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老いを生きるということ

7月から特別養護老人ホームに入居した叔母。その後すぐに101歳の誕生日を迎えた。今年の春先まではひとり暮らしをしていたが、骨折、手術、入院を経ていよいよ(本人がこれまで拒んでいた)施設暮らしになったのだ。

骨折で入院している時から気づいていたのだが、ひとり暮らしをしている時よりも顔色が良く、笑顔も増え、穏やかな心持ちでいるように思う。自宅を離れ、誰かと一緒に過ごすことをあれほど嫌がっていた叔母の穏やかな姿。そこにはやはりケアする人の存在があるのではないかと思う。誰もがそうとは言わないが、人はずっと一人でいるより誰か他者と適度に関わり、時には心を通わせ合うことが必要なんじゃないかと。もしそうだとしたら僕はこれまで叔母をずっとひとりにしてきた。それが叔母の望みだと思っていた。実際、叔母自身がそう言っていたから。

昨日、叔母に面会に行き、短い時間だったが一緒に過ごすことができた。叔母は終始笑顔だったが僕らの帰り際、急に涙ぐみ、僕らの手をとってきた。その姿もまた忘れることができない。


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