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貧困問題の解決にビジネスは有効か?  #おすすめの本④

こんにちは。ARUN Seed インターン生の今井です。現在は大学院の修士1年で、開発経済学を専攻しています。6月にARUNに参加したのですがこれまで長期インターンの経験はなく、初めてのミーティング、初めてのタスクなどに戸惑いながらも楽しく活動しています。note投稿も初めてですが、今回の投稿テーマは「おすすめの本」ということで私が最近読んだ本を紹介しようと思います。

1、概要

今回私が紹介するのは、ポール・クラック著『世界一大きな問題のシンプルな解き方ー私が貧困解決の現場で学んだこと』です。IDE(International Development Enterprises)を設立し、貧困問題の解決に取り組む著者の自伝です。著者は主に農業を営む人々の貧困問題をビジネスで解決する手法をとっており、彼が関わってきた事業の概要やその過程で得られた知見が共有されています。

例えば、彼は「ドリップ灌漑システム」をアレンジすることで、小規模農家の農業生産性を向上させました。これは畑にパイプをめぐらして水がまんべんなく継続的に植物に行きわたるようにするもので、すでに大規模農家向けに発売されていました。たいへん画期的なシステムですが細分化された農地には不向きでした。彼はこれを小規模化することで農業生産性を向上させると同時に新たなビジネスを生み出しました。


2、感想

本書で紹介された貧困解決のプロセスは「売れる製品のデザインを考える→試作・改良を重ねる→製品を発売する(新たな市場をつくる)→市場を拡大するためにコストや障壁を削減する」というものです。こうしてみると、一般的な企業が新製品を開発するときにとるプロセスに思われます。では、なぜ貧しい人々はそのプロセスから排除されるのかと考えると、彼らは「今は」優良な顧客ではないからだと思います。長期的な視点で考えると現在の顧客の貧富に左右されることなく、ビジネスに包摂できるのではないかと思いました。

これまで私は貧富の差を拡大したのは新自由主義であり、ビジネスで貧困問題を解決することは不可能だと解釈していました。しかしモノをつくって市場で売ることは金銭的な面では最も効率的であり、時には寄付や無償協力よりも大きな影響を及ぼすことが分かりました。この方法ですべてを解決することができるとまでは思いません。しかし政府や国際機関が、ビジネスから排除されてしまうような極貧困にある人々や大企業にパワーで劣る中小企業のバックアップをおこなうことで、ビジネスの力を借りたよりよい貧困解決の手段が見つかるのではないかと希望を持ちました。

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