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ロータス オンライン・エディション

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誰かと生きてゆくこと、名づけられない関係を結ぶこと…… 「好き」という感情だけのつながりは、何故こんなにも儚いのだろう? 幼稚舎から大学まで一貫の名門・私立華胥女子学院を縁に蓮実…
短篇が七つ入っています。収録されている作品は一話ごとに購入可能ですが、このマガジンをご購入いただく…
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記事一覧

ロータスⅡ

1. いつのまにか道に迷っていた。  電車は目的の駅に着く様子がない。車窓を流れてゆく景色…

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柳川麻衣
4年前
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ライフ・イズ・スパイラル

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柳川麻衣
4年前
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トランスヴェスタイト/クロスドレッサー

0. お詫びと修正のお知らせ こちらのウェブページ、あるいはダウンロード用PDFをご参照くだ…

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柳川麻衣
4年前
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リリイ

1. 開けた箪笥の抽出に肘をついて凭れかかり、裸のまま、ゆりのは迷っていた。  着けていく…

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柳川麻衣
4年前
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シスター

1. 人ごみに見慣れた背中を見つけて紫苑が足を速めようとしたそのとき、視線に引っ張られるよ…

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柳川麻衣
4年前
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リップスティックのL

1. 校舎の裏手のフェンス越しにカテドラルの尖塔が見える。あれが自分の通う学園のチャペルだ…

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柳川麻衣
4年前
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ロータス

1. カーテンを透かして差し込む朝の光がまぶたを刺した。ひどく悲しいのは夢だったのだろうか。目許に触れると睫毛が濡れていて、どうやら泣きながら目覚めたようだけれど、夢の残滓は跡形もなくかき消えて、悲しみだけが濃く残っていた。  空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。開けた窓から爽やかな風が吹き込み、ピピピ、チチチと鳥のさえずりまで聞こえてくる。このうえなく美しい五月の朝だ。  目覚まし時計を掛けた時刻まではまだ二十分ちかくあったが、桃重はベッドには戻らず、足音を忍ばせてキッチンへ向

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