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「カロリーを把握する意外な方法」「お弁当黄金比」「残さず食べさせるコツ」管理栄養士が中高生のお弁当の悩みを解決!

 育ち盛りの中学・高校時代は、人生で最もエネルギー量が必要な時期。1日3食のうちの一つであるお弁当についても、「カロリーは足りているのか」「よく残してくる」など悩みが尽きない。スタジオ食(coo)を主宰する管理栄養士の牧野直子さんは著書『ムリなくできる! 栄養のこと、ちゃーんと考えた 毎日おいしい弁当』(朝日新聞出版)で、そんな悩みに答えている。本書より、「お弁当のカロリーを把握する意外な方法」「ご飯とおかずの黄金バランス」「残さず食べさせるコツ」を紹介する。

◎カロリーを把握する意外な方法

 必要なエネルギー量(カロリー)は、同じ中高生といっても、性別や活動量などによって異なるし、個人差もある。その前提で一般化すると、中高生の1回のお弁当に必要なエネルギーは、男子で800~900キロカロリー、女子で700~800キロカロリーと言われている。

左は900ミリリットル、右は700ミリリットルのお弁当箱に詰めたお弁当。この容量が、カロリーの目安になる

 自分が作っているお弁当が、この必要カロリーを満たしているのかどうかを知るための、意外な方法がある。お弁当箱の裏側などに書いてある「容量」を見てほしい。牧野さんは、この容量が、ご飯やおかずを詰めたときのカロリーとほぼ一致する、と話す。もちろん、実際のカロリーはご飯とおかずのバランスやおかずの種類などによって変動するが、十分に目安になるという。

 つまり、中高生男子なら800~900ミリリットル、中高生女子なら700~800ミリリットルの容量のお弁当箱を用意しておけばいい。

◎ご飯とおかずの黄金バランス

 お弁当を構成するのは、主食であるご飯と主菜、そして副菜。これらを、「主食:主菜:副菜=2:1:1」の比率で詰めるのが、牧野流の黄金バランスだ。

全体の半分に主食を詰め、残った半分には主菜と副菜を1:1の比率で詰める。野菜の副菜は2種類にしてもいい

 主食になるご飯や麺などの炭水化物(糖質)は、脳や体を動かす大切なエネルギー源なので主菜や副菜よりも多めに。主菜は、筋肉を作るためにも肉や魚、卵などの動物性たんぱく質を意識する。副菜は、主菜との食感の変化を意識して、野菜中心のものにするといい。主菜がしょうゆベースの味つけなら、副菜は塩やトマトケチャップなど、別の味にすることも重要。カレー粉などのスパイスやバジルなどのハーブを使うと、味にバリエーションを出すことができる。

 実際にお弁当箱に詰める際は、全体の半分に主食。残りの半分をさらに2等分にして主菜と副菜を詰めると、バランスも整い、キレイに見える。

◎残さず食べさせたいなら「ワンハンド」

 十分なカロリーのお弁当を持たせても、残してくることが多ければ、結果的にカロリーが不足してしまう。お弁当を残してくる場合、「食欲がない」「好き嫌いがある」などの理由を考えがちだが、意外に多いのは「食べる時間がない」という理由だ。

サンドイッチなら主菜となる炭水化物と肉や魚、野菜を一度に摂ることができる。おにぎりの具材も工夫次第

「4時間目の授業が押した」「そもそも昼休みが短い」「授業の準備があってゆっくり食べていられない」――。学校の日常は時間に追われ、親が思う以上に忙しい。こうした理由で残してくる場合に有効なのは、手軽に片手で食べられるお弁当。昼休みに何かの準備をしながらサンドイッチを一つ。授業が終わってから短い休みにもう一つ、といった食べ方ができるよう、工夫するといい。

(構成:生活・文化編集部 端香里/写真:新井智子)


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