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ごめんね。

自分のことを話そうと思ったことはありません。
でも誰かに聞いてほしい。そういう時はあります。

幼い頃から、私には小さな影が既にありました。

幼稚園で自分の長所や短所等を書く時間
「自分の嫌いなところは?」
「顔」

提出して返ってきたら先生がこれに対して「なっちゃんはかわいいよ」と書いてくれていました。
そんな先生が嫌いでした。

それから中学生になり、不登校に。

影は大きくなります。

見ていたアニメだけが私の救いでした。
CLANNADやAIR、他にもたくさん。

高校にあがり、当たり前に友達がいて、当たり前に生活を送りました。
中学の頃、ネット恋愛というやつで彼氏はいましたが私が自分のこと嫌いすぎて一度お別れしました。
高校からは隣町に住んでいるということもあり復縁。
それからはしっかり向き合って会っていました。

そして就職。
本当は東京へ行き、イラストを描くか音楽の道に進むつもりでした。
親に反対されたので嫌々就職しました。

また一段と影は大きく。

立っているだけで目眩と吐き気が続き仕事は一年ももちませんでした。

二十歳を越えてから彼氏と結婚の話に。

生きているのが楽しくありませんでした。
毎日が憂鬱で、毎日死にたい気持ちで溢れていました。

始めたSNSも、呟くことはずっと「死にたい」ばかり。

そんな時にニコニコ動画で廃墟の写真を見て、気づいたらボロボロ泣いていました。
廃墟に行きたい。日本には私が知らない場所がたくさんある。
そう思い、コンパクトデジタルカメラを買いに行きました。
これが私が写真をやり始めたきっかけです。

彼氏とお別れをしました。

そしてたくさんの廃墟を巡り、そして気が付けばたくさんの人を撮影していました。
あれ、あんなに人間が嫌いだったのに今では楽しんでる。
映るのがあんなに嫌いだったのに今では映ることもしている。

あれ。

私、楽しめてるじゃん。

でもそんなことを思ってるのも束の間

私、全然可愛くないのになんで映っているんだろう。
身体も気持ち悪い。

もう私の影は膨大になっていました。
せっかく小さくなってきていたのに。

何も考えたくない。
写真なんかやめてしまいたい。

それが定期的にやってきます。

でもいつからか「あなたのファンです、あなたの写真に救われました」とDMが来るようになりました。
同じく死にたくて堪らない人が映りにやってきます。
そして「あなたの世界観に入れて良かったです。もう少し生きてみます。」

私の写真で、人を救えている。

そう思えたら写真が好きになりました。
ここで辞めてはいけない。

写真を始めてから9年が経った。

私が可愛くなくても撮ってくれるカメラマンさん達には感謝しかありません。
私の態度に懲りずに、また被写体やってね!と言ってくれるので嬉しくて会いに行ってます。

本当はお金なんか取りたくありません。
私の身体に払う価値はこれっぽっちもないです。
でもここで有償にしておかないと、体目当てで依頼してくる人たちで溢れかえります。

ごめんなさい。

最近、また何をしたらいいかわからなくなってきました。
東京へ行って撮影をしたけど、楽しくなかった。
しばらく撮っていなかったからだと思います。
三重へと引っ越してきたけど、こっちに来て楽しいと思えた瞬間はあっただろうか。

あ、なんだかまた死にたくなってきたかもしれない。

遠くへ行きたい。

またあの頃に戻りたい。

結婚していたら、写真をやめていたら幸せだったのかなと時々考えます。

でもそしたら、ずっと人と関わろうとせずのうのうと生きていると思うと、まだ写真をやっている今が幸せだなと実感します。

リピートしてくれる被写体がいて、私のことを撮りたいと言ってくれるカメラマンがいる。

これ以上、私にとって幸せなことってあるのかな。
もう十分じゃん。

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