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はじめてラクダに乗る

 もう、けっこう前の話だ。
 専門学校で一緒だった友人に会うため
 鳥取県へ行ってきた。
 鳥取 といえば、鳥取砂丘。

 目の前に広がる サラサラの砂山。
 砂漠には行ったことはないけど、こんな感じなのかなぁ? などと想像し
 当時 まだ20代そこそこの若者だった
わたしは 大はしゃぎで走り回ったものだ。

 その砂丘では いろいろなアクテビティが用意されており
 砂漠=ラクダ という安易なイメージの通り
 ラクダに乗れる というものがあった。
(もちろん お金がいりますよ、いくらだったか忘れたけどね)

 せっかく来たから 乗っていきなよ~と
 友に背中を押され、乗ってみることに。

 よく日焼けした 笑顔の素敵なお兄さんに連れられた ふたこぶラクダ。
 目の前に来ると、ラクダめちゃでかい。

 まつげがばっちばちしてて かわいい♥
 などと 数秒前まで思ってたが、
 ラクダのでかさに お、おおう となりつつ
 ラクダに乗って。

 グラツキながら ラクダが立ち上がる。
 思ってたより高い。
 そして 生き物だからか 常にグラグラしていて 安定しない。それが怖い。

 そんな感想を抱いていると

 お兄さんに促された ラクダがさくさく砂上を歩き始めた。
 ふわぁーうわぁー おおう みたいな声しか出ないわたしに唐突にお兄さんが
キラキラした笑顔で
話しかけてきた。

 『お姉さん 現地の人みたいっスね✨』

 ゲンチノヒト とは??

 お兄さんと一緒に 地上にいた友人も
うんうん うなづきながら
 『いつか、めっちゃラクダ似合う』
 と、言ってきた。

 ラクダニアウ  とは??

 この2人は一体 何を言っているんだ?

 それって 褒め言葉なのか?
 どういう意味なの?
 ラクダに乗っている間 考えたが
 よくわからなかった。

 わからなかったから、とりあえず
 笑顔でごまかしておいた。

 ラクダに乗ってる間 一生懸命考えすぎて
あっという間にラクダ触れあいタイムが終了してしまった。

 もう あれから何年も経つが
 未だに あの言葉の謎が解けないでいる。

 笑顔だったから 
 彼らの 褒め言葉だったんだろうな。
 

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