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瀬戸内ツーリング5日目、6日目(最終)

夢の終わり、祭りの後。なんなら友達が家に遊びにきた後のきもち。

この日は実質、フェリー乗り場までいくだけの日だった。

ぼくらが乗るフェリー、「りつりん」は船内に食堂がないのでご当地のスーパーで買い出しをした。

なぜかホテルを出た瞬間からフェリーに乗るまでにわか雨が降り続いていて、僅かな湿り気をぼくに与えた。


ご当地カップ麺とか色々買い込んだ。


この写真は翌日の


姉妹船


フェリーりつりんは本当に綺麗な船で、洗面所は独立した部屋で何個もあるし、自販機だけの食堂もレンジやらお茶やらがあって結構便利だった。
子供にフェリーの仕事について教えている乗組員のお姉さんがいた。

揺れと250cc単気筒車のような振動がどこでも(ベッドでも)付いてくることを除けば本当に快適だった。初めて少し船に酔った。

瀬戸内は本当にいいところだった。


初めて訪れる場所も多かったけど、田舎の祖母の家に帰って来たような気分になる。そもそもぼくの祖母の家は二つとも都市部だったけども…

どこまでも広い空。青く広がる海。白い砂。もくもくとした夏の雲。すかーっとする暑さと響き渡る蝉の鳴き声。木陰の涼しさ。
静かな夜。潮と息づく人々の生活の匂い。綺麗な星。
出会った人。みんな思いやりがあって優しい。前から知り合いだったみたい。

フェリーで寝ている時、2日目の瀬戸内ライフの夢を見た。みんなが花火をしている中、自分だけ帰らなければいけない。起きると泣いていた。



ビル群が見えてきた。現実に戻る時が来た。
この気持ちを割り切れれば、「大人」になれるのだろうか。

家に帰ってきて洗車をして、これを書いている。この大切な記憶が、少しでも自分の中に残るように。素敵な経験を忘れないように。いっときでも取りこぼしたくない。
人が何かを書き残す、その意味を今感じている。


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