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つながる短歌

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千年を経て愛される和歌と近現代の短歌。二首を比較しながら人々の変わらない心持ちや慣習に思いをはせ、三十一文字に詰まった小さくて大きな世界を鑑賞する『つながる短歌100 人々が心を…
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#立ち読み

『つながる短歌100 人々が心を燃やして詠んだ三十一文字』の立ち読み

■はじめに 百人一首かるたのブームが続いています。人の声を通して読みあげられる「うた」の魅力はまたひとしおですが、その百首が、万葉時代から鎌倉時代前期までのおよそ六百年にわたる歌の連なりだということにも、驚きを覚えます。五・七・五・七・七の「三十一文字」(みそひともじ)は、大和(やまと)言葉にずいぶんと根づいているのだな、と感じ入ってしまいます。  日本では『万葉集』以来、数多(あまた)の「うた(和歌)」が詠まれ、文字のかたちで残されてきました。さらにこのリズムは、近代以降