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数ある一瞬の一部

日常生活のなかで、私は何回もシャッターを押している。






写真が好きで何枚も写真を撮ってきたけど、撮ってきた写真の数なんてほんの一部だ。

カメラロールに残っている写真以上に、私は「残したい」瞬間に出会っている。


そして、それをカメラで収めていない。





基本そんなものだと思う。



この瞬間を残したい、涙が出るほどきれい、と思える一瞬を目の前にすると、カメラを持つことさえ忘れる。


撮るより、この景色を目に焼き付けておきたいと思う。




そして、撮らなきゃとカメラを構えたときには、もうどこにでもある普通の景色になっている。




だから、もしそのシーンに遭遇した時に、私が意識的にしていること。






ゆっくり、瞬きをしてシャッターをきる。
瞳の中でその一瞬が生きていてほしいと願いながら。


その時に涙がこぼれてもいい、忘れてもいい、その景色が消えてもいい。

それだけでいい。






撮ってきた写真なんて、ほんの一部にしか過ぎない。

自分のこの目だけで見た景色なんて、腐るほどある。






それでも写真を撮りたいと思うのは、「一応」残しておきたいからなのかもしれない。

ある種の諦め。



だからこそ、自分の見た景色がそのまま写真に出てくると、なんとも言えない気持ちになる。


「一応」撮っておいてよかった、と思える。


だから撮ることをやめられない。






写真が大好きです。


aS

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