SLAMDUNKを101話まで観た旦那を連れて映画を観た(ネタバレ入り感想)
公開前から色々話題でしたが、上映開始と同時に良い口コミが溢れている『THE FIRST SLAM DUNK』。
軽い気持ちで旦那に「観に行く~?面白そうだよ~」と言った。
べつにその気がないなら私ひとりで観に行くつもりだった。
私は単行本で最後まで読んだことあり、TVアニメはしっかり毎週毎週観てはいなかったがOP、EDとも歌えるくらいにはあの頃は普通に『みんなが観ていて知っているアニメ』だった。
旦那は、なんとな~くキャラは知っており世間で流れてる有名な台詞などはなんとな~く知っているが、ストーリーまでは曖昧程度だと言う。
数日後、アマプラの昔の「SLAMDUNK」が我が家のTVに流れていた。
チラッと観てるのかなと思ったが、延々と流れている。
……もしや映画を観ようと言ったからそれまでに全話観ようとしてる?
何話あると思っているんだ。
今みたいに1クール2クールじゃない。101話もある。
今回の映画は「知らなくても大丈夫」「にわかくらいが一番楽しめる」と聞いているのだが、旦那の中では知らない小ネタやそのキャラの背景などがあると自分が置いてきぼりで全力で楽しめないのがイヤなのだと思う。
アニメ特有の特別興行や一部劇場ではなく、大々的に上映している大手作品なので1、2ヶ月先でもまだやっていることだろう。
観終わるまで待ってやらんこともない……と思っていたら、目出度くこの冬休みで観終わり、大晦日に映画館へ行くという強行。
すごいな、101話を観てからそのまま劇場版が観られるんだ、この人。
旦那の予習がエグい。
※SLAMDUNKとは何ら関係ないので読み飛ばしてください。
思えば今までも旦那の予習の仕方は可笑しかった。
キメツの予習の時
大人気だった『無限列車編』の時は、最初に私が一人で観に行った。戦闘シーンが激アツで、
これはドラゴンボ●ルだ!
と、BGMが良くて旦那が好きそうだったから、「観に行ったほうがいいよ~」とオススメした。
元々キメツは私も旦那もあまりハマっていなくて、私だけTVシリーズをなんとなく流して観て、映画をなんとなーく観に行ったに過ぎない。
その時はたまたま3連休だった気がする。旦那はその内の2連休でTVシリーズを観終え、最後の一日で映画館に行った。その時点でも、「国民的大人気ってほどでは……」との感想だった。
そのまま映画を観た旦那の第一声は、
「煉獄さん……(;;)」
だった。チョロい。
「煉獄さん、イイ人だった……」
とそのあとから随分『炎』をエンドレスリピートで聴いていた。チョロい。
その後、旦那は知人から原作漫画を全巻(外伝を含む)貸してもらって、それもたまたまゴールデンウィークで夫婦ともども3~4日で完読した。
ライブの時の予習
行きたいライブがあって、一人でもいいけど「行くなら行く?」と一応旦那にも声をかけた。
最初はガン●ムフェスだった。私は一度くらい西川のアニキを生で見たいなーという軽い気持ちでいた。他の出演アーティストにLUNASEAが居た。
ガン●ムで何歌うの、るなしぃ……
知らぬ間にORIGINのTV版の主題歌を歌っていた。我が家は何故かUCとORIGINだけは円盤が出る度に買って観ていたので、放映中のTVシリーズは観た事がなかった。
それからしばらく、我が家には気づいたらLUNASEAのライブ映像が流れていた。
その曲、フェスでやるだろうか……
ライブは基本的に知らない曲がない方が楽しい。
全曲知っているライブの楽しさを最近知ってしまった旦那は、合いの手やら振りやらコール&レスポンスで「ウェーイ!」とやることをここ最近一番の発散としている。
そんなLUNASEAの盛り上がる代表曲と言えば「ROSIER」なのだが、スッカリライブ映像のノリを覚えた旦那は、
「ROSIER聴きたい、ROSIERやるかな~」
ライブ当日、最早私よりウキウキしていた。
結果、ROSIERは演奏された。
旦那大喜び。
以来、LUNASEAのライブが発表されるたび通うようになって今に至る。
同様に、私がB’zライブに申し込んだ時も、「そんなに曲知らないけど……」と言いつつ、置いていかれる気はないらしい。
この旦那は、「知らないけど妻の趣味に付き合ってくれる」という優しさからではなく、私だけが行って私だけ楽しそうなのが羨ましいから自分も行きたい、という成分で出来ている。
代表曲は興味があろうとなかろうと聴いたことのある世代であるし、今回は新譜お披露目ツアーだからそれほど知らなくても問題ないと思っていた。ツアーで既にセトリはわかっていたから、私はプレイリストを作り車のオーディオに入れておいた。
ライブ当日、旦那は私より新譜曲の盛り上がり箇所をわかっていた。
「通うライブが増えちゃったな~」と言っているから、スッカリ次からB’zライブが開催されれば行く気らしい。チョロい。
ここからが感想
おかげで私もちょいちょいエピソードを思い出し、しっかり予習しSLAM DUNK気分で劇場へ行けたのはよかった。
ようやく観られたのでその感想
ドリブル音がすごかった
始まってすぐ、CGの見た目に馴れる前に驚いたことがある。
外コートでボールをついたことがある人にはわかると思うが、あのボールの中から返ってくる、キンッ、キンッ、という甲高い音!
あの音が聴こえる!!
私、あの音キライなんだけどね……(たぶん砂利とか風とか日差しとか嫌だった外練習の印象)。
リアルすぎる。どうやって録ったんだ?とメタ的な事が気になる。
この時点で、前評判どおりアニメの出来自体には信頼度200パーセントです。
101話も観た直後なので
オープニングで、湘北スタメンが一人一人ラフ絵から順に描かれて歩き出す演出が。最初の宮城リョータが姿を現わしていく瞬間に私の脳内から出たのが
本物だー!
という謎の言葉。
もうね、昨日まで101話分の昔のアニメ映像を観ていたじゃないですか。
完全に、永らく円盤で画面越しに眺めていたアーティストが、ライブで本物出て来た瞬間の気分でしたね……
色がついて現代の画像技術で動き出した時、『本物を観ている……』って可笑しな感動が。
喋り始めたらさすがに101話観た直後なので声の違いはわかった。どっちが良い悪いではなく「違うな」とわかるだけで、どのキャラも違和感はなかった。
個人的には、花道だけはちょっと声の綺麗すぎる花道だった…。もう少しダミ声気味のイメージ。花道、この映画ではそんなに喋らないのでいいんですけど。
逆に流川は、私の中では今回の流川のが脳内で喋るイメージに近かった。これは私が原作を先に読んでいたからであって、実際アニメ始まった時は他にも声のイメージが違ったキャラもいるし。みんな最初に観たものを自分の親だと思ってついていく習性だから人それぞれですねー
いきなり始まる山王戦
「試合を観ているようだった」との口コミを多く目にしたけど、最初に思ったのは、完全にコート上のプレイヤー目線ですごい!
コート内のリョータから見える景色だったり。
カメラワークも、これは実際にバスケやってモーション取ったのかという動き(メイキングを何も知らないで言っています)
これ、ARで体感したらすごいだろうな
山王のプレスとか威圧感でめちゃくちゃ疲れそう、やりたくないw
笑ったところ
花道の綺麗なダブルドリブルと、安西先生のガッツポーズはシアター内でもクスクス笑いが漏れてて和やかな空気。
私が耐え切れなかったのが、湘北一年生たちが花道に「ボールよ吸い付け~」と念を籠めて触りに行くところ。
最初の一人目の石井君はむしろいいシーンだし、漫画だと一コマで単純にワイワイしてるだけだったけど、皆がやり出して一人一人花道に寄って行く動きがあるとこんな面白いのかと!
リアルでもこういう内輪のノリよくあるし可愛くて好き。
ツボに入ってぷるぷる揺れてました。ここの辺りは畳みかけるように笑わせてくる……
泣いたところ
この辺から、あぁこのまま行ったらヤバいな~と思い始める。
だってもうさ、展開と結末は知っているじゃないですか。この描き方と臨場感で入り込んでいたらマズい、もうダメだ……
もうストーリーで感動とかじゃないんだ、
この感じであのシーンが観られるんだよね?
アニメでは観た事無かったあのシーンが、という感無量の気持ち。
私は別に「SLAMDUNK」に特別思い入れがあるわけではなく、あの頃みんなが観ていて読んだことある作品の一つでしかないはずなんだけどな。
自分が単行本を読んでいて毎回泣く箇所はわかっている。
・神奈川大会の最後、陵南戦での小暮くんの3P
・この山王戦の、流川花道のバチーン!(´;ω;`)ブワッ
↑
ここ。何度めくっても泣ける。なんならシーンを想像しただけでジワッ―…って泣けてくる。共感ってよりその瞬間が熱すぎて勝手に泣く。
同じ本を何度読んでも同じところで泣くソレ。
小暮くんのところは、小暮くんが入れたことでなく田岡監督の「あいつも3年間頑張ってきた男なんだ…」って言い回しが良すぎて泣く。
リョータがプレスから抜け出したところで既に泣いてた。
ここで母と彩子さんが「行け」って見守っているわけですが、実際に「行け!」って声に出すのは彩子さんなのがいいよね…ここで届くのが母の声だったらちょっと引く。
で、三井が入れるじゃないですか。いや、知ってる。知ってた。三井がそこにいるのもシュート打つのも入るのも知ってし、流川が「そんなタマじゃねえよな」って言うのも知ってた。ここの流川くんの言い方、めちゃくちゃ良かったですね。すごく格好いい。すごく流川くんだった。
で、バチーン!のシーンなんですけど。
噂に聞いていた花道のシュートが入るまでの無音。思った以上に長くて思わず、
ゴックン……。
って喉鳴っちゃったけど!
そもそもこのシュートは入るじゃん? ここのわたし的感動ポイントは、花道が基本に忠実な「左手は添えるだけ」合宿シュートが入ることではなく、流川が花道にパスするとこだから!
そこからのバチーン!だから(´;ω;`)ブワッなんですよ!
欲をいえば、シュートが入ってからバチーン!まではドラマチックなタメや間とか要らないから、リアルな時間経過の流れでそのままやって欲しかったな~
臨場感で。
山王について
今回リョータ中心だったのもあって、あまり描写が無かったなという印象。
河田とかフツーのスポーツマンシップに乗っ取った気のイイやつだった。
ただ、やたら監督だけ印象深い。
あのベンチに座らないで片膝立ててるあのポーズの監督、あぁいう人いるよね? 妙にリアリティ。
そういえば山王メンバーは初めて声がついたのか。
ラストの監督の「負けたことがあるというのが財産になる」ってくだりはとても覚えていただけど、沢北の泣き崩れる場面はあったかな……号泣しているのは河田だけだった記憶。
沢北のあの神社のシーンってありましたっけ?
先を知っているから、もうお願い事の時点で「あぁ~敗北ねー。そんな事願うから!」って思っちゃったよね~
ラストに回想で答え合わせのようにまた出てきたけど、個人的にはあそこで回想無しのが面白かったのでは、と思う。きっとネットで「あの神社の時の『必要な経験』が敗北だったのかー!」って解釈・考察が出て盛り上がったはず……
観たあとの補足説明
観終わってから真っ先に旦那に、インテンション・ファールのペナルティーを説明したよね……。フリースローがツースローな上にマイボールになるんだよ。
あと、試合のラスト数分間。BGMのみになるシーンの解説ね!
──残り○分、山王監督はタイムアウトを要求するが、湘北の小暮が交代を申し出るのを見て、これを取り下げた
↑
これ!原作だと文字で補完されてましたよね?
ナレーションが入るのかと思ったら入らず。
「交代お願いします」などの台詞が入るのかと思いきやそれもなく。
すごい!
これ初見だとわからない方も居るよな?
思い切ったことしたな!
と、旦那に説明していて思いましたが、ここのバスケのルールちょっと難しいね……
湘北は限界の花道と小暮を交代させたい。
バスケは時計が止まらないと交代できない。
コートからボールを出せば時計は止まるけど、相手ボールだと交代できない(じゃないと自分たちで出せば交代で来ちゃうからね。サッカーみたいに回数制限ないから)。
ここで山王がタイムアウトを取ったら湘北は交代出来るわけだけど、花道が交代しなければ実質コート内は5対4となる。
だったら交代のチャンスを与えないでそのまま行こう……、というのが山王監督の判断。
まぁ結果、花道が決めちゃうんですけどね。もしここでもし小暮くんに交代させていたらラストの展開は違ったわけで……
バスケって怖い
と、いま思うと試合展開はけっこうリアルだったんだな……
SLAMDUNK自体は高校生がみんなNBAみたいな身体付きでダンクを馬鹿すか打つし現実離れした漫画とずっと思っていたのですが、個人の能力やシュートの派手さはともかく、ゲームの流れはそうなったらそうなるよねっていう感覚があった。
スポーツ観戦したような、とてもいい試合を観たあとの清々しさでした~
湘北一年生たちが花道に念を籠めたシーンをもう一回観たい。