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カモメの鳴く街 ー 同棲解消記録 『色恋を持たない多崎ありゅーと、彼の巡礼の年』

同棲解消。

私の引越しの日も近付いてきた。

彼女は実家が東京なので、すでにこの家からは出ていっており、私は今、1人で暮らすには少し広すぎるこの家を持て余している。

まるでその空白を埋めるように、そしてスペースを有効活用する意味も込めて(?)、去られた当初は友達を呼んでは酒を飲みという週末を繰り返していた。

でも当然ながら、呼んだ友達には其々帰る家があり、最後の最後でまた独りになって虚無が襲ってくる。その乱高下もなんかしんどくなってきて、最近はもっぱら家では独りに浸かるようになった。それから引越し関連で、人を呼べたものじゃない状態になってきているのもある。


彼女が去ってからの、この家に居ての気づきとして、

カモメの声がきこえるのだ。

これまではきこえなかったのだが、初夏の訪れに伴うものなのだろうか。
またひとつ、彼女が知らない私のみが知るこの街の顔が、私の中に堆積した。


*****


今住んでいるのは東京の東側エリア。
無を極める意味で最近ランニングを始めた。

隅田川テラスはランニングにうってつけなのだが、隅田川を眺めていると改めて気づく、これは川ではなく海だということ。

隅田川の水の動きはどう見ても上流から河口に流れる「走る川」ではなく
「波」なのである。それもそうだよね、ここら一体は元々は海で、人間が拡げた埋立地なのだから。

そんなわけで、ここは起源は海。カモメが鳴くのもまぁ一興か、とか思った。
故郷が海街なのも手伝って、ノスタルジーの極み。


*****


友達を呼んでベランダでチル(ずっと言ってみたかったやつ)した。

その際、カモメの囀りが止まず、「ビーチに来ているみたいだね」という友達の乙な発言で、何ともノスタルジー漂う絶妙にチルい感じになった。チル。ワイン美味しかったね。チル。

するとマスコミ関係の友達が、職業病的に取材力を発揮して、ある事実に辿り着いた。







カモメでなく、ウミネコだった。






そして、被害出てた。










おぉぉぉおおおおおい!!!!!

人が!!!!感傷に!!!!浸っていて!!!!!!「カモメか……(エモしたり顔)」、って!!!!!なってたのに!!!!!

お前ウミネコかぁあああい!!!!!!!


まぁそれはいいとしても!!!!!

被害!!!!!!

でとんのかぁぁああああああああああい!!!!!!!!!


*****


夜になり、友達たちは帰っていく。

時間帯もシチュエーションも手伝って一層「独り」という色は濃い。
深い独りというのは、音が相対的に減る世界であり、
ウミネコの声が哀愁に寄り添う。
哀愁に寄り添








うううううううううるせぇぇえぇええなぁぁぁぁあぁぁぁぁアアアアア!!!!!!!!!!
流石に!!!!流石に!!!!
ちょっと感傷に浸るには!
多すぎ!!!!
多すぎだよおおおおおお!!!!!!!!!!













そして今朝、ベランダにウミネコのウン(自主規制)う゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛い゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛

来゛と゛ん゛の゛か゛ぁ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛い゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛

我゛が゛家゛に゛も゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛

来゛と゛ん゛の゛か゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛


で、


ウ゛ン゛コ゛す゛な゛ぁ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛



ナチュラルに出てきたこのツッコミ、
わ゛し゛ゃ゛陣゛内゛智゛則゛か゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛




タイトルが醸し出す匂いとは全然違った方向の中身になっちゃった。
カモm……ウミネコの鳴くこの街とも、もう間もなくお別れです。


最後に、私的カモメソング貼っときます。人生の苦しい局面において、この人の歌は特に響くんだよなぁぁ。


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