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ボツリヌストキシンと声の関係性

ボトックスについて

ボツリヌス菌 Clostridium botulinum 
が作り出すボツリヌストキシン(A型ボツリヌス毒素
天然のたんぱく質)を額、眉間、目尻、目下、顎等に注射し、小顔シワの改善を促す美容整形術です。

体内にボツリヌストキシンがはいると、末梢神経から神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの放出が段々と抑制されます。

アセチルコリンの機能にはいろいろありますが、簡単に言えば、筋肉に対して"動いてー"と指示するもの。

これが段々と抑制されるわけですから、段々と筋肉弛緩抑えられていくわけですね 顔の表面にもそれは影響していきますよね!

私は、歌い手、歌手の顔、表情歌声の関係はフィジオノミー的には大いにあると思いますので、否定はしません。

ただ、打つ場所によっては、気をつけないと発声に影響を与える可能性があるかもよーというお話です。

具体的な症状で多く聞くのが、高い声がでにくくなった響かなくなった喉が締まってくる滑舌が悪くなる鼻から空気が抜ける

この弊害がでやすいNo.1はやはり顎、咬筋でしょう。

脳から咬筋に対しての"動いてー"の司令が阻害されるわけなので、当たり前ですが咬筋は段々と動かしにくくなってきます。

そうすると、拮抗関係にある舌骨上筋群(顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎ニ腹筋等)も動かしにくくなります。

いわゆる、顎の開け閉めに(一時的ではあると思いますが)弊害をもたらす可能性があるということです。

さらには、この舌骨上筋群舌骨下筋群も関係があるので、発声に関しても弊害を与える可能性は0ではない

高い声がでにくくなった、響かなくなった、喉が締まってくる、滑舌が悪くなる、鼻から空気が抜ける等の症状がでてくるのは頷けますね。

別の角度からですが、咬筋、噛む筋肉が弛緩しているわけなので、ご飯を食べる時、顎を使って噛むのが面倒、億劫になってくる場合があります。顎を使わずに、舌と歯を動員させたような咀嚼になる方が多くなると、の動きにも少し弊害がでてきます。発声と関与しているので、軽視はできません。

ただ、安心してください、ちょっと顎はだるくなるかもしれませんが、解消するための発声法等はいくつかあります。

人によってやり方が違うので、ここでは詳しくは列挙できませんが、気になる方はTsunoda Voice 相談窓口へ。後、解剖学に詳しいボイストレーナーの方であればやり方等知っていると思いますので聞いてみると良いかと思います。

おまけ

を使うのも面倒、舌と歯を使うのも面倒になると"すぐに飲み込む"という選択肢に流れる方もたまにいらっしゃいます。

噛まずにすぐに飲み込む事を続けていると、にも負担がかかり、逆流性食道炎等の病気になる場所もあります。逆流性食道炎胃酸逆流して食道、披裂軟骨周り、声帯、上咽頭等を荒らす病気です。(声はなんというか少し息が漏れたような感じの音声)
 
これになっている場合には、発声法だけだとなんとも改善しにくい(いける場合もあるっちゃある)ので、耳鼻咽喉科等の受診をオススメいたします。



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