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朝日新聞出版から発売されている本にまつわる記事です
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#子育てエッセイ

水野美紀“驚愕”の展開… 夫は独身時代、庭に何を埋めたのか?

「ハムスター飼いたい」  急に夫が言い出した。  近い将来、小学生になった我が子に、 「犬飼いたい」  とせがまれるのは育児あるあるだと認識していたので、対策をぼんやりと想像したりしていたものだが、まさかハムスターとくるとは。しかも夫から。  絶対にネットで動画か映画か何かを見て感化されたのだ。  私が渋い顔をしていると、 「ほら、ハムスターって、そんなに長生きしないじゃん」  と夫。だから手軽に飼えるんじゃない? ということが言いたいのだろうか。 「てこと

水野美紀 例え雨合羽がパンツだけでも、自分は濡れても我が子は濡らさぬ…雨と親たちの戦い

 雨だ。  ママたちは天気に敏感にアンテナを張っている。装備が増えるからだ。  子供を抱っこして、びしょ濡れで移動しているママを見たことがおありか。ないと推測する。それは、ママがアンテナを張って、 「あめ……来るわ!」  と事前に察知して、しっかり武装しているからである。  私もママチャリのチャイルドシートとカゴには常にカバーを装着し、保育園バッグの中には子供の雨合羽、玄関には大人用雨合羽を準備している。  我が子との移動では、傘をさすという選択肢はない。傘で片手

水野美紀がつい二度見… 保育園からの連絡に書かれていた我が子の驚くべき行動

  主食:完食   汁物:完食   主菜:完食   副菜:完食   果物:完食  毎日保育園から携帯のアプリにお知らせが届く。今日の様子、排便の有無、お昼寝の時間など、保育士さんが書き込んで送信してくれるのだ。  特にコメント欄は読むのが楽しみ。 「今日は園庭で遊びました。木の陰からヒョコッと顔を出して、『ばあ!』と、いないいないばあ遊びを楽しんでいました」  といったような、保育園での我が子の様子がわかる内容で、毎日お知らせが届く夕方4時くらいになるとそわそわして、

「親バカにだけはなるまい」と誓った水野美紀 我が子の2度目のクリスマスツリーに懊悩する

 クリスマスが近い。  二子玉川に向かう道すがら、ベビーカーに我が子を乗せ、私は「親バカ」について想いを巡らせている。  我が子にとっては産まれて2度目のクリスマス。とはいえまだ1歳。クリスマスなんてまだ分からない。だから、うちでは特に何の準備もしていない。  ツリーを飾る予定もないし、プレゼントを渡す予定もない。小学校に上がるくらいの頃でいいだろう。  こんなちっちゃい頃から大げさに祝うのは、それこそ親バカだろう。  そんなことより、日々の、こんな何でもないお散歩

水野美紀 子どもが通う保育園に2週間不審者が多発した理由と感嘆した保育士の匠の技

 保育園周辺に、不審者が多発した。  窓の外から腰を屈めて教室を覗き込む者、散歩に出かける園児たちを、一定の距離を保ってつける者。電柱の陰から盗撮する者までいる。  それが、多い時には一度に5、6人も。そして、不審者同士、時々笑顔で言葉を交わしているではないか。  保育士たちは不審者の存在に気づいているようだ。気づきながらも、いつも通りの保育を続けている。  この由々しき事態。  これは、保育園の「公開保育」。学校でいうところの授業参観である。  保育園の授業参観

水野美紀が「子供抱えながら仕事して大変だね」に反論! もっと大変なのは…

 仕事に復帰して「あれ?」と思ったこと。それは、仕事がラクに感じるようになっていたことだ。  家にいると、常に我が子に目を光らせながら、 「ご飯、何にしよう?」 「食器洗わなきゃ」 「そうだ、ご飯何にしよう?」 「買い物に出なきゃ」 「ひとまず掃除機をかけよう」 「あ、洗濯終わった、洗濯物干さなきゃ」 「お風呂入れなきゃ」 「ワクチンの予約入れなきゃ」 「ああ、携帯チェックしなきゃ」 「セリフを覚えなきゃ」  と、常にてんこ盛りのタスクを背負い込んでいて、自分の睡眠も食

水野美紀が「監視されている!」と戦慄を止められない子育て“神アプリ”とは?

 妊娠中も出産後も、心の拠り所になったのは携帯のアプリ。  ダウンロードして出産予定日を入力すると、毎日5行くらいのアドバイスやメッセージが送られて来る。  妊娠中には「ママリ」。産後は「ninaru-baby」(ニナルベビー)というアプリを毎日チェック。  これが本当にすごくて、毎日タイムリーな情報を与えてくれる。  そんな訳ないのだが、その精度たるや監視されてるほどのレベル。  いやいや、大げさな表現なのは分かっている(笑)。  だってそれほどタイムリーなのだ

水野美紀 出産直後、我が子を見た第一声が「やだ!」だった理由

 人間の脳は、辛い記憶を「忘れる」機能を持っている。  辛い記憶だけでなく、必要な記憶、必要でない記憶、それらを勝手に精査して、デリートする。  忘れられるから生きていける。 「忘れる」というのは人間にとってとても大事な能力の一つなのである、と昔何かで読んだ。  私のあの日の記憶も、いささかぼんやりとして、断片的である。  陣痛がなかなか強くならないので、「陣痛促進剤」を使用することになり、テキパキと準備が整えられた。  私は和室に敷かれた布団の上に横になっていた

「出汁がでちゃうじゃないか!」水野美紀が破水後に子宮口が開かず処置された昆布に対する夫の感想

 人生において、ともすれば命の危険にさらされるくらいの痛みと、涙が溢れるくらいの喜びが「同居する」場面、というものはあるだろうか?  私は最近経験した。  そして読者の皆さんの母親はもれなく経験されているはずだ。  そう。出産だ。  話は今から一年ほどさかのぼる。  臨月を迎えた私は不安と恐怖に苛まれていた。  一体、陣痛やら分娩(ぶんべん)の時の痛みとやらはどれ程のものなのか。  もうすぐ必ず訪れる、その痛みのことを考えるのが怖い。  怖くない妊婦なんている

水野美紀が妊娠中一番つらかった「体重管理」 救世主となった食べものとは

 一年前、私の体重は今より10キロ以上重かった。  ウエストは1メートルに届かんばかりで、バストもスリーカップ以上サイズアップ。  現在は着ぐるみを脱いだかのごとく、すっかりしぼんでしまった。  私の身に何が……そう! 出産である。  昔は、「二人分食べなきゃね」なんてよく言ったもんだが、今やとんでもない話。  妊娠が発覚して通った病院では、高齢出産であるということに関して特別レクチャーされることはなかったものの、体重コントロールに関してはすごく厳しく言われた。