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はじめてお花見に行く

 京都には四季がある。 
 春にはうすピンク色の桜が咲いて、暖かくなってきて 心なしか町を歩く人たちも
 ウキウキしている。
 それが わたしの春のイメージだ。

 ところで、わたしが生まれ育った
 奄美大島では、春がほぼ感じられない。
 桜はヒガンザクラという名の 蛍光ピンク色のお花が咲くが、島に住んでいた当時には お花見など したことなかった。
なぜなら、花見をする文化がなかったから。

  ある日の学校帰り道
 今から八坂神社まで、お花見に行こうと誘われた。
 電車を乗り継いで 着いた時には
 もう日が暮れていた。

 月明かりに浮かぶ 夜桜は
 とても美しくて 怪しい雰囲気で
 うっとり・・・・

 したかったが、そんな余裕が生まれない。
 なぜなら 寒くて寒くて。
 体が、もう 桜は良いから早く帰りたいモードになっていた。

 それに 人がみっちり、いて。
 桜の下で 花を見るのではなくお酒を手にしてはしゃぐ大人達。
 ゴミ箱から溢れるゴミ。
 落ち着いて桜みたいけど、
 そんな場所も無い。

 そして、とにもかくにも
 寒すぎる。

 数分 友人達と 夜桜をみて
 わー きれいだね
 ねーすごいね
 何度も言い合った後 すぐ帰宅。

 春といえど、ずーっと暖かいわけじゃないんだなぁと知ったし
 お花見というのは 桜を目の端に
写しつつ メインはどうも宴会を指すようだ
と、帰りの電車で理解した。

 今年も桜が咲いた。
 桜も、自分の下に集まる人間達を
 見てるかもしれないよね。


▣写真は 今年撮った夜桜。
八坂神社じゃないです。

  
 

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