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Steam ゲームレビュー

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Steamでプレイできるインディーゲームを中心にレビューを公開。Steam側に投稿したものと同じものを掲載しています。
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記事一覧

『Rusted Moss (ラスティッド・モス)』レビュー

『Rusted Moss (ラスティッド・モス)』は、銃を手にグラップリングフックを操って飛び回る、2Dアクションゲームだ。足場から足場へと障害を乗り越えて進んでいく、いわゆるプラットフォームゲームと言い換えてもいい。 主人公は人間の女性ファーンと、彼女の影となり付き従う謎の存在パックだ。本作の舞台は妖精によって滅亡の危機に瀕している世界。人類は彼らの魔法を盗み魔女へと与えて最後の抵抗を試みたが、密かに妖精側から送り込まれていたファーンによって阻まれることになる。 言わば

『GRAPPIN グラパン』レビュー

『GRAPPIN グラパン』は、ロープの先端にフックの付いた「グラップリングフック」を使って山頂を目指すアクションアドベンチャーだ。 ある嵐の夜に山中の洞窟に迷い込んでしまい、そこで不思議な「グリップ」を見つけた主人公は、どこからか聞こえてくる謎の声に導かれてそれを山頂にある祠まで届けることになる。 ゲームシステム本作はグラップリングフックを使った足場から足場への移動アクションが特長で、遠く離れた足場や高い位置にある足場にも、これを使って移動していく。 ゲームとしてはス

『Insurmountable』レビュー

『Insurmountable』は、登山をテーマとしたローグライク要素のあるストラテジーゲームだ。 主人公はとある出来事から、同じ時間をループする山岳地帯に閉じ込められてしまう。その謎を解いて脱出するために、ステータスを管理しつつ、最適なルート選択・イベント分岐・アイテムやスキルを駆使しながら、一帯の山々を踏破していくことになる。 ゲームシステム本作は性能の異なる3人のキャラクターから1人選び、点在する山々を踏破していくことが目的だ。それぞれミッション、サブミッションとい

『IDEA』レビュー

『IDEA (アイデア)』は、ドローンで空撮された北欧の実写映像上を、ひらめきの象徴である『電球』となって転がっていく雰囲気と感性を重視したゲームだ。 様々な風景を目にしてインスピレーションを高め、それによって得られた『アイデア』をメッセージとして書き残して他のプレイヤーに共有していこう。 ゲームシステム先に触れたとおり、プレイヤーは電球となって実写映像の上を転がって進んでいく。 自由に操作することはできず重力に従って転がるだけ。実写映像なので建物や地形、走っている車な

『Wo Long: Fallen Dynasty』レビュー

インプレッションこれまでの戦国時代を舞台とした『仁王』シリーズとは方向性が異なり、アクション面がよりアグレッシヴなスタイルに調整されたタイトルという印象。 ガードや回避よりも「化勁」という武器を使ったパリィがメインで、体験版でのフィードバックを受けて発動の猶予が改善されたこともあり、本作独自のタイミングに慣れてしまえば思い通りに立ち回っていくことができる。 ただそれは「誰でも簡単」という意味ではなく、普段からアクションゲームが得意で、敵のモーションを観察してタイミングを見

『Loretta』レビュー

『Loretta』は、1940年台のアメリカの片田舎を舞台とした、2D横スクロールのサイコスリラーアドベンチャーだ。 主人公はタイトル名にもなっているロレッタ・ルー・ハリスという38歳の女性。ストアテキストで明示されているように、彼女が夫の保険金の存在を知り犯罪を犯すことはすでに決まった筋書きで、そう運命づけられた人物だ。 本作はプレイヤーがその顛末を見届ける形でゲームを進めていくことになる。 ゲームシステム先に触れたとおり、主人公ロレッタが犯罪計画を立て、それを実行に

『Sons Of The Forest』レビュー

『Sons Of The Forest』は、洋上に浮かぶ広大な島を舞台とした一人称視点の3Dサバイバルアドベンチャーだ。 主人公は、ある島で行方不明となっている3人の人物を捜索するために派遣されたチームの一員だが、捜索の途上で突然の銃撃を受けて乗っていたヘリが墜落してしまう。 かろうじて仲間が1人生存していたが、別のヘリで移動していたチームBは行方不明。こうして他人の捜索どころではないサバイバルが始まることになる。 ゲームシステム本作の目的は、まずなによりも自身が生き残

『Ringlorn Saga』レビュー

『Ringlorn Saga (リングローン・サーガ)』は、いわゆる"剣と魔法"の世界観を舞台とする、見下ろし型視点の2DアクションRPGだ。 主人公は王子ゲルハルト。謎の魔法障壁に隔たれた隣国の調査へ向かったまま消息を絶った父王の行方を求め、本国を兄に任せて自身も障壁の内へと踏み込んでいくところから本作ははじまる。 ゲームシステム本作の基本の流れは、5x5の画面で構成されたワールドマップを探索し、必須イベントや点在するダンジョンを攻略して、最終的に敵の本拠地でボスを倒す

『FORSPOKEN』レビュー

『FORSPOKEN (フォースポークン)』は、自然あふれる広大なオープンワールドを舞台としたアクションRPGだ。 主人公はニューヨークに住む、間もなく21歳の誕生日を迎える女性フレイ。身寄りもなく荒んだ生活をしていたが、あるとき廃屋で見つけた輝くブレスレットと共に異世界アーシアへと飛ばされてしまう。 そのブレスレットは意思を持ち、魔法の力を与えてくれた。フレイは彼をカフと名付け、元の世界へと帰る手段を求めて踏み出していくのだった。 ゲームシステム本作の基本の流れは、広

『Thymesia』レビュー

『Thymesia』は、中世ヨーロッパをベースに剣と魔法の世界観を舞台とした、いわゆるソウルライクと呼ばれるジャンルに相当する3Dアクションゲームだ。 かつて栄華を誇ったヘルメス王国には疫病が蔓延し、錬金術によって対抗しようと試みたが、その代償は大きく今では見る影もなく荒廃してしまっている。 主人公Corvus(コルヴス)は災厄の真実を知る人物だが、本作の序盤のある出来事によって記憶を失い、それを取り戻すべく行動していくことになる。 ソウルライク本作の目的は主人公の失わ

『A Space For The Unbound 心に咲く花』レビュー

『A Space For The Unbound 心に咲く花』は、90年代後半のインドネシアのある田舎町を舞台とした、2D横スクロールのSFファンタジー・アドベンチャーゲームだ。 主人公は恋人同士であるアトマとラヤ。ふたりはある種の不思議な力を持っていて、人の心や現実に干渉することができるが、それ以外はどこにでもいるような高校生だ。 夢か現実か定まらない記憶と時間軸、まるで異世界のような空間、超能力、人の言葉を喋る猫など如何にもSFファンタジー的な要素を孕んでいるが、同時

『DESOLATE』レビュー

『DESOLATE』は、ロシア近海に位置する「グラニーチニー島」を舞台とした、一人称視点のSFホラー・アドベンチャーゲームだ。 主人公はボランティアと呼ばれる壮年の男性。とある局地災害によって変貌した本島の調査・情報収集などを行うために送り込まれた人員の一人だ。 この島を統括する「新たなる光」というコングロマリットの指示に従う形で、主人公は様々な任務に携わっていくこととなる。 ゲームシステム本作はオープンフィールドとなっており、ゲームを開始して最初にたどり着くキャンプを

『サイレンタウンの子供たち Children of Silentown』レビュー

『サイレンタウンの子供たち Children of Silentown』は、どこか陰鬱な雰囲気をまとった、ダークなストーリーを特徴とするアドベンチャーゲームだ。 舞台は山奥の深い森に囲まれた小さな町サイレンタウン。質素な生活を営むそこでは、ある『掟』を守って人々は暮らしていたが、時折り神隠しにでもあったかのように住民が森の中へと姿を消してしまうのだった。 掟のことばかり口うるさい大人たちに対して、子どもたちは反発しながらも森を畏れていたが、収穫祭の夜の出来事を境に主人公ル

『Jack Move』レビュー

『Jack Move』は、Edd Parris氏によって製作された、近未来のサイバーパンク世界を舞台としたJRPGインスパイアの2D RPGゲームだ。 主人公は街の自警団に所属する女性ハッカーのノア。世界を牛耳る巨大なコングロマリット『モノマインド』を相手に、彼らの手によって行方知れずとなった父親の手がかりを求めて行動していくこととなる。 ゲームシステム本作は良い意味でレトロでオーソドックスなRPGだ。 ストーリーベースの作品で、メインシナリオとサブクエストとで構成され