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200808 バレンティン選手のプレーについてスワローズファンが思うこと


※200810加筆修正

バレンティン選手の怠慢走塁に関するツイートが、TLに流れてきました。

元々スワローズに所属し長く活躍してくれた選手で、他球団に行っても頑張ってほしいと思っていました。
そのため、正直、嫌なものを見たし見なきゃ良かった…と後悔したのですが、野球ファンとして考えさせられることも多かったです。

自分が野球をどのようなスタンスで見るか?
東京ヤクルトスワローズというチームをどのようなスタンスで応援するか?

改めて向き合う機会をもらったと思い、問題のプレー映像とTwitter上の様々なリアクションを見てみました。


これは私の考え方なので、他のどの球団ファンにも強要するものではありません。
あくまでも私の応援スタンスの話です。
また、プレーに関して私の見解を述べるつもりもありません。
正直、素人がプロの世界にあーだこ-だ言えないし(笑



私が気になったTwitter上のリアクションは、以下の通りです。
どこのチームのファンがツイートしたかは正直見れていません。また、引用許可を取っていないため、私なりの要約を記載しています。

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1. 嫌悪感や怒りをシンプルに表現したツイート
2.チームには不要な選手であるため、排除を求めるツイート
3. バレンティン選手の他のプレーや、プレー外のことまであげつらうツイート
4.現状のバレンティン選手の成績を、ヤクルト及びセ・リーグのレベルが低い根拠としてマウントを取るツイート
5.チームのレベルを讃えるツイート※4の内容から派生
6.首脳陣、および球団編成に対する批判ツイート

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3.については、幼児に言い聞かせる大人の視点からの語りかけに、「(笑)」や「w」など冗談のニュアンスをつけたツイートが気になりました。
例えば、「このチームではこういう風にしないとだめなんですよ~w」のような言い方です。冒頭に「このチームでは」という前提を持ってきているため、4.の内容を意味するツイートともグラデーションのようにつながっている印象です。

また、見方によっては誹謗中傷と受け取られかねないワードもちらほら見受けられましたし、直接の確認はできていませんが、人種差別的なツイートを見たという報告ツイートも見ています。

バレンティン選手=ポケモン?

1.を除いてつぶやいた方たちの認識がある程度共通しているのが、面白いです。
自分はファンという立場を超えたチームの重要なポストについている、かのような発言です。

誤解を恐れずに言うと、バレンティン選手及び自分が応援しているチームをポケモン扱いしている、という見方が個人的にはしっくりきます。
もしくは、パワプロでキャラクターが自分の思い通りに動かない!!というフラストレーションがたまっているかのような。
特に、2.や3.のツイートにその傾向が強い印象です。


スワローズやセ・リーグに対するマウント心とスタンフォード監獄実験との共通性

1.と4.のツイートについては、相互フォローさせていただいている方が、「強いチームのファンだと自分まで強くなった気になる?」と興味深い投稿をなさっていました。
ここで私が思い出したのが、NHK『フランケンシュタインの誘惑』で取り上げていたスタンフォード監獄実験です。

※スタンフォード監獄実験とは
http://www.socialpsychology.jp/jssppr/topics/nhk_stanfordprisonexp/

人間の行動は、状況や与えられた役割によって左右されます。
看守役を割り当てられれば、どんなに優しい人でも電気イスのON/OFFスイッチを押せるようになります。
贔屓のチームが強ければ、そのチームを応援している場では自分も強くなった気になれます。

例えは少々物騒ですが、心理的な働きとしては似ているし、共通項も多いのではないか、としっくりきます。
バレンティン選手がこれまで在籍していた東京ヤクルトスワローズは、昨年残念ながら最下位だったため、贔屓チームが強い状態だと余計にそう思うのかもしれません。

フーコーが言っていた、権力は人の性質によるのではない。「場」によって生まれる…ということが証明されたかのような気すらして、その心理作用がとても面白いと感じました。
※私のような凡人は天才フーコーの言っていることの100分の1も理解できませんが(笑


結局悲しいし虚しくなる

最後に感じたのは「悲しい・虚しい」という感情です。

確かに応援しているチームが納得のいかない負け方をすれば、熱くなってしまう気持ちもわかります。
私は東京ヤクルトスワローズファンですが、今シーズンだけでもそう感じた試合がすでに何試合か浮かびます。

しかし、誹謗中傷までいくと、熱くなりすぎて野球が人生を侵食しすぎていないだろうか?と疑問が生まれます。
さらに正確に言うと、贔屓チームの勝ち負けに人生を預けすぎていないだろうか?贔屓チームの勝ち負けに終始して、そこに感情を振り回されるだけの人生は、悲しいし虚しくないか?
…という疑問です。

私は、自分の贔屓チームを応援するとき、思い出す言葉があります。
「自分たちはチームや選手を応援することしかできない」という松村邦洋氏の発言です。
発言のソース元が確認できなかったため一言一句同じではありませんが、とても印象に残る言葉で、野球の神様に八つ当たりしたくなったとき、特に意識して思い出します。

もちろん、私たちファンが日々一生懸命稼いだお金を出資して応援している球団です。
職業野球である限りは、プロとしてのプレーを見せてほしいと思うのが当然です。
しかし、私たちは選手一人ひとりがそれをやってくれることを信じて、応援するしかできない立場でもあります。

本気でどうにかしたいと思っているなら、今からトレーニングを始めてシーズン61本以上のホームランを打てる実力をつけ、入団テストを受けてくればいい話です。
もしくは、贔屓球団の株を購入し、株主総会で議題にあげるという方法もあります。
それができないのならば、私たちに許されているコマンドは「応援する」一択しか残されていないと思うのです。


改めて言うと、これはあくまでも私の応援スタンスであり、自分に対する戒めでもあります。

例えば、車を運転しているときに社名入りの車が煽ってきた、危険な割り込みをしてきた、などを目撃したとします。
当然、私はその会社に対して良いイメージは持ちませんし、その会社はその程度のレベルだと判断しますし、その会社のサービスを利用しているなら即刻他社利用に切り換えます。

私が東京ヤクルトスワローズというチームのファンであることを公言している以上、私の行動一つでスワローズが同じようになってしまうリスクがあります。
だからこそ、不完全ながら自分の気づける範囲内で、できるだけ行動に配慮しなければならないと感じます。
今回のバレンティン選手の件で、改めてそこに気づくことができました。


3か月前までは深刻なコロナ禍で、今シーズンは野球をあきらめないといけなくなるかもしれない覚悟すら求められていました。
まだまだ問題はありますが、そこから考えると少しでも多くのファンが球場で野球を見られる今の状況は進歩と言っていいでしょう。
野球があることに感謝をしつつ、残りのシーズンを見守っていきたいと思います。


次の試合はプロチでも食べながら応燕しよ。


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