秘密裏のプロセッシング彼女

秘密をつくっている。たくさん隠している。もう何が秘密で何が秘密じゃないのかわからなくなってくる。存在まで秘密にしたくなって初めて死を選ぶんだ、きっと。高校生の頃、女の子が折れた翼で夏空を飛ぼうとした。夜間飛行は上手くできずに、堕天使の横顔はぐしゃりと熱風、掻き消して鮮血。フィルムを回す、1902年。声帯はまだない。必要なもののために重ねた動悸の数や無意味で非適量なティアドロップ。彼女の丸顔が微粒子で構成されている。輪郭はまるでプロセッシング。存在は海底撈月。

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