YGオタクが頼まれてもいないのにJYPの将来を心配してみる
JYPエンターテインメントの現在の稼働グループは、
TWICE、Stray Kids、ITZY、NMIXX。
NiziU、NEXZ、VCHA。
他にも中国グループやバンドがあるが、ここでは触れない。
最初に言っておくと、
私が頼まれてもいないのに心配するのは、
上述のグループの将来ではなく、
JYPという会社の将来である。
まずTWICEは今年で10年目を迎え、
本来ならアイドルとしての役目を終えて
各自のセカンドキャリアを築くステージだが、
いまだに現役でバリバリ働き、
カムバックもツアーも精力的にしている。
今は韓国や日本での人気は落ち着いているものの、
現在も全世界的に非常に人気が高く、
いくらでもお金を稼ぐことができる状況。
まさにJYPの大黒柱だが、
メンバーの体力や将来を考えると、
果たして次の再々契約もしてくれるのかどうか。
再々契約をするとしても、
BLACKPINKのように団体契約だけとなる可能性もあり、個人活動が増えていくかもしれない。
とにかくTWICEに永久に会社を支えてもらうことは不可能である。
Stray Kidsは今年で7年目。
来年での再契約に期待がかかっていたが、
先月、まさかの前倒しでの再契約を発表。
早い段階での再契約に、私はかなり驚いた。
ファンはどれほど喜んだだろう。
これほど早くに再契約するケースは珍しく、
普通は会社とメンバーが、より有利な条件を求めて駆け引きをして、ギリギリまで交渉がもつれこむ。
Stray KidsとJYPはそのような駆け引きなしに、
極めて円満な形で再契約が決まったということになる。
これはJYP側の、
「Stray Kids を引き留めたい
(というか、いてもらわなくちゃ困る)」
という意思と、
Stray Kids側の
「Stray Kidsとして今後も活動したい」
「JYPと仕事を続けたい」
という意思が両方揃っていなければ不可能なので、
ひとまずJYPの今後の安心材料となるニュースだった。
しかし、再契約の慣例からいって、
再契約後のStray Kidsの収益は、
今までよりもメンバー側の取り分が増え、
JYP側の取り分が減るはずだ。
なのでStray Kidsの人気が維持されても、
JYPの収入を維持することはできない。
ITZYに関しては、
デビュー直後に爆発的な人気を博したものの、
2021年以降は人気が停滞している状態。
ファンの一部は危機感を抱いているようだが、
私はそれほど問題とは思わない。
アルバムもちゃんと売れているし(そもそも100万枚とか売れる方がおかしいのだ)、規模がTWICEほどでなくても、ツアーもできているし。
デビュー直後があまりにも売れすぎただけで、
グループとしてはちゃんとファンもついている。
JYPは所属グループが多いので、
ITZYぐらいに売れていれば、
どうにか会社を支えていけるはずだ。
(それよりも、ちゃんとリアを活かすプロデュースを考えているのか? 私はそっちの方が心配だ)
同様にNMIXXについても、
ほとんど心配する必要はないように思う。
NMIXXは徐々に人気を伸ばしていて、
音盤バブルが弾ける前は、
アルバム初動売上100万枚を記録。
楽曲に対するネガティブな評価もあるようだが、
NMIXXにしかできない独自路線でコアなファンもついているし、楽曲の質が低いとは全然思わない。
むしろ非常にクオリティが高い楽曲ばかり。
(私はJYPだとmiss Aの楽曲が一番好きなので、
感覚が大衆とずれているのかもしれないが)
何よりも全メンバーに歌唱力があり、
長く活動できるグループ。
女性グループは男性グループより寿命が短いというが、実力があれば短命とは限らない。
2NE1は10年のブランクがあっても大人気。
ちゃんと歌の実力があれば、10年でも20年でもファンはついてきてくれる。
つまり以上のグループ(=韓国でのグループ)
にはそんなに問題があるとは思わない。
私が心配するのは、JYPの現地化グループ戦略、
もっといえば、JYPの現地化戦略への固執である。
NiziU、NEXZ、VCHAに関しては、
NiziUだけが売れて、ほかは苦戦しそうな印象。
まず、JYPは、
「日本の市場」への理解が浅すぎる。
NiziUが売れたのは、虹プロが話題になったから。
K-POPファンではない一般の老若男女ファンが虹プロを見て、NiziUを支持。
彼らはK-POPのカムバックというシステムに慣れていない。
日本ではテレビ番組に出ていれば売れているとみなされ、出演しなくなれば廃れたとみなされる。
日本社会はK-POP界以上に流行り廃りに敏感である。
カムバック活動を終え、テレビに出なくなれば、
「人気がなくなった」とみなされ忘れられる。
また、日本では過去のヒット曲を何度でも歌うのが文化。
NiziUでいえば最大のヒット曲Make You Happyを何度でも歌って良いのだが、
JYPはNiziUをK-POPシステムの中で売ろうとしているため、カムバック=新曲発表のときにテレビに出演させ、新曲を歌わせる。
(紅白ではMake You Happyを歌っていたけど。)
これでは日本国内での人気を維持するのは難しい。
「日本から世界へ」
という目標を掲げているようだが、
日本は韓国のように毎日音楽番組があるわけではないし、
音楽番組がMusic BankのようにYoutubeに動画を投稿してくれるわけでもない。
日本のテレビ番組は権利関係が非常に厳しく、
「日本から世界へ」
はシステム上、非常に難しい。
(もともと本音としては世界で売るつもりはないのだろうけど)
NEXZはまだまだこれからではあるが、
虹プロシーズン2は、NiziUの時ほど注目を集めることはできなかった。
(日本人って意外と飽き性なので)
だから今後人気を獲得していくことになるが、
簡単なことではないと思う。
日本のK-POP以外のアイドルオタクは、
K-POPをあまり歓迎していないし、
K-POPファンは、韓国で活動するグループを応援している。
NEXZはデビュー同時に韓国語バージョンで楽曲を出して、韓国の音楽番組に出演していたが、
それを今後も続ける予定だろうか?
だとしたら望みはあるが、
とにかく音楽番組に出演することなしにK-POPファンの心を掴むのは難しい。
圧倒的な実力を武器にライブ・コンサートで勝負するとかでもない限り、
音楽番組での1位争いに参入することでファンが増えていくのが通例。
音楽番組やその他韓国の映像コンテンツへの出演は、K-POPファンからの支持を得るために不可欠である。
VCHAは、アメリカ版虹プロということだったが、
オーディション番組の段階での注目度もイマイチで、現在の人気も上がらず、実質的に活動休止状態。
J.Y.Parkの夢はつまるところアメリカでの成功のようだし、VCHAはアメリカ現地化グループということで、かなり気合が入っていて、楽曲もとても良い。
これで売れなかったのだから、プロデュースが悪いとかではなく、単なる戦略ミスだと思う。
NiziUやNEXZが、
日本人であるというだけでは日本のK-POPファンの心を掴むことができないのと同様、
アメリカのK-POPファンもアメリカ人というだけでVCHAを応援することはない。
これをJ.Y.Parkが分かっているのか、他人事ながら非常に心配である。
J.Y.Parkはおそらく、
GOT7のベンベンのタイでの人気や、
TWICEのミサモの日本での人気を見て、
「それぞれの国の人は、
それぞれの国の出身のアイドルを応援する!」
と確信したのだろうが、それは短絡的な考えだ。
確かにTWICEの日本での人気が、
ミサモ(日本人メンバー3人)のお陰であるのは間違いないが、
それは、
「日本人が3人いることで、日本での活動がしやすい。日本のテレビに出やすい。」
という事情に加えて、
「TWICEのコンセプト自体、日本ウケが良い」
という理由があったからだ。
日本人がいるから、日本で活動できる
→日本でTWICEが爆発的人気に
→全メンバーにファンがつくが、特にミサモの人気が高い。
という図式であって、
「日本のONCE=ミサモのファン」ではない。
ミサモが日本人だから応援するのではなく、
TWICEの日本人メンバーだから応援するのだ。
この違いが分かるかJ.Y.Park?
それは他国のK-POPファンも同じで、
ベンベンの人気が高いからといって、
タイ人が「タイ人だから」応援するわけではない。
JYPではないが、過去には明確な失敗例がある。
例えば2012年にインドネシアで作られた現地化グループs4。
楽曲の質が非常に高く、話題になったものの、
人気は長続きせず、商業的には失敗に終わった。
現地化グループは話題性があるので、
スタートは良くても、そのあと失速する。
そう決まっているのである。
しかしJ.Y.Parkはどうにも
現地化グループに今後もこだわるつもりのようだ。
彼は昔から、
KPOPの第一段階
=韓国人だけのグループ
KPOPの第二段階
=韓国人と外国人の混合グループ
KPOPの第三段階(最終段階)
=それぞれの現地化グループ
というKPOP三段活用理論を提唱していて、
現地化グループこそが最終形態であるというポリシーを曲げない。
VCHAがうまくいっていないのに、
今はラテン(中南米)で、新たな現地化グループのプロジェクトを準備しているらしい。
あのなあJ.Y.Park。
世界はグローバル化してるんだよ。
韓国で活動していても、
YouTubeでほぼリアルタイムでパフォーマンスを見られるし、アルバムも輸入できるし、飛行機ですぐに会いに行けるの。
K-POPが文化として浸透して、
国籍とか気にせず応援する風潮もできつつある。
なのに今からそれぞれの国に現地化グループを作るなんて、
時代に逆行していると思わないか?
それぞれの国の出身者に絞ってメンバーを選抜し、
韓国人練習生を除外すれば、
歌やダンスの実力はどうしても保てない。
韓国人メンバーが中心でも、
実力とスター性があって楽曲も良ければ、
世界のファンは集まってくる。
Stray Kids は日本人メンバーがいないけど、
日本でめちゃくちゃ人気あるじゃないか!
結局K-POP界で支持されるのは、
韓国で通用するグループなんだよ。
そういうわけで、
J.Y.Parkさん。
アメリカで成功するのが夢なのは知ってるけど、
もういい歳なんだから夢とか言ってないで、
さっさとLOUDのプロデュースしてくれよ。
頼むからもう現地化にこだわらないでくれ…
(YGオタクはYGの心配だけしてろって?
YGの方がJYPよりもっとヤバいだろって?
ごもっともです。😢)
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