「先生、このプリント用意してくれてありがとうございます」

先月、
読み書き算数の時間に
子どもからもらった一言だ。



その子は
くり上がりのあるたし算 をはじめ
算数を苦手にしており、

先々月までは
くり上がりのあるたし算 のプリントに取り組むこと自体に
拒否反応を示し、

算数は
くり上がりのないたし算 にしか
自発的に取り組まない。


そんな子だった。







くり上がりのないたし算 から
 ↓
くり上がりのあるたし算


この
子どもにとってはとてつもなく大きな壁

その壁を
限りなくならした緩やかな坂道を自分の力で登り始めた。

そんな折に出た一言が、



「先生、このプリント用意してくれてありがとうございます」


だった。




9+4 
  ↙ ↓
10+3

みたいな

くり上がりのあるたし算 を考える際に重要となる
10のまとまりをつくる を意識づけるためのプリントだったのだが、

そのプリントを解き終えて

「楽しかった。」
「もっと持ってきて。」

という感想を漏らしたことにまず驚き、



次いで出た

「先生、このプリント用意してくれてありがとうございます」

の言葉にうるっときてしまった私は
咄嗟にウソ泣きでその場をごまかした。






学校の勉強に限らず
子どもの人生は子どものもの

大人が決めつけるものではない。



だから
子どもは自分の力で
目の前の道を歩み続けなければならない。




目の前の道が
面白そう、歩いてみたいと思える道なら
子どもは歩き始めるし、


つまらない、こわい、歩きたくないと思う道なら
子どもは立ち止まる




子どもが最初の1歩を踏み出すためには、
子どもの前に歩くことのできる道を示してあげることが
大人にとって大切な役割。


自らの足で歩き始めたら、
そばで見守り、支えることが
大人の役割。





くり上がりのないたし算 から
 ↓
くり上がりのあるたし算


自分の足で歩き始めたその子を
そばで見守り、支えていきたい。





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