ハキハキ、スラスラ、正確に 3

昨日までの続き
 ↓


音読の3原則 

「ハキハキ、スラスラ、正確に」


残るは
正確に」だ。



3.正確に

音読における
正確に」読む、ポイントは3点。

・読み間違えないように「正確に」読む。

・区切る箇所を「正確に」読む。

・文章の中で高低を「正確に」読む。


1つずつ見ていこう。




・読み間違えないように「正確に」読む。


音読
中の読み間違いには、
主に次に挙げる4つがある。

1.代用
 文章に書いてある言葉を別の言葉に「代用」して読んでしまうこと。

(例)「そして、~」→「だから、~」
   「~。」→「~です。」


2.省略
 実際には書いてある言葉を「省略」して読み飛ばしてしまうこと。

(例)「わたしは、お父さん、お母さん、妹、と、~」
   →「わたしは、お父さん、お母さん、妹と、~」


3.挿入
 
実際には書いていない言葉を「挿入」して付け足し読みしてしまうこと。

(例)「わたしは思いました。」
   →「わたしはそう思いました。」


4.躊躇
 読めない漢字、知らない言葉に読むのを「躊躇」してしまうこと。

(例)川上いく日 ---『さけが大きくなるまで』
   せっちん ---『モチモチの木』


ひとつ 読み間違い といっても
色んなパターンがあることが見てとれる。




ただ、ここで言えることは

・読み間違い は、
本人が自覚しない限り「正確に」読めるようにはならない。

助詞(が、は、も、こそ、さえ…)や
 接続詞(しかし、つまり、ところで…)など
 ひらがなの一語一語でさえ大切にできない子は、
 『言葉を大切に扱う子』に育たない。

ということである。




子どもが
読み間違いをしている原因が、


読めない漢字、知らない言葉など
語彙力不足により読むことを「躊躇」しているようであれば、

教えるヒントを出す など


日本語の一語一語、一音一音に気を払わず、
自分の読みやすいように「代用」「省略」「挿入」しているようであれば、

短否定(「違う」、「いや」)
手がかり(間違えた語の直前まで大人が読む) など


子どもの読む力、音読に対する意識 等により
その子に合わせたやり方はもちろん異なるが、

出来る限り子ども自らが読み間違いを自覚し、
正確に」読めるようになるよう指導したい。




・区切る箇所を「正確に」読む。


ここは端的に。

文章の中で区切る箇所、息継ぎをするのは、
句読点のみ である。


句読点

すなわち、「」や「」である。



この点を意識していない子どもは、
文章中、句読点よりも短く自分の好きなところで
勝手に区切って読んでしまいがちである。



実際に、句読点まで一息で読む ことに
意識して音読してみると分かるが、

読みながら自然と目線を先に先にずらしていく
目ずらし」を急いでしていかないと音読できない。

そして、
目ずらし」が促進されると、
読むスピードが上がっていく、すなわち、
スラスラ」読めるようになる。



句読点まで一息で読む 意識は、
日本語の文章を「正確に」読めるようになるだけでなく、
スラスラ」読むことにもつながるのである。




・文章の中で高低を「正確に」読む。


日本語は
強弱の言語」ではなく、「高低の言語」だと言われている。


強弱の言語」の代表例は、英語

英単語を学習すると必ずと言っていいほど
アクセント´」が登場するように、
英語は単語レベルで、文章レベルで強弱をつけるのが特徴である。


一方、日本語は単語ひとつひとつに
アクセント、発音の強さ弱さの差はないが、
高い低いの差はある。

(例)
 「あめ」        「はし
  高低 →「」     高低 →「
  低高 →「」     低高 →「


また、日本語の文章は
文頭から文末へ
高→低」で読むと、大人っぽく
低→高」で読むと、子どもっぽく なるとされている。


幼稚園、保育園の子どもが声をそろえて、
「よろしくおねがいします」「ありがとうございました」と言うと、

「よろしくおねがいします⤴」
「ありがとうございました⤴」

と語尾が上がるのを聞いたことがあるだろうか。



音読における正解は基本的には
高→低

文の最初高く読み始め、
文の終わり、「」や「」の前は低く優しく終わる

である。






まとめ

読み間違いは、本人が自覚しない限り直らない。
 子ども自らが間違いに気付けるように、
 その子に合わせた声かけを心がける。


・日本語の文章を読み間違えずに「正確に」読むことは、
 『言葉を大切に扱う子』を育むことにつながる。


・区切る箇所は、「」「」だけ。
 句読点まで一息で読む


句読点まで一息で正確に」読むと、
 「目ずらし」が促進され、「スラスラ」読むことにつながる。


・日本語は「高低の言語」。
 一文のなかで「高→低
 文頭高く、「」や「」の前、文末低くを意識する。

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