpsに対応させるパフォーマンスモードを追加予定とのことだが、時期は未定だ。
Game Pass対応タイトルのため、Xbox版でプレイするユーザーも多いと思うが、現世代においてFPSタイトルでの30fpsロックはプレイフィールに大きく影響するため、ローンチに調整が間に合わなかったのは惜しい。
日本語サポート
ボイス吹き替えと、UI/テキストが日本語に対応。
イベントやドキュメント収集など、テキストを読む機会も多いが、翻訳は良好で問題は見受けられなかった。特に、個性的な各キャラクターのパーソナルな部分を表現して翻訳分けされているのは見事だ。
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一部、喋っているセリフと字幕が微妙に異なっているシーンが見られるものの、ボイス収録後に字幕テキストが更新されるなどして、そうしたズレが生じることは翻訳された吹き替え作品では(ゲームに限らず)まま発生することだ。
客観的な事実として伝えるのではなく、そうした部分を強調して品質の低さに結びつけようとする先導的な論調を見かけることがあるが、本質とはいささかズレていることを付け加えておこう。
TIPS
スキルリセット
レベル10に到達すると、一度割り振ったスキルポイントを、スキルツリー画面の左下からリセットすることができるようになる。なお、必要コストはそれほど高くはないが、リセット毎に上昇していくようだ。
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コントローラーの感度調整
コントローラーで操作する場合、筆者の主観ではデフォルトのままでは操作性に難があると感じられた。そこで、以下を参考に「入力応答プリセット」と「コントローラー感度」をセットで調整することをおすすめしておこう。
「入力応答プリセット」がデフォルトだと視点操作の加速が強すぎるため、最低値の「下」に設定
続けて「コントローラー感度」をデフォルトの「2.5」から、倍の「5」以上に設定(筆者は5.75~6に設定している)
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総評
『Redfall』は、数々のユニークな作品を手掛けてきた Arkane Austin らしいプレイフィールを感じさせてくれるタイトルで、シングルプレイで遊ぶ上では欠点らしい欠点もなく、旧作に馴染みのあるプレイヤーだけでなく、本作からのプレイヤーも充分に楽しめるはずだ。
しかし、マルチプレイの仕様において、一部のプレイヤーの期待とすれ違いが生じてしまっていることは残念で、それはPRの問題と言えるだろう。作品自体の評価にもつながってしまい、良い部分が覆い隠されてしまいかねない。
こうした出来事は起きないように願いたいものだ。
余談だが、本記事の執筆時点でSteamのユーザーレビューは「やや不評」ステータスに傾いている。マルチプレイの件があるため、仕方のない面もあるだろう。
しかし、正しく不評を述べているレビューがある一方で、不自然なレビュー操作の気配のあるものも混じっているようだ。例えば、アカウントに登録されたゲームが本作1本のみで、わざわざ不評を投じて返品しているものも見かけている。
誰に頼まれたわけでもないだろうに、なにがその彼/彼女をそこまでさせているのかは理解が及ばないが、Game Pass対応という敷居の低さもあるので、まずは皆さん自身の目で判断することをおすすめしたい。
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