発達障害と田舎暮らし

私はADHDとASD診断を受けた新社会人である。

神戸で生まれ、京都市内の大学を卒業した私は、何を思ったか、京丹後のド田舎に就職をした。


メリットはとにかく静かである。私は聴覚情報の取捨選択が苦手で、全ての音に脳がフル回転し、頻繁にエネルギー切れをおこす。

田舎は、音がない。店も人も少ない。疲れない。

デメリットは、病院がない。公共交通機関がない。

私はコンサータを服用しており、定期的にくすりをもらわないといけないのだが、京丹後にはコンサータを処方できる登録医がいなかった。片道1時間かけて、舞鶴まで通うことになった。相性など考えていられない。選択肢がないのだ。

京丹後は車社会である。私も一応免許は持っているが人を殺しかねないので、一生運転しないと心に決めている。電車は1時間に1本、バスは3時間に1本という、町の子として育った私からすると無いに等しい本数だ。必然的に移動は自転車になる。しかし、自転車にも限界はある。私は遠くへ行くため、少ない本数の電車やバスを逃さないように、綿密に計画を立て、1時間も2時間も猶予を持ちながらこの田舎で生きていくのだ。

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