2人用フリー声劇台本「反響」

こちら2人用(女1:男1)の声劇台本です!
使用報告等は不要ですが報告していただければ喜んで聴きに行きます!語尾や言い回し等の改変も自由にしていただいて構いません!

・あらすじ
卒業式終わり、生徒たちの賑わいの声も反響しぼやけてしまうような人気のない踊り場、もしくは教室、青春のどこかで交わされる「最後の日常」

・登場人物
芽(めい)早川女子高等学園に進学する。明とは幼馴染。
明(あき)市立西高校に進学する。芽とは幼馴染。

・本編

 人気のない踊り場、もしくは教室、青春のどこか
芽「泣いた?」
明「いや?」
芽「泣いたんだ」
明「泣いてねぇよ」
芽「つまんな」
明「なんだ、つまんなって」
芽「だって、卒業式じゃん、泣くでしょ」
明「いや、感動以前に女子が泣きすぎてて引いてたわ」
芽「サイテー」
明「なんでだよ、隣でワンワン泣かれたら涙引っ込むだろ、ふつう」
芽「かっこ悪いぞ、いきってる」
明「うるさ」
芽「ふはは」
明「そっちこそ泣いたの」
芽「泣いてないよ」
明「同じじゃん」
芽「同じじゃないよ、私、見ちゃったんだもん、(すこし小声で)○○ちゃんと○○君が卒業式始まる直前に手つないで抜け出してるとこ!!」(※○○には知り合いや演者の苗字などを入れてみてください)
明「え、あそこって、え?そういう関係なの!?」
芽「ねー、あたしも知らなかった。おかげで卒業式中ずっとドキドキしててさぁ」
明「はぁー、(驚き)○○と○○がねぇ」
芽「青春だねぇ」
明「な」
 暫しの間:学校のガヤガヤ音が小さく響いてるといい
 ガヤガヤ音フェードアウト
明「…いいの?女子んとこ行かなくて、最後だろ」
芽「んー(うん)、もう一通り写真撮ったし、後でカラオケ行くし」
明「ほー」
芽「てか、あんたとも最後じゃん」
明「いや、まあ、そうだけど。俺は…別に」
芽「は?かわいげねー-小1の時はメイちゃんメイちゃんってくっついてきたのに、思春期?反抗期?かわいげねー(1回目より大げさに)」
明「うるさ」
芽「(間)…ねえ、それ、ハマってんの?」(真面目なトーンで)
明「は?なにが」
芽「うるさ、って」
明「(間)…いや…別に」
芽「だってさっきも言ってたよ」
明「言ってない」
芽「言った」
明「言ってない」
芽「言ったよお!やめなって、絶妙にダサいって、それ」
明「うる…(咳払い)別にダサくはないだろ、ほっとけよ」
芽「いーや、ほっとけないね、幼馴染が高校で「口癖がダサい」っていじられてたら可哀想だもん、心配で西高覗いちゃうかも」
明「んなことあるか、てか覗くな、お前のせいで早女(はやじょ:学校名)の評判落ちるほうがよっぽど可哀想だわ」
芽「ひっど、そんなんじゃ彼女できないよ」
明「余計なお世話ですー」
芽、「旅立ちの日に」を鼻歌で歌うor口ずさむ
明「…帰るか、そろそろ」
芽「帰らない」
明「え」
芽「付き合ってよ、…思い出話」
明「はあ」
 芽、再び鼻歌を歌いだす
明「…え、で、何」
芽、鼻歌を歌い続ける
明「…おい(呆れ)」
芽、鼻歌を歌い続ける
明「…なあ、思い出話って(何話すの?)」
芽「(遮って)私さあ、…いじめられてたんだよね」(割り切り、落ち着いた明るさ)
明「え」
芽「いじめって言っても、無視されるとか、軽いやつだったけど」
明「いつ」
芽「中一の時、夏休みから、合唱祭の後くらいまでの間かな」
明「…知らなかった」
芽「ふは、そうだろうね、明はいつも鈍感だから」
明「ごめん、俺」
芽「(間髪入れず)違うんだ、違うんだよ」
明「…?」
芽「あんただけが、変わらずにいてくれた。あの時、みんな、私のこといなければいいって顔か、かわいそうにって顔してた。けど、明だけはいつも通り、ずっと同じ態度で私と接してくれた。だから、あたしも、あたしのままでいっかぁって思えたんだよ。」
明「俺、そういうのに鈍いだけだよ」
芽「知ってる。…そこに救われたって言ってんの」
明「…そう」(重く受け止めている)
芽「反応、薄」
明「いや、どう反応していいかわかんなくて」
芽「それもそうか」
間 芽、鼻歌を歌うがふと止め
芽「うまくやってくよ、高校では」
明「うん」
芽「あんたがいなくても、うまくやる」
明「うん」
芽「…だけどさ、たまには、ちょっと会おうよ」
明「…うん」(大事に読む)
芽「決まりね。んーっ(伸び)なんか話したら満足しちゃった、かえろっか」
明「はあ、俺の話は?」
芽「あんの?この話の後でも話せるインパクトでかい思い出」
明「…無い、です」
芽「でしょお、やっぱりね。さ、帰ろかえろー、あ、田中センセーに挨拶してこうかな」
明「芽」
芽「ん?」
明「…9年間、ありがとう」(めっちゃ大事に読む)
芽「(泣きそうになり)…ふふ、こちらこそー!」
明「はは、泣いた?」
芽「いや?」
明「泣いてんだ」
芽「泣いてねーよーだ」
明「つまんね」
芽「なんだ、つまんね、って」
 二人、笑う 学校のガヤガヤ音が大きくなり、フェードアウト

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