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核弾頭を喰らう1

   

  フカザワカズキ

「玉出―っ、戦争したくねぇか」

 学校からの帰り道、、玉出マサルのクラスメート、

阿保(あほ)正一がアホなことを抜かした。

「アホ。戦争なんてやったらきっと

いてぇぞ」
玉出が女子生徒たちのスカートをまくりながら
そうほざいた。

「おまえはあいかわらず腰抜けで

間抜けだなあ。核兵器でも使われたら、イタイなんて
感じてるヒマはないんだよ」

「そうなのか」

「おまえはあいかわらず腰抜けで

間抜けだなあ。かく」

「わあった、わあった。何で二度いうんだよ」

「オマエはあいかわらず腰抜けで間抜け」

「てめぇ、一族郎党皆殺しにするぞ」

玉出が阿保の胸倉を掴んで激しく揺さぶった。

「おい、見ろよこのネットニュース」
阿保がスマホを玉出の方に向けた。

「米国防総省が核弾頭を何者かに

盗まれたと発表。敵対国の

仕業か」

「なんじゃあ、こりゃあ」
玉出にはなんのことかさっぱり
わからなかった。

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