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美しさを 「観る」

美しさとは何か?民芸品を鑑賞しながら、そんなことを考えていた。

 私が美しいと思うものは、直感的で視覚的なものがほとんどだった。しかし、この作品展を眺めていると、柳宗悦らが注目したのは、地方に根ざす民衆の中で生まれたという過程や、その地方ならではの風土や伝統を表しているといった、目に見えない美しさを見出しているような気がした。

 彼らが捉えた民芸品の魅力というのは、鑑賞者と作品という一方通行で見るものではなく、
その作品を通じて感じる土地柄や人との繋がりといった目に見えないネットワークを想像し、美術館や雑誌といったメディアを通して、それらの価値を新たに創造することができるという可能性を含んでいることにあるのではないかと思った。

モノの価値というのは、出来上がった結果によって決まるものではないのかもしれない。
むしろ、その過程に自分なりの美しさや魅力を見出すことで初めて、自分の何かしらの軸が見えてくるのかもしれない。

#melc2021

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