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【感想という名の自分語り】全力全開にサヨウナラ!今でも鮮明に思い出せる、あの頃の息遣い

 皆さんこんにちは、朝霧ルです。今日は久しぶりに全力全開でオタク語りをする心持ちで文章を書いています。久々にオタクの感情を言語化しようのコーナー!!
 というのを4月か5月ぐらいから書き始めていたんですけど、忙しくて半年以上放置していたら更新が今になってしまいました。もう後番組のドンブラザーズも終わりそうなんですよ!? なので本記事の半分以上は熟成された文章になります。発酵ゼンカーイ!

 自分の精神的支柱となっていた作品、『機界戦隊ゼンカイジャー』が最終回を迎え、後日談のVシネを迎え、そしてファイナルライブツアー(FLT)まで駆け抜けていき、とうとう終わりを迎えました。ハッキリ言ってめちゃくちゃ辛い、と同時にここまで魅力を持った作品として自分に出会ってくれてありがとうという感謝の気持ちが溢れ出ています。

 その感謝の気持ちを伝えるように、またこの想い出を風化させてしまわないように、そういう気持ちで筆を執っています。それほどまでに『ゼンカイジャー』という作品は、まるで自分のためにあるかのような作品でした……。全ての要素が自分特攻だったというか……。

 予め断っておきますが、「ゼンカイジャーの総評をする」といった趣旨ではなく、「ゼンカイジャーと自分の想い出を振り返る」という趣旨です。もっと分かりやすく表現するなら自分語りメインです。オタクの感想だからね!

『ゼンカイジャー』との出会い、迎え入れてくれた場所は温かい

 実は『ゼンカイジャー』にハマったのは結構遅くて、初めて見た時にはもう30カイを超えていたんですよ。何故ならここ数年は完全にニチアサ、ひいては特撮自体からも離れていたからまず存在も知らなかったんですね……。いや、正確に言うならば初報で「今回の戦隊はメンバーがロボット」という風に話題になっていたのは知っていたし、デザインがとても独特だなあと見て思った覚えはあります。1話はリアタイで一応見たような……見てないような……。そんな感じの距離感でした。

 じゃあ何故急にハマったのかというと、『仮面ライダーリバイス』が始まってニチアサを再び見るようになったからです。『リバイス』の凶悪なデザインにめちゃくちゃ惹かれて「今年は見るか~」と思ったのが全ての始まりでした。まさか自分がライダーより戦隊にどっぷりハマっていくことになるとは思っていませんでしたが……。

 昔ニチアサを見ていた時も、基本はやっぱり仮面ライダー目当てだったんですよね。それに加えて、今よりももっと放映時間が早かった時代なので、とにかく寝起きで頭にあまり入ってこなかったり、そもそも起きるのが間に合っていなかった(当時は戦隊→仮面ライダーの放映順だった)りで、戦隊にどっぷりという訳ではなかった。そして放映中の仮面ライダーにハマらなければニチアサを見ないので、自然と戦隊も見ない……という感じでした。なので、逆にドハマりしていた仮面ライダーと同時期の戦隊は思い入れもあって好きです。『ゼンカイジャー』にハマりだした経緯もこの頃とほぼ相違無いですね。出会わせてくれてありがとう、リバイス。

 ちなみにの余談なんですが、唯一の例外であり過去一番熱狂していた作品として『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』があります。『ルパパト』が最終回を迎えた時に、丁度春休みで時間を持て余していた自分がなんとなく「見てみようかな?」と思い1話から再生し出したらめちゃくちゃ面白くて2,3日で完走し、そのままファイナルライブツアーのチケットを買って観に行った想い出があります。今思い返しても凄い行動力だし、色々とタイミングが良かった……。この時は『ルパパト』を超えてハマる戦隊作品に出会うことはないだろうと思っていました。まさかこんなすぐに超えてハマる戦隊作品に出会うとはね……。いや、どちらが上とかはないですけども。

 閑話休題。前提の話が長すぎてまだ『ゼンカイジャー』の話に行けてないの、脱線が過ぎません!? だって、こういう話をする機会が無いんですもん……許して……。

 実は『リバイス』が始まっても最初の方は『ゼンカイジャー』の方は見てなかったんですよ。何故なら仕事で疲れきっていて二度寝したかったから……。初めてまともに、ほんの少しだけちらりと導入を見たのが第32カイの入れ替わり回だったのを覚えています。「うわ、キャラクターを知ってたら絶対面白いやつじゃん……」と思いながら視聴もそこそこに美容室に行った記憶。確か、この時にハカイザーの演技を見てめちゃくちゃ興味が湧いたんですよね。だって、明確な敵キャラがなんかゆるい喋り方してるんですもん……気になるでしょ……。

 そして続く第33カイの学園回で初めて通して視聴しました。そこで気付けばドハマりしてて、自然と視聴していくようになりましたね。明確なタイミングは覚えてないんですけど、この後ぐらいから1話からの視聴も始めたはずです。第37カイのダイコンワルド回辺りでは完全に各キャラへの解像度が高まってて次回放映が心の支えになっていましたからね……。

 この時はまだ転職前の職場で働いていて、本当に生きてて良いことなんて1つもないレベルで落ち込んでた時期なんですけど、ゼンカイジャーの明るい作風になんとか支えられつつ生きていました……。日曜日にメンタルがリセット出来るのは本当にありがたかった。

 そう、『ゼンカイジャー』って底抜けに明るい作風なんですよ。過去にドハマりしたシリアスな『ルパパト』とはとても対照的で、「シリアス方面ではルパパトを超えて刺さる作品が無くても、この方向性があったか~……」と唸りました。いや、そうなんですよ。確かにコメディタッチの作品が自分はめちゃくちゃ好きなんですよ。何故予想していなかったんだ自分は……。

 どんな苦境にも絶望せずに明るく立ち向かうヒーローたち。家族のように和気藹々としながらお互いを信頼しているヒーローたち。辛い現実に心折れそうになり、周囲の人間も信頼できない自分を、彼らは温かく迎え入れてくれました……。

写し鏡のようなキャラクターたち、理想とのギャップとの闘い

 そんなとても自分向きな作風だった『ゼンカイジャー』なんですけど、それに加えて登場するキャラクターたちがもう本当にめちゃくちゃめちゃくちゃ自分の好みに刺さる子たちを多種多様に揃えましたみたいな感じなんですよ!!! 特に人間(ここで言う”人間”とは生身の役者さんが演じていることを意味します)であるキャラクターたち3人が顕著でした。それぞれが全く別の方向性なのに、全員がどこか自分の理想や共感を体現してくれていたんですよ……。

 まずは主役であるゼンカイザー、五色田介人。もう本当にね、自分の中での理想的なヒーローだったんですよ……。鬱屈としている自分への特効薬みたいな。底抜けに明るくて、ポジティブで、どんなに現状が暗くても打開するために立ち向かう。決して他者を否定せず、また他者を踏みにじることを許さない彼を見ていると、不思議と自分自身のことも肯定されているような感覚になるんですよ……。「ああ、彼はきっと自分のことも肯定してくれるし、自分のために怒ってもくれるんだろうな……」という信頼感がある。絶対”隣に居てくれる”んですよ、五色田介人は。自分を見捨てたりなんかしない。

 彼の表現に関しては映画『スーパーヒーロー戦記』での表現がめちゃくちゃ好みです。映画自体の是非は別として。いや、自分は大好きですよ? 少ない出番ながらも彼の魅力がしっかりと詰まっているような気がします……。「意味が無かったら、こーんなに続くわけないじゃん!」と、彼が全ヒーローを肯定するシーンがとても大好きです……。

 そんな存在そのものが理想的なヒーローである五色田介人なんですけど、更に言えば名前がリアルの自分と同じなんですよね……いや皆さんからしたら「知らねぇよ」ってなるのは分かるんですけど……。よりにもよって自分と同じ名前を冠するヒーローが、自分にとって理想的な振る舞いをしてくれるものだから自己肯定感がより倍増するんですよね。理想の自分を体現してくれているような気になるし、自分も彼に少しでも近付こうとより強く思える。彼が別の名前でもきっと『ゼンカイジャー』は大切な作品にはなっていただろうけれど、大切な作品の主役が自分と同じ名前であるという奇跡に深く感謝しています。彼が周囲から「カイト、カイト」と大事にされている様子を見て、ほんの少しだけ自己投影もしてみたりもして元気をもらいました。現実世界で名前を呼ばれることもほば無いから余計にね……。こうやって文章にすると中々重症だな。

 次に世界海賊なツーカイザー、ゾックス・ゴールドツイカー。彼はね……自分の憧れる要素てんこ盛りなんですよ……。めちゃくちゃアウトローで、周囲の目なんて気にせずに自分のやりたいように振る舞い、でも仲間想いな彼。いや自分がめちゃくちゃカッコイイと思うやつ~~~!!!!

 周囲の目や評価を気にしながらビクビク生きている自分にとって、ゾックスのような生き様にどれだけ惹かれることか。他人の目なんて気にしてたらヨホホイなんて出来ませんからね。

 見た目的な意味でもめちゃくちゃ好みで、あのヒラヒラした衣装とスラっとしたシルエットがただでさえブッ刺さりなのにしかも踊りますからね……。『ゼンカイジャー』にハマってから真っ先に買ったのはDXギアダリンガーでしたもん……。スーツデザインも(作中設定的に)ゴーカイジャーのパクリなんですけど、そんなこと全く意識しないでいいレベルでキャラ立ってますからね。『ゼンキラセンパイ』でも見た目ネタが久々に出てきましたけど、最早『ツーカイザー』としか認識できないので「ゴーカイジャーと似てる」なんてこれっぽちも思わないオタクです……いやマスクデザインとかほぼまんまなんですけど……でもツーカイザーでしかないから……。

 どれだけ憧れているかというと、自分のバーチャルアバターの新モデル製作依頼の時にツーカイザーの変身講座動画を資料として提出したレベルです。いやマジで踊っている時のあのスラっとした細くて長い脚とかが理想だったんですよ……。とにかく自分の思う「理想的なカッコイイ雰囲気」を全部体現してくれていました。見た目的な意味でも、立ち振る舞いでも。だからある意味自分とは真逆な存在で共通点なんて1つも無いんですけど、だからこそ惹かれる存在でした。憧れる道への方向性を示してくれてありがとうゾックス……他人の視線に雁字搦めになってしまいそうな時に元気をもらっています……。ヨホホイ!

 そんな彼とは真逆に、自分との共通点が多い存在であるステイシーザー、ステイシー。中性的な雰囲気を持ち編み込みをしていて孤独に苦しむ子……え、自分???

 いやね、自分のバーチャルでのアバター姿って”中性”で”編み込みが特徴的な髪型”なんですよ……。放映中は別に見た目に共通要素があることを意識していた訳じゃないし、別に今も「見た目が似ている」だなんては思っていないけども、冷静に振り返ったら共通する要素がいっぱいあるな……ということに気付いてなんだか嬉しくなっちゃいました。っていうか、ステイシーくん本当に美しすぎるんですよね……なんなんですかあの美しさ……。男性なのに女性的な美しさを持っているっていうか。当初は存在しないキャラクターだったのに役者を見て生み出されただけのことはある。っていうかステイシーくんを生み出してくれて本当にありがとうございます……。

 ステイシーくんもまた、介人やゾックスとは違った方向性で憧れる雰囲気を持つ子でした。介人やゾックスが「自分もこうなりたい」という未来への憧れなのに対して、ステイシーは「今の自分は、他者から見るとこういう雰囲気で在ってほしい」という現状への憧れ。勿論、今の自分とステイシーくんは別に似ても似つかないですけどね……。憧れるぐらい好きにさせてよ!! 

 あとこれは完全なる余談なんですけど、ステイシーくんに限らず自分が「こういう雰囲気・空気感になれたらなぁ」と思う人たちって”紫”がイメージカラーなことが多いんですよね。具体例がぱっと複数出てくるぐらいにはマジでそうなので、何かやっぱり共通するものがあるんでしょうね。羨ましい……。

 こういう風に、三者三様に別個の魅力があって、しかもそれぞれ全てが憧れる要素の塊だった訳なんですよ。いや、全員に憧れてるのって「結局どうなりたいんだよ」って思われるかもしれないけど……でも本当に憧れるんですよ……それぞれに……。五色田介人のようになりたいし、ゾックスのようになりたいし、ステイシーのようにもなりたい。ただでさえ軸がブレブレな自分を、全員が引っ搔き回してくれる1年間(実際は半年程度ですが)でした。

 ある意味、自分のそんな問題点を常に浮き彫りにしてくれる作品でもありました。自分は常に「自分がどうなりたいのか、自分でも分からない」という悩みがあります。夢も目標も、何を持てばいいのか分からない。分からないままただひたすらに走り続けている。そんな自分に、改めて「どうなりたいの?」という選択肢を明確に提示してくれたのかな、とこうやって振り返ることで思いました。

 五色田介人も、ゾックスも、ステイシーも、3人ともが”理想の自分”を映し出してくれている。五色田介人にあって、自分にないもの。ゾックスにあって、自分にないもの。ステイシーにあって、自分にないもの。自分が何を獲得するべきか、を学ぶキッカケを作ってくれる作品なんですね……きっと……。”理想的ではない今の自分”が”理想の自分”に向き合える時間、ということを念頭に置いてまた1話から見返したくなりました。

理想のヒーロー像=暗い現状の打開!

 ゼンカイジャーの皆が戦う姿が、自分の中での理想のヒーロー像だったりするんです。どんなに苦しい状況でも、明るく騒ぎながら戦う姿が。
 とにかく、彼らには他のヒーローとは違う独特の感情を抱いてしまった。「こうなりたい」という憧れではなく、「自分も仲間に入れてほしい」という欲求。他のスーパー戦隊は”1つのチーム”として画面の中で完成されていて、そこに自分が入れるだなんて思わない。でもゼンカイジャーなら仲間に入れてくれるんじゃないかと、そう期待を抱かずにはいられなかった。第2話で仲間を大々的に募集していた演出のおかげもあるのかもしれないけれど。

 彼らに対する表現もまた、映画『スーパーヒーロー戦記』での評され方が的を射ていて大好きです。どんな状況でもへこたれずに明るく立ち向かう戦士たち。流行り病やら何やらで暗くなりがちな現実に反比例するかのように、どんどん明るいヒーロー達が生まれていっている。本当に元気がもらえるんですよね。

総括

 本当に、ゼンカイジャーに出会えて良かった。それもリアルタイムで。「リアルタイムで応援しなければダメだ」なんて人に言うつもりは殊更無いけれど、自分に限って言えばリアルタイムで応援していたヒーローが本当に特別な存在になるから。辛い時期も一緒に歩んでくれるから、そのヒーローへの思い入れが、人一倍強くなります。
 しかもゼンカイジャーは特に辛かった時期を支えてくれた作品でもありました。診断を受けていないだけでうつ病なんじゃないか、だなんて疑ってしまうぐらい辛かった時期です。働いていた職場が本当に嫌で、苦しみだらけの日々でした。そんな中でも彼らは輝いていて、元気ハツラツと戦う姿で自分を笑顔にしてくれた。今自分がここでこうやって生きているのも、間違いなく彼らのおかげです。

 ゼンカイジャーを観返すと、辛かった頃の息遣いも鮮明に思い出せる。この回の時の自分はこんなことを考えていたっけ、なんて風に。
 辛い時期を思い出せる、なんて表現をするとトラウマになってしまいそうだけど、それはゼンカイジャーに励まされた思い出とセットだからそうはならない。彼らはいつだって元気をくれるんだ。
 これからもきっと、どうしようもなく辛い時期は来る。そんな時は、また彼らに出会いに行こうと思います。彼らはずっと変わらずに、明るく温かく迎え入れてくれるだろうから。

 それだけじゃない。ゼンカイジャーのおかげで、「ああ、そういえば子供の頃はどちらかと言えば戦隊のおもちゃの方が多かったかも」「あのおもちゃを持ってたなあ」「あのおもちゃが欲しかったけど買ってもらえなかったなあ」「友達が持っていたっけ」なんて、すっかり忘れていた幼い頃の記憶がどんどんと蘇ってきました。
 成長した自分とはどことなく距離があった”スーパー戦隊”を、身近な存在に戻してくれたのがゼンカイジャーでした。正直、中学高校と没頭していた仮面ライダーやウルトラマンに比べると軽視していたのは否めません。そんな自分に、改めて魅力を伝え直してくれたのでした。

 ありがとう、ゼンカイジャー。自分にとっての一生のヒーローです。
 1月に届く予定のメモリアルverギアトリンガーもめちゃくちゃ楽しみで、一生大切にしようと思います……。
 ヒーローショーとかで直接出会えなかったのだけが悔やまれる。いつか会えるといいなあ。


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