映画「365日のシンプルライフ」

「365日のシンプルライフ」という映画を見た。

ヘルシンキ在住・26歳のペトリは、彼女にフラれたことをきっかけに、モノで溢れ返った自分の部屋にウンザリする。
ここには自分の幸せがないと感じたペトリは、
自分の持ちモノ全てをリセットする”実験”を決意する。
ルールは4つ。

1, 自分の持ちモノ全てを倉庫に預ける

2, 1日に1個だけ倉庫から持って来る

3,    1年間、続ける

4,   1年間、何も買わない

これが彼の4つのルール。こんな無謀なルールで1年間続けることができるのだろうかと、半信半疑のままだったが83分はあっという間にすぎた。


多くの人がモノに囲まれて生活している。

生きるために必要な食べ物やベットや、カーテンや冷蔵庫。娯楽のための楽器やもらった花束。毎日身につけている下着や服も、全てはモノだ。

生活の中でありふれているから、大切さに気付きにくいが一度触れられないところにあると、恋しくもなる。ただそこにあったモノにも気づく。

不思議だ。自分で選んで、お金を出したモノが大半なのに手に入れてしまえば、買う前に思っていた気持ちや悩み抜いて買った記憶はどんどん薄れて行く。なんだって、失ってから初めて気づくことが多い。

毎日の生活が当たり前ではないことに気づかされた。帰る場所があって、ベットで朝を迎えられること。その日はいつもより眠りにつくのが早かった。

映画の中で印象に残った台詞が2つある。

僕はモノに支配されそうだった。部屋はモノだらけだが、心はからっぽだった

引越しをした時に感じた気持ちを思い出した。一人暮らしで段ボール約60個。少し多いと思いつつ開封していたあの長い時間を。

それでも新しいモノを買っていた私も心が満たされていなかったのだろう。

持っているモノの多さで幸せは計れない。
人生はモノでできてない 別の何かが必要だよ

その時に気づく。主人公や私が求めていたものが何か。モノではなく、出会った人と過ごす時間や思い出が大事なのだ。

主人公と似たようにルールを設けていた人と付き合った事がある。1週間になにかモノを減らしていく。もともと荷物が少ない人だったので、これ以上減らす必要があるのかと思っていたが、彼は常に生き生きしていた。新しい発見とすっきりした部屋に空間に住んでいるその生活事態が。

そんな事もあったので、この映画をみると少し当時を思い出してしまいそうで、見る事に抵抗があったが見てよかったと思う。

人生の中で、お金も時間も無限にあるわけではない。欲しいモノはいつだて溢れてくる。買えるモノばかりに価値があるわけではない。

これを機に少し部屋を見渡して、改めて触れてみようと思う。

私の大切にしていきたい何かを見つけるために。


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