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(映画レビュー)今さら: AVENGERS 〜伝説はここから始まった〜

マーベルシネマティックユニバース(以下、MCU)最新作Guardians of the Galaxy Vol.3を劇場で観てきました。
期待を裏切らない最高の映画体験で、是非この感想を書き残したかったのですが、うまく書き進められなかったので、久しぶりにAVENGERSを観たらやっぱり面白くて、先にこちらをレビューしてしまいます。

”うまい”映画

AVENGERSの映画の評価としては、圧倒的なうまさが挙げられると思います。
いくつかの単独映画を経て描かれてきたスーパーヒーローをチームとして結成させて巨大な敵に立ち向かう。これだけ書くと陳腐ですが、観客側の感情に訴えかけられるように、そこに至るドラマや織りなす人間関係をしっかり描き映画として構成する。その作劇姿勢が非常にクレバーだと思います。
この映画のヒットをベースに、クロスオーバーというジャンル自体が成長し、MCUの大きな流れを作り出していきます。

MCUはここから始まったと言っても過言ではない

当然、『アイアンマン』からMCUは始まっていますが(日本では公開順から『インクレディブル・ハルク』の方が先でしたが)、単独作品としての成功ではなく、AVENGERSというクロスオーバー作品としての方向性を決定づけたのはここからだと私は思っています。
この映画が成功しなかったら、以降のMCUは全く違うものになっていたであろうことを考えると、私としてはこの映画の功績はすごいと思うんですよね。
丁度、MCUと同じようにスーパーヒーローチームの活躍を描いたDCEUの『ジャスティスリーグ』がこけてしまったために、以降の方向性が迷走してしまったことを考えると、AVENGERSは非常にうまく作られた映画でした。

個人的AVENGERSの良かったところ3選

「ここが良かった」と今改めて見返して言える点を列記すると、
①アベンジャーズの全員に見せ場があった
②ニック・フューリーの存在感
③敵の陰謀とチームの確執が描かれ、それが終盤のカタルシスにつながっている

今改めてAVENGERSを見返すとなると、やっぱりその後に公開されたDCEUの『ジャスティスリーグ』を引き合いにして観てしまいますね。
①はジャスティス・リーグも頑張っていましたが、②や③は明らかにMCU側はちゃんと”わかって”作られているなあと思います。逆に言えば、DCEUジャスティス・リーグではそれらが無かったからカタルシスが弱かったのだと私は感じます。

①:大事なのはスペック差ではなく、描かれ方だ

この当時のアベンジャーズのメンバーを並べてみると狂ってますよね。
・ソー(神。近中遠距離何でもござれ、ムジョルニアで擬似的に空も飛べる)
・ハルク(戦闘能力もタフネスもソーと同レベル。跳躍力半端ないので、コンクリートジャングルのニューヨークではほぼ飛んでるようなもの)
・アイアンマン(飛べる、ビーム打てる、ミサイルも出る。何でもできる。)
・キャプテンアメリカ(血清とヴィブラニウム製シールドはあっても、基本殴る、蹴るのみ)
・ブラック・ウィドウ(スパイ。人間)
・ホークアイ(射手。人間)

上位3人に比べた下位3人のレベル差が凄い。。。
※客観的にスペックを比べただけなので、特定のキャラを貶めるものではありません。実際、私はキャップもウィドウもホークアイも大好きです。

ただ、この映画が凄いのはしっかりこの6人に役割を与えて全員に等しく活躍させていることです。
キャプテンアメリカは、チームのリーダーとしての役割をしっかり果たしていて、自分のやるべきことを、人命を守るための戦いを行います。
特にチーム内に指示を出すシーン、「アイアンマンにはどんな指示を出すんだっけ?」と思っていたら、「3ブロック先まで敵を出すな」と。いや、ここまでシンプルで的確な指示はないなと思いましたよ。アイアンマンの力をちゃんとわかっていて、言いすぎない、それでも戦略的に最も効果の出る指示としてベストだなと。
ブラック・ウィドウやホークアイも自分の力を尽くしてやるべきことをしっかりやり切っている。その描き方がうまい。

②:ニック・フューリーがいたからアベンジャーズは結成された

②は当然のことを言っているんですが、やはりこの人の交渉術とカードの切り方が巧みで、それらがバラバラになりそうなチームをギリギリのところで留めている。
これまた、ジャスティスリーグではその役回りはバットマンが務めるわけですが、彼は清廉潔白なためドラマとしての盛り上がりや面白みには欠けてしまうのかな。

③:全てが”Avengers, assemble”につながっている

中盤の敵の襲撃、チーム内の確執と再結成、この流れがあるからこそ、終盤でアベンジャーズの6人が集結する画面、作劇上は一見何の必要性のないシーンでこれ以上なく”上がる”、そんなカタルシスが用意されているんですよね。これはずるいですよ。
そんな観客側のエモーションをちゃんと製作側もわかっているから、『AVENGERS END GAME』でもそのシーンを使う。
主義や主張、出自の違うヒーロー同士がぶつかりながら、それでも同じ目的のためにチームを結成する、作劇として当たり前のことをしているけど、そこに至る経緯を丁寧に描いているから、AVENGERSは面白いんだと再認識しました。

最後に

今見返しても非常にクレバーで面白い映画でした。まだ観たことない方は、MCUの入口としてここから始めても良いかと思います。オススメ。

次回、Guardians of the Galaxy Vol.3のレビューを書き上げたいと思います。




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