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立川歌舞伎

4日間だけの立川での歌舞伎。義経千本桜忠信篇。僕が歌舞伎にはまったきっかけは三代目猿之助の四の切場。動きはまさに狐だし、自由自在に現れては消えというケレンは面白かったなぁ。

冒頭はご挨拶から。まずは中車さん。お!素顔の中車を初めてみたぞ。香川照之ではないか。来年以降も立川歌舞伎が続きますようにというご挨拶。

次に出てきたのは中村壱太郎と市川團子。本公演のストーリーを解説。おふたりも素顔。歌舞伎役者の素顔ってのはなかなかに貴重。

休憩を挟まず、伏見稲荷鳥居前。佐藤忠信は中村鷹之資。富十郎さんの息子さん。富十郎さんでよく覚えているのが巡業でのこと。最前列に近い場所で観ていたんだけど、ある場面で本当に涙を流していたのね。「巡業で毎回同じお芝居やっているのに毎回泣いているんだろうか?すげぇな」なんて浅いことを思ったのをよく覚えている。

お次は道行初音旅。佐藤忠信は市川團子。僕的にはここがメイン。團子ちゃんの忠信かぁ。感慨深いよなぁ。

静御前は壱太郎。ずいぶんと前に三代目猿之助と坂田藤十郎で忠信、静御前を演じたことがあるらしく、今回は時を越えての孫同士の共演。こうやって受け継がれていくんだなぁ。

團子ちゃんの佐藤忠信は最後に狐忠信となって舞台をはけていくんだけど、変身した瞬間、涙腺緩んだ。澤瀉屋のいろんなものを背負って狐忠信となった團子。理屈じゃなくって、ただただ応援したい。何年後かには宙を舞うことになるのだろう。「あのときの狐忠信が今、宙を舞っているんだ」という日が来るのを楽しみにしたい。

最後は川連法眼館の場。通称四の切。忠信は市川青虎。ケレンを無事にこなせるのか?って気になっていたけど心配は無用であった。そりゃ、猿之助に比べればアレだけど、それは仕方がない。市川弘太郎の時代からずっと観ていたけど、狐忠信を演じる日がくるとはなぁ。

ラストは宙乗り。立川ステージガーデンって天井がすごく高くて、あの宙乗りは相当怖いよなぁ。花道側からの斜め宙乗り。舞う花吹雪。舞いすぎだろってくらいの花吹雪だった。

通常ならここで終わりなんだけど、ここで終わってしまったら中車の出番がない?ということなのかは知らないけど、その後の場も上演され、最後は中車がかっさらっていった。まあ、それは仕方がないかなぁ。

最後はカーテンコールありで役者勢揃い。観に来てくれた人を楽しませようという気持ちが伝わってきて、本当にいいなと思った舞台でした。

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