マガジンのカバー画像

ほんの記事

360
朝日新聞出版から発売されている本にまつわる記事です
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

今日はバカヤローの日 吉田茂とは何者だったのか?

 敗戦後の日本はGHQ占領下で軍事組織を解体し、経済的自立を目指した。反共理念を明確にして西側陣営の橋頭堡となる道を選んだが、それは時の首相であった吉田茂の歴史観の反映そのものであった。  吉田は占領下でマッカーサーと巧みに接触しながら、ついに1951年のサンフランシスコ講和条約によって主権を回復し、占領状態を終わらせる。しかしそれは東西冷戦下における日米安保条約と対になっていた。 「天皇」と「日本国憲法」と「徹底した対米追従」。  吉田が作り出した戦後日本は、現在も多

猫の日におすすめの本だニャ

■山根明弘『ねこはすごい』(朝日文庫)  佐藤優氏、推薦! 「猫研究の第一人者である著者にしか書けない、学術的知見に裏付けられた猫の魅力を堪能できる作品だ」  猫の生態研究の第一人者で「ねこ博士」として注目を集める、西南学院大人間科学部教授・山根明弘の著作。ねこの基礎知識として、これから飼おうと思っている方にもオススメです! ■オノユウリ/塩田妙玄 『ペットの声が聞こえたら 命をつなぐ保護活動編』  真言宗の女性僧侶で心理カウンセラーでもある塩田妙玄さんは、ペットの言

元自衛隊メンタル教官が教える 職場が「人間関係の戦場」となってしまう3つの理由

■職場が「人間関係の戦場」となってしまう3つの理由  誰もが人間関係が良好で、居心地のよい職場を求めていることでしょう。でも、それはあくまでも理想。私が考えるに、組織とは「役割の戦場」、職場の本当のところは「人間関係の戦場」です。  その理由を、3つの視点からお話しします。  1つ目が、「エネルギー」の視点。  職場では、組織の目的を達成するために、それぞれのメンバーが活動します。活動をするとは、「エネルギーを使う」ということ。  原始的な観点に立って考えると、人に

今年も全力でやるニャ!「NyAERA2022」が2月16日発売

 猫をこよなく愛する皆さま、今年も丸ごとぎっしり猫だらけの別冊「NyAERA」の季節がやってきました。2022年2が並ぶ猫の年、いつにもまして全力で猫をお届けします!  表紙は岩合光昭さんが撮影した岩合家の猫、玉三郎。こちらを見つめるリラックスした深いまなざしは、やはり岩合さんとの信頼関係があってこそ。ぜひ、強い目力に魅了されてください。  2022年の大特集のテーマは「猫とあなたの物語」。人生いろいろならニャン生もいろいろ、人間と猫たちが織り成す波瀾万丈の物語を全国から

「取り返しがつかないのが人生」だからこそ“諦める”ために必要な行動 作家・森博嗣氏の人生作法

■あの人と結婚していたら【相談1】  結婚して15年以上になり、子供も2人いるのに、何故この人と結婚したのか、自分と合わないのではないか、別な女性と結婚した方が幸せだったのではないか、このまま暮らしていると身体に良くないのでは、との思いが毎日頭を過(よぎ)ります。  当時、ほかに結婚までいくぐらい長くつき合った人がいたわけではないので、現実問題として「あの人と結婚してたらな」という人物は、特には存在しないのですが、「早まったな」とは思うのです。自分は自己中、「べき」思考の塊

東大合格が人生のゴールではない「社会でも活躍できる」子育て法を元開成校長に聞く

■志望校を卒業後も活躍できる素因は何か  大学には燃えている学生、冷めている学生、燃え尽きた学生がいます。4年間燃えて自主的に、自律的に学問と大人としての生き方を学び続ければ大きく成長します。私の経験では東大生の2割はこの分類に入ります。5割は冷めている学生で、自主的、自律的な学び方は知っているけれども、情熱に燃えて時間を過ごすことはなく、何となく冷めた4年間を過ごしています。3割は燃え尽きた学生です。中等教育の段階で自主的、自律的な学び方を身に付けることなく、指導されるま

子どもが東大に合格する親の共通点とは? 元開成中学・高校校長に聞いた

 子どもは誰でも、何かしらの特性(才能)を持っています。そして、その特性を伸ばすためには、第一に、心から安心して過ごせる場所が必要です。  当たり前ですが、子どもは一人で生きていけません。親が食べさせてくれ、守ってくれる所、つまり家の中が最も安心できる場所であることが重要なのです。  家の中では両親の仲が良く、父親と母親が互いの悪口を言わないことも基本。平易な表現ですが、「両親の笑顔」は子どもにとって何よりの安心であり、愛情そのものなのです。  一人親家庭でも、親が笑顔