noteのすゝめ
『あっさじーん伝記』は2019年5月30日に公開を開始し、11月で半年を迎えた。
月10本ほどの更新で、無料・有料記事を含めてこれまで56本の記事を公開してきた。
ありがたいことにスタートから好調で、有料記事1本につき150~200人の方に購入していただけるようになった。マガジン(お気持ちセット)も含めると購入者はもう少し多くなるだろう。
これらの結果は私の実力だけではなく、コンテンツと運の要素、そして周りの力がとても大きかったのだろうと思う。
しかし、ギャンブルと同じで運を操ることはできないため、実力の部分をどれだけ突き詰めるかが大事だ。
本記事では、どのように『あっさじーん伝記』を書いてきたか、何を考えてどういったことに重点を置いてきたかを、それぞれのテーマに沿って解説する。
「これからはnoteの時代」ではなく、noteの時代は既に到来している。
私が扱ったコンテンツは、一般社会にほぼ存在しない特殊なものであった。
しかし、これと同等以上に興味深いコンテンツはまだまだ世の中にあると信じているし、私もそういったものを読みたいという気持ちが強い。
これからnoteを書こうと思っている方、noteを書く気がある方にとって、本記事が少しでも役に立つことができれば幸いである。
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1. ターゲット層への工夫
アングラ系などのニッチなコンテンツは、ターゲットの幅ではなく、ターゲット層に対する深度が重要だと私は考えている。
『あっさじーん伝記』を例に挙げると、これはややアングラなジャンルに含まれるため、こういったものを嫌悪する層が存在することは想像に難くない。
しかし、人間の好みは人それぞれなので、嫌悪する感覚もまた正常なのだ。
したがって、受け入れない層に何らかの対処をする必要はない。
どんなものを扱おうと、受け入れる層と受け入れない層がかならず生まれるからである。
受け入れない層は、ただそのコンテンツを消費しなければ良いだけで、供給側は彼らに対して何もしなくて良い。このバランスがベストだ。
面白い・面白くないは個人の感想であり、自分が面白いと思うことに全振りし、自信を持って世に出せばいい。そうすれば、同じ感覚を持つ人が必ず評価してくれるだろう。
重要なことは、受け入れてくれた層を大切にすることだ。
具体的には、周りの知人にお願いして下書きを読んでもらい、忌憚のない意見をもらうこと。
ここでのポイントは「どうだった?」「面白かった?」と訊くと相手の回答を「YES・NO」に狭めてしまうので、「どの部分を改善したらいいか?」「特に気に入った点があったら教えてほしい」などのように具体性のある回答を求めることだ。
改善すべき点はすぐに対処する。
良かった部分はメモに書いておき、次の記事でさらに伸ばすと良い。
他の記事にも書いたように、悪いところをどんどん消していく事こそが「圧倒的成長」だからだ。
また、ツイッター等のSNSで「いいね」を押してくれた方、拡散してくれた方がどんな意見を述べているかも重要だ。
記事を購入してくれた方がSNSでどんな意見を持っているか、この辺りを調査することも有効である。
【 まとめ 】
◯ターゲット層をとても大切にする。
◯読んでいない人の意見は訊かない。
◯読んでくれた人の感想と意見は真剣に聞き入れる。
◯読者が何を求めているか、どんな点を評価されているか調べてそこを伸ばす。
◯「私のブログ好き?」と訊くとメンヘラみたいなので注意。
2. 執筆環境への工夫
執筆というと、パソコンにかじりついて真面目に打ち込んだり、カフェにノートPCを持ち込んで珈琲を飲みながらカタカタと打ち込むイメージがあるかもしれないが、私の場合はそんなことはしない。
もちろん、そういった環境に身を置いたほうが仕事が進む方もいるだろう。
しかし、小さい頃からHUNTER×HUNTERを読んで冨樫イズムを身に着けてきた私には、そういったことは向かなかった。
偉い小説家も言っていたが、面白い文章とは書こうと思ってすぐに書けるものではないのである。
【 気が向かないときは絶対に書かない 】 これが鉄則だ。
ではどういったときに書いたかというと、
・入浴中
・布団でごろごろ中
・移動時間
・ペットと遊んでいる途中
・ギャンブル中
など、執筆と関係ないことをしているときだ。
文章も1から順に書いていくのではなく、面白いキーワード、エピソード、会話などを、それぞれバラバラにスマホのメモ帳に記していく。
要するに、花や葉などの大事なミクロ部分を先に書き、あとから枝や幹などのマクロ部分を書いて全体を仕上げていく。私にはこの方法が性に合った。
ギャンブル中というのはギャンブル中毒の略ではない。
私の場合、友人である森氏や澤田氏、コンテンツ対象であるあっさじーん氏と会っているときである。
これは「脳がそういった方向にむいている」状態なので、何も考えなくてもありえない速度でスラスラとメモを増やすことができた。
ちなみに、森氏と私はこの状態を「 文豪モード 」と呼んでいる。
これはあくまで私の性格に合った書き方なのだが、大事なことは「自分に合った執筆環境を見つける」ということだ。
【 まとめ 】
◯色々な環境下で試し、自分に合った執筆環境を見つけること。
◯風呂場で書くならのぼせないように。
◯やる気がないときに無理して書かない。
◯冨樫はよ続き描け。
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3. 購買欲への工夫
「お客様がこの商品を買いたいと思うだろうか?」
これはnoteに限らず、すべての商売で向きあうべき重要なポイントだ。
とりわけ有料noteなら、買ってみないと内容がわからない。
内容がわからないものにお金を出す人はいない。
ではどうすればいいか?
どうしたら負のオーラ100%のおっさんの話に興味を持ってもらえるか。
必死に考えてたどりついた答えが「タイトルとサムネイル」に全力投球。これだった。
レストランなら店頭にメニューや食品サンプルを置き、ブランドショップなら店頭にウィンドウディスプレイを設置する。
同じように、noteならタイトルで購買欲を工夫する。私の場合はタイトルセンスに自信がないので、サムネにも力を入れるようにした。
例を挙げると、11月15日に投稿したこちらの記事。
サムネは普通だが、タイトルのほうに力を注いだ。
単に「2ピン東風4-7」ではまったく意外性がない。
しかし、全財産0円(実際はもっとマイナスだが)の人が魂の賭博をするから心震えるのであり、それを全面に押し出す形にした。
もうひとつ例を挙げる。
こちらは前の例とは逆で、上手いタイトルが浮かばなかったため、サムネに全力投球した。
元の画像は『モンスターハンターアイスボーン』に登場する猿型のモンスター『ラージャン』の登場シーンである。
画像の合成や編集はスマホの無料アプリを使っている。
主に使用している2つを紹介する。
「ミックス」の名のとおり、写真を好きなように切り抜いたり、切り抜いた写真同士を合成することができる便利すぎるアプリ。
月額500円でも使いたいくらい便利だが、なぜか無料で配布されている。
アドビシステムズは商売っ気がないのかもしれない。
「フィックス」の名からわかるように、こちらは写真の任意の部分を修正することができる便利すぎるアプリ。
こちらも月額500円でも使いたいくらいであるが、なぜか無料で配布されている。
下記の編集程度なら1分程度で処理することができる。
私にとってこの2つのアプリは必需品だ。
noteのために始めた画像編集だが、いじっているとつい楽しくなって何時間も費やしてしまう。
noteの記事以外でもかなりの頻度で使用しているので、とりあえずダウンロードするだけでもオススメする。
「 タイトルとサムネに全力投球 」とは書いたが、もちろん中身を真剣に書かなければ次につながらない。あくまで「 タイトルとサムネ 」には150%の力を注ぐという意味だ。
【 まとめ 】
◯タイトルとサムネはとても大事。
◯サムネ作りは楽しい。
◯Adobeは良い企業。
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4. 読みやすさの工夫
せっかくお金を出して買ってくれた方には、少しでもストレスなく読んでいただきたい。
そこで私が気をつけたことが「 可読性 」である。
可読性とは文章の読みやすさのことであり、読むスピードや疲れにくさに影響する。
4つのポイントを紹介する。
(1) 漢字とひらがなのバランスに注意する
漢字が多すぎる文章はとても読みづらい。
私自身、漢字ばかりの文章はまったく読む気が起きないし、18画以上の漢字は読むこともできない。
ひらがなに直して伝わる場合はできるだけ直すようにした。
「時→とき」「事→こと」「為→ため」
「所→ところ」「無い→ない」「出来る→できる」
こういった頻出する文字をひらがなにすることで、漢字とひらがなの比率を良い具合に調整することができる。理想は漢字2~3割。
漢字同士を並べないようにするのも重要だ。
(2) 使用頻度の低い漢字は使わない
「訝しい(いぶかしい)→ 疑わしい」
「犇めく(ひしめく)→ ひしめく」
「暗澹たる(あんたんたる)→ 重苦しい、陰気くさい」
小説で使われることはあっても、自分の読者が小説好きとはかぎらない。
したがって、すぐに意味がわかる表現を使うように心がけた。
読者はお金を払ってくれた上に読む時間も費やしてくれるのである。そんな方々に「文字の意味を調べさせる」なんてことはさせたくない。
また専門用語や内輪ネタなども、できるだけ削ったほうが意味が伝わりやすい。どうしても使う場合は、リンクを貼るなどしてすぐ理解できるように工夫するといい。
過去のnoteの話なら、そこへのリンクを貼って回遊してもらうのも手だ。
(3) 読点『、』を使う・文を区切る
文字が永遠に続くと読みづらい。
可読性を高めるために、読点や区切りを使う。
「競馬で負けたのが原因で財布には数千円しか無いが無性に麻雀を打ちたくなったので仕方なく雀荘へ向かった」
→ 「競馬で負けたことにより財布には数千円しかなかった。しかし、無性に麻雀を打ちたくなったため、しかたなく雀荘へ向かった。」
「私は発狂しながら麻雀を打つ彼を眺めていた」
→ 「私は、発狂しながら麻雀を打つ彼を眺めていた」
(4) 文章のねじれをなくす
脳に浮かんだ言葉を反射で書きおこすと、文のはじめと終わりでズレが生じることがある。
「私の目標は、noteや日雇いでお金を稼いで、20万の軍資金で競馬に再挑戦したいです」
→ 「私の目標は、noteや日雇いでお金を稼いで、20万の軍資金で競馬に再挑戦することです」
さーっと読んでいる方にはバレないこともあるが、気付いた読者にとってはストレスになることもあるので、排除しなければならない。
なにより、なんだか阿呆っぽくて嫌である。
これらはnoteを書き終えたあと、時間をおいて添削することで改善しやすくなる。
私の場合は、「これで完了だ」と思ってから3日おいて、その間に何度も見直してから投稿するようにした。
【 まとめ 】
◯「読むストレスを与えない」という意識を常に持つ。
◯漢字ばかり使わず、ひらがなもたくさん使う。
◯小説家を気取らない。
◯読点をつかいまくる。
◯文章のねじれはダサい。
◯何度も見直して、無駄な文章は修正しておく。
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5. 拡散力への工夫
「たくさんの人に知ってもらうこと」
これは商売をする上で最重要項目だ。
どんなに素晴らしいものでも、知られていなければ買われることはない。
逆に、大したことないものでも、知名度のおかげでたくさん売れているものもある。
こんなことは昔からそこいら中で起きていることだ。
私の場合はSNS(ツイッター)での拡散を主力としていたので、フォロワーがSNSを見る時間帯を投稿時間をバラけさせて調べてみた。
日中に働いている方は、朝の通勤時間と昼休憩くらいしか自由な時間はないと考えられる。よって、平日の17時以降をメインにバラ打ちしてみた。
ツイッターには、自分のツイートがどれほど影響があったかを調べる機能が付いている。
ツイートをタップし、ツイートアクティビティから「インプレッション」の項目で確認することができる。
(1) 夕方から夜にかけて投稿すべき
結論からいうと、投稿すべきタイミングは18~20時がもっとも適している。
これは退勤中であったり、帰宅後にゆったりしている方々の目に止まるケースが多いのだと考えられる。
もちろん、記事の購買欲はそれぞれ異なるが、一応のベースとしてはこの時間帯をメインに投稿することにした。
また土日の場合は、同様のケースが昼の時間帯にも訪れる。11時~13時あたりである。このあたりもインプレッションは高い数値を出した。
次は「投稿を控えるべきタイミング」について。
人はどういったときにSNSを見ないか。
結論からいうと、「イベントの日を避けろ」である。
(2) Mリーグを避けろ
たとえばいま現在は、AbemaTVで「Mリーグ」が放送されている。
これは麻雀界でもっともポピュラーなイベントの一つであるため、フォロワーの多くが視聴していることだろう。私もまれに視聴している。
ネット放送を見ている間は、ツイッターはあまり注目されない。私の投稿ツイートを確認したとしても、その時点で購入するとは限らない。
「あとで購入しよう」としてそのまま忘れるパターンを消すために、こういったイベントの日の投稿は避けたほうがいいだろう。
このため10月以降は、私はMリーグの放送されない水曜と土日をメインに投稿するようにした。
(3) 映画を避けろ
また同様の理由で、有名な映画が放送される日も避けるようにした。
特にヤバイのが「ジブリ系」「有名SF系」である。Mリーグ以上にツイッターには見向きもしない恐れがあるため、これらにはぶつけないほうが無難である。なにより、私もジブリを観たい。
【 まとめ 】
◯平日は18~20時に投稿すると良い。
◯土日は11~13時か、18~20時に投稿。
◯Mリーグや将棋の対局日はなるべく投稿しない。
◯ジブリを放送する日は投稿しない。
◯ハリーポッターも危険。
◯「千と千尋」や「ラピュタ」はおとなしく観賞しよう。
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6. あとがき
長々と書いてきたが、結局のところ、こういった工夫はそこまで影響がなく、大部分を占めるのは運と周りの人の力である。
下書きを読んでくれる友人たち、買ってくれる読者の方々、拡散してくれるフォロワーの方々に感謝し、思いやりを持って執筆すれば、自然に細かい部分まで配慮するようになる。
また、noteを続ける秘訣は「楽しむこと」だ。楽しいものは夢中になって書きまくることができる。
SNSをご覧になっている方はご存知かもしれないが、本作品の主人公であるあっさじーんさんとは、彼のマグマ噴火により一時的に疎遠になってしまったため、『あっさじーん伝記』は 第一部 完 という形になった。打ち切りともいう。
思えば、私は彼と競馬場をめぐったり牌ならべをした日の夜は、いつも楽しい夢をみていた。それは伝記を執筆するための思いおこしの作業をした日も同じだ。そして「次はどんな面白い体験をさせてくれるのか」と私自身が期待しながら執筆していた。
11月13日のあさじん独立記念日から、私は楽しい夢を一度もみていない。楽しい夢は彼がもたらしていたからだ。
鈍感な私は、最近になってようやくそのことに気がついたが、本当は前からずっとそうだったのだ。
もしなにかをキッカケに彼が復活したら、あっさじーん伝記 第二部は開始されるかもしれない。そのときは、今回書いたことを思い出してさらにブラッシュアップし、そして、彼のファン1号として読者の皆様を楽しませるためにまた筆を取ろうと思う。
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