愛情のコップ
愛情のコップという言葉をご存知でしょうか?
愛情のバケツやタンクと言う方もいます。
個人が持つ、愛情を受ける受け皿の大きさのことを指します。
コップの大きさは個人差があり、大きい人も小さい人もいます。
これをいっぱいにすると、自己肯定感が高くなり、自分や他人にネガティブな感情を持ちにくいと言われます。
私はこれを第一子の保育園入園時に当時の園長から聞きました。
親御さんは子供から求められるだけ愛情を注いであげてください。
話しかけられたら目を合わせて見てください。
世界で1番大好きだよ、と言ってあげてください。
そばにいて欲しい時、一緒にいてあげてください。
抱っこと言われたら抱っこをしてあげてください。
いつか愛情タンクがいっぱいになった時、子供は親の手を離れます。
大まかに言うとこのような内容でした。
抱き癖がつく、は一昔前の子育ての常識ですよ、とも言われていた時だったので、半信半疑ながら子供の要求を受け止め、できる限り応えていました。
すると、ある日、私が手を貸そうとした時、第一子が
「自分はもう大丈夫」
という趣旨の主張をしたのです。
イヤイヤ期特有の「自分がしたい病」でもない、わがままを言っているのでもない。
不安そうな表情が消えて自信を持った顔つきで、明らかに一歩親から離れた瞬間を見ました。
その時は珍しいと思っただけでしたが、時間が経つにつれ、あれが
「愛情のコップがいっぱいになった瞬間」
だった、と確信に変わりました。
当時第一子は3歳になるかならないか。
第二子が生まれてもできる限り第一子優先で動いていたことも大きかったように思います。
しかし第二子はというと、こちらは愛情のコップがずいぶんと大きいようで、まだいっぱいになった瞬間には立ち会えていません。
(コップに注ぎ始めて10年目。一体どこまで容量があるのか…)
第三子もいっぱいになるのはまだまだ先のようです。
愛のコップの注意点としては、1度いっぱいになったからといって補充を怠るとまた愛情が枯渇してくることです。
定期的にコップに愛情を注いであげることが必要です。
いっぱいになったコップから溢れた愛情はどこに行ったか、というと、第一子の場合は人に注げるようになりました。
親子間の信頼関係が生まれ、
家族や友達にとても優しくなりました。
溢れた愛情の使い方、これも個人差があると思います。
本当に日々余裕のない中で、子供の呼びかけに応えることにできないこともあります。
「ママ!」と言われる声が鬱陶しかったこともあります。
笑顔になれなかったり、子供の言葉を遮ったり。
余裕がなくて怒ってしまったり。
怒った後は漏れなく自己嫌悪。
体調が悪い時、寝不足の時、仕事で帰りが遅くなった時。
いっぱいいっぱいでどうしようもない時、例え一時的に愛情が注げなかったとしても、
それはまた余裕のある時にリカバリーすればいい。
あの時はごめんね。
あなたは宝物だよ。
と言葉を添えて。
若輩者ですが、サポートを励みに精進致します。