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[創作]アメリアと14

 シャーリーは暇なのでレコードを聞きながらボーッとしている。さっきまでクレアやリリーがいたのに今は一人。手持ちぶさただからせっかくあるし聞こうかと。思えばこの屋敷にきて始めて本当に一人になったのではないか、と思った。
 曲は自分がオーディションで歌ったり踊ったりしたミュージカルの楽曲。祖母のヘレンは初対面から演目が変わるとなにかしら送ってくれるようになった。寒い時期にはブランケットをこちらに来る直前に到着したのは春先だったらきっとよかったカーディガン。
 一緒にお手紙もあって、シャーリーを、アメリア・スコットという役者を案じてくれていたなと思う。夜道は暗いから疲れている時こそ気を張っているようにとか心配してくれていた。
 そんなことを思い出しながらボーッとしていると眠くなってきた。シャーリーはベッドに戻るの面倒くさいなと思う。だからそのまま目を瞑ることにした。

「・・・。」

 クレアがローラをつれて部屋にはいると音楽が鳴っているなか動かない部屋の主がいる。顔を覗き込むとシャーリーは器用に眠っていた。ローラは音楽を止めるとレコードを袋に入れてから紙のケースにいれた。

「紅茶をシャーリーと飲もうとしたのだけど。まぁ、昨日の今日で気持ちは疲れているわよね。」

 ローラに先に飲んでいましょうと二人で紅茶を飲むための準備をさせる。クレアとローラは向い合わせで座ると紅茶を自分好みに味つけていった。
 クレアは砂糖たくさんとミルクを入れて飲む。いちいちこうしてと命じるよりも自分でやった方がわざわざ教えるのも面倒くさいのでこれだけは自分でやることにしている。ローラが自分のカップに砂糖小さじ一杯とミルクをいれながら話しかける。

「クレア様は甘めがお好みですか。」
「そうね、何かにつけて気をたてているからかしら。知らぬ間に増えてきたわ。」

 ローラはそうなのですねと相づちをうつ。そしてこれからは砂糖を多めに持ってきますねと笑顔を浮かべた。
 クレアはローラの微笑みを見つめながら、オーリーがもし自分の次になるための儀式をしたとして、それで夜這いを掛けたとして、それに乗っかってローラが自分の主人としたとしても彼女は受け入れて嬉しくするだけだろうし、そうなるとクレアを殺すことはないなとため息をついた。

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