見出し画像

「言葉にする」は、「情けなさ」との戦い

=========
令和6年4月10日 今日もクルクル通信2060号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
=========

「実は私も考えていたんですよ。頭の中にはあったんですけどね」
なんて発言をする人って、たまにいますよね?

こういう発言を聞くたびに思うことは、
頭の中にあるは、ないのと同じ
ってことです。
実際、文字として用意されていなければ、あるいは100歩譲って、例えば議論の場で、自分から発言をすること。言い換えるならば、主体的に行動をしていなければ、何もないのと同じじゃないですか。

なぜ、こんなことを思うのか?
頭の中にあることを実際に言葉にすることはめちゃ難しい
って、毎日思っているから。
頭の中には「ある」って思っていたことも、実際に書いてみると全然書けない。
「あれ?考えていたことって、もっとなかったっけ?」「なんでこんなに書けないんだろう」
そんなことばかりを思っているんですよね。
逆に言えば、言葉にできなかったことの方が多い。大げさに言えば、書くことは、
言葉にできないこととの戦い
みたいなものなんです。

もちろん逆の場合もあります。つまり、頭の中であったことを実際に文字として書き著すことで、
「頭の中にあったことって、こんなことだったんだ!」
という、思いもよらない発見がある。そこに驚き、喜びを感じる場合もあるんですよね。

なので、頭の中にあることは、実際に言葉として書くから進化するし、初めて価値が生まれる
ということでもあるんです。
これが、冒頭の「頭の中にあるは、ないのと同じ」と考えている理由です。

リスペクトして止まない作家の朝井リョウは、次のように言っています。
~~~~
大切なことは、ちゃんとがっかりすること
(中略)
だって、小説を書くことって、がっかりすることの積み重ねなんですよ。自分的にはすっごく面白い構想を頭の中で描いていても、一文字目を書き始めた時点で一気に10分の1ぐらいの面白さになって、書き進めるうちにまたどんどん減っていき、書き終えるとさらに100分の1ぐらいになっている。途中で「こんなはずじゃなかった」とやめてしまうというのが大半だと思うんです。小説を書くことって、一文字書くごとに理想からかけ離れていってしまう自分の情けなさと向き合い続けることでもあると思います。なので、まずは作品をちゃんと書き終えるということ、そして「書き終え続ける」ことを繰り返していくだけでも、夢に相当近づけると思うんです。
~~~~

戦後最年少の直木賞受賞作家ですら、「こんなはずじゃなかった」って思いながら書いている。だったら、素人の我々が、ちゃんと言葉にすることができるわけなんてない。「頭の中にあります」なんて戯言に過ぎないんですよね。

ということで、頭に浮かんだことは、実際に言葉にしてみる。書いてみる。あるいは話してみる。
そして、できなかったことを実感する。その情けなさと向き合う。これが当たり前だと心得ておく。これが大事。

一方で、これはツライ戦いでもある。だからこそ、戦い続けることができたとしたならば大きな差別化を図ることができる。
そう信じて、今日もちゃんと「がっかり」しますw
*****
【今日のうねり】
言葉にすることは難しい。
それは、書いてみることで理解できることでもある。
書けば、頭の中にあることをここまで言葉にすることができないのだろう。と情けなくなるから。
大事なことは、それが当たり前。と心得ておくこと。
そうすれば、続けることができるから。
多くの人がそのツラさに負けて、続けることができない。だから、できるとしたら大いなるチャンス。「言語化力」という強烈な武器をゲットすることができるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?