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厳しすぎてクレーム殺到? スパルタ育児法「ジーナ式」を「ゆる~く」実践してみた

 子どもの夜泣きの改善法のひとつとして、イギリスのカリスマ・ナニーが提唱する「ジーナ式」という方法があると聞き、10カ月の長男の夜泣きに悩むライターが実践してみることに。しかし、書籍『ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとお母さんの快眠講座 改訂版を元に実践するも、そのあまりにストイックなスケジュールに、開始10日で心が折れてしまう。そこで、完璧さを追うのではなく、できることから実践することにした――。

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 長男にジーナ式のスケジュールを完璧に身に付けてもらうことはできなかったが、一方でおっぱいを吸わずにひとりで寝つくことは何度が成功していて、手ごたえも感じていた。そこで、スケジュールに合わせることは諦め、ジーナ式のできそうなところだけを実践してみることにした。

 改めて書籍を読んでみたところ、冒頭のQ&Aに、思わず「クレーム?」と驚くほどに率直な、読者からの質問が並んでいることに気づいたのだ。「スケジュールがきっちりしすぎてやる気が失せてしまう」「4週間スケジュールを実践しても娘は馴染むことができず、母親失格のような気分になってしまう」「スケジュールが厳しすぎて、子育てが楽しめない」……と、どうやら他の読者も簡単にはうまくいっていない様子。ならばできなくても当たり前かと、ちょっと諦めがついたのだ。

 ちなみにこれらに対するジーナの回答は、ざっくり言うと「スケジュールがめちゃめちゃになっても慌てたり、落ち込んだりせず、一日一日、スケジュールに近づけるように続けて」というような内容。ならばそれに従って「継続」を第一目標に掲げ、続けられそうな部分だけ実践しよう、という結論に至った。

 改めて書籍を読み直し、長男の生活スタイルと照らし合わせて、最低限、以下の4点を守ることにした。

・朝は7時台に起こす(夜泣きで眠らなかった日は多少長く寝かせる)
・昼寝は極力、ジーナ式の規定の時間内(長男の場合2時間半以内)に収める
・お風呂から出たら部屋を暗くする(ジーナ式では19時には暗くするが、難しいので)
・おっぱいでの寝かしつけは極力避ける

 かなりゆるい。もはやこれはジーナ式とは言えないのでは、というレベルだ。しかしジーナが力説する「昼寝の上限時間を守って、夜にたっぷり寝かせる」「赤ちゃんに『ねんねの時間』として覚えさせる『サイン』を正しいものと関連付ける」などを身につけるには効果があるのではと思い、ここに落ち着いた。というより、ここが余裕を失わずに実践できるボーダーラインだった。

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 昼寝の時間に関しては、長男はどうしても午前の昼寝が長時間になってしまうので、代わりに午後の昼寝を短くすることで帳尻を合わせた。寝かしつけは、以前成功したジーナ式を布団用にアレンジした方法(暗い寝室に連れて行き、動き回る長男をひたすら布団に戻し続け、眠るのを待つ)をベースにした。それまでおっぱいで寝かしつけていたため、吸いたがってどうしようもないこともあったが、そういうときは諦めて吸わせていた。ただ、そのまま寝落ちして「おっぱいを吸う」を「ねんねのサイン」として認識させないように、落ち着いたら一度離して、改めて一人で眠るように促した。

 この4つだけを守ると決めると、気持ちがかなり楽になった。何よりたったこれだけでも「できた」という達成感が得られ、継続のモチベーションになった。そしてこの「ゆるジーナ式」を1カ月続けたあたりで、長男の生活がかなり変化していることに気づいたのだ。

 まず、バラバラだった1日のスケジュールが、ゆるいなりに整い始めた。朝は7時~8時の間に起床。9時30分~12時の間に午前の昼寝し、昼食をはさんで15時~16時30分の間に午後の昼寝。昼寝は午前に1時間半、午後に1時間弱というパターンが多かった。昼寝の時間が定まってくると、その前後の授乳や食事の時間も自然と固定され始め、気づけば入浴も、毎日19時30分には終わるようになっていた。

 スケジュールが定まると、睡眠も激変した。1時間以上かかっていた寝かしつけが30分程度になり、毎晩3回はあった夜泣きの回数が1回程度まで減った。日中に散歩させたり、遊んで疲れさせたりしなくても、毎日20時半前後には眠るようになり、結果、夜は5時間~8時間も連続で眠るようになったのだ。それまで長男には「なぜか機嫌が悪い日」というのが度々あったが、眠りが安定するとこれが完全になくなったのも、驚くべき変化だった。

 1時間半ごとに夜泣きしていた頃からすると、劇的な変化だ。ただ10カ月という月齢上、単に成長して睡眠が安定したのでは、と言われると否定できない。しかしそれでも、睡眠に関して多くの発見があったし、長男なりのスケジュールを確立できてきたことは大きな収穫だった。何より、5時間以上の睡眠時間が確保できたことで、夫婦の疲労がかなり軽減できたことがありがたかった。

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 今回の実践は、「ジーナ式」がちゃんと成功したかという点では微妙だが、長男の夜泣き改善という意味では大成功だった。もし第2子をさずかったら今度はもっと早く実践してみたい……と思う一方で、また途中で心が折れてしまう予感も、少しだけしている。とりあえずその時が来るまで、本は大切に保管しておこう。(ライター・山田美月)


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