「麻(ヘンプ)」は身近なもの。その個性を生かして衣服から食品まで。
暮らしに役立つ「麻」。実は、とても身近なものなのです。麻は縄文時代にすでに日本の地にしっかりと根づいていました。おなじみの衣服をはじめ、食品として、また建材として、健康と環境のことを考えた衣食住をサポートするサステナブルな自然素材です。
「麻(ヘンプ)」は余すところがありません。
身近な存在である「麻(ヘンプ)」の茎(繊維部分、木質部分)、種、葉、根といった全ての部位を、活用することができます。
〇繊維 → 布や紙、断熱材など
〇種(実) → 食品や食品油、化粧品、バイオ燃料など
〇幹 → 茅葺き屋根の屋根材や新たな建築材料、プラスチックなど
現代でも麻の繊維はけがれを祓う神聖なものとして、神社にある、注連縄(しめなわ)や鈴緒(すずお)に使用されていますし、御守りの中に「神宮大麻」として麻の繊維が入れられています。また、下駄の鼻緒としても愛用されています。
加えて、「麻の実(あさのみ、おのみ)」は、うどんやそばなどの薬味である七味唐辛子にも入っていて、日本人は昔から食べていたんです。 それくらい、意外なところで私達の生活につかわれています。
吸放出がよく機能性が高い繊維・布として。
「麻」といえば夏、というイメージがありますが、現在日本で「麻」として流通しているのは、亜麻(リネン)か苧麻(ラミー)でそのほとんどをリネンが占めています。
実は植物学的にはリネン、ラミー、ヘンプは異なる植物なのです。
亜麻(リネン)は亜麻科の一年草、苧麻(ラミー)はイラクサ科の多年草、大麻(ヘンプ)は桑科の中のアサ科、1年草で雌雄異株の双子葉植物。
麻処さあさでは、日本の伝統植物である「大麻(おおあさ)ヘンプ」にこだわり、 ヘンプ100%生地を使用してものづくりをしています。大麻(ヘンプ)は、環境負担の少ない自然素材としても注目されています。
ヘンプの繊維には2つ大きな特徴があります。
繊維の表面に微細な穴が無数にある多孔質構造を持つこと、ストロー状のロー状の中空繊維構造であること、これらの構造により、吸水性・速乾性、さらに調湿性に優れています。だから蒸れにくく、高温多湿の日本の夏には愛用されてきたのです。
また、繊維がストロー状で体温を保持してくれるため、冬は温もりを与えてくれ、オールシーズン活躍します。加えて、他の麻繊維にも共通しますが、綿や絹の繊維に比べて丈夫で、湿るとさらに強度が増すので、ロープや袋類、鞄などもにも活用されています。
健康には不可欠な食材として注目。
麻の実(ヘンプシード)食品は、近年スーパーフードとして注目されています。特徴としては、良質のタンパク質・脂質をバランスよく適切に摂ることができ、ミネラルが豊富ということがあげられます。昔から整腸作用の高い漢方薬として使われてきました。また、実からとれる油は「ヘンプオイル(hemp oil)」と呼ばれ、健康食品として扱われています。麻の実オイルは、トランス脂肪酸、コレステロールがゼロ。麻の実油に含まれるアルファ・リノレン酸やガンマ・リノレン酸は体脂肪の蓄積を抑制する、という特徴があります。脂質はわたしたちの体に不可欠な栄養素。重要なのは油の「質」です!フレッシュで高品質な体にやさしいオイルをとっていきたいですね。
建材やインテリアに!
茅葺き屋根の屋根材や新たな建築材料として実用されており、プラスチックの原料にもなっています。石灰と海藻糊と麻スサ(ヘンプ繊維を5mmカットしたもの)を壁材(漆喰という)として利用してきた歴史があります。
海外では、メルセデスベンツやドイツBMWは車の内装にヘンププラスチックを採用。ヘンプは一般的な木と比較して単位面積当たりの二酸化炭素(CO2)吸収力が5倍程度あり、引っ張り強度が高いのが特徴として、ヨーロッパの自動車メーカーを中心に車の内装にヘンププラスチックを使うことが拡大しています。日本の自動車メーカーも採用を検討しています。
「麻(ヘンプ)」は身近なもの。
他にも、保湿性・浸透力があり肌に最適な「ヘンプオイル」、吸着や消臭に優れた効果がある「麻炭」など、麻(ヘンプ)は、利用用途が幅広く活用され、とても身近にある素材なのです。
「環境にやさしく、サスティナブルな自然素材」として大きな注目を浴びている「麻(ヘンプ)」。その魅力を、みなさまにご紹介していきます。ぜひ触れてみてくださいね。
麻処さあさ
麻処さあさでは、麻 ヘンプ100%生地を使用してものづくりをしています。
縦・緯糸にイタリア社製ヘンプ糸を使用し、国内の老舗の織り屋さんに織って頂いています。
ヘンプ糸独特の風合いのある雰囲気で、とても柔らかく仕上げられた生地です。
また、さあさでは、年々減少している国内の機織り屋さんを支えたいとの想いから、より多くのみなさまとこの生地をシェアし、みんなでヘンプのものづくりをしていきたいと願っています。
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