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【青のドラゴン編】第1話 ドラゴン、シャーマンと出会う

出会い

彼女と出会ったのは3年前の5月のこと。

私は新たな場所で、新たに出会った友人たちと
シェアハウスをすることになっていました。

その友人の1人が連れてきたのが彼女。

『土地の声が聞こえたり、人の過去が見えたりする
不思議な力を持っている友達が遊びに来るから、よかったら来る?』
と誘ってもらいました。

親しかった友人の影響で
スピリチュアルな世界を知っていた私は
彼女の存在を知っても特に驚くことはなく、
何を言ってもらえるんだろうと
期待と不安を持ち、その日を迎えました。

私は自分が不幸でいいと思っている?


そうして迎えた当日。

みんなと話している彼女は、
私の知っているスピリチュアルな人とは全然違う、
そう感じていました。

だって彼女は『キラキラして笑っていれば大丈夫』
なんて一言も言わないのです。

「さぁ君の番だよ〜」と言われ
いよいよ私の番がやってきました。

私が緊張で言葉に詰まっていると、

「君は、自分が不幸でいいと思っていることが全てだね」
そう言われました。

…ん?
私は幸せになりたいと思っているよ?
どういうことだろう。

幸せになりたいから
忙しい日々の中でも外の世界に楽しみを探して
友達とカフェ巡りをしたり、

自分を癒やそうと瞑想したり。

それに、私は自分の人生を
”普通”だと思っていました。

周りには辛い人生を送っている人がたくさんいたし、
その人たちと比べたら
”なんて困難のない平凡な人生”と思っていたのです。
(それって比べられるのかい?)

でも彼女と初めて話した時、
私は今の悩みを話しながら
ボロボロと泣いていました。

そんな私に彼女は、
『何が一番辛かったの?』
『本当に?』
『本当はそれを誰に言ってほしかったの?』と、
自分でもまだ気づいていなかった本音を口から出せるまで
声をかけ続けてくれました。

自分のことなのに
本音が出てこない、わからない。

本音で話しているつもりなのに…
そんな感覚でした。


シャーマンの名は。

彼女の名前はひとみちゃんと言います。

出会った当時は小さな身体にくるくるパーマ、
トレッキング用の大きな靴を履いていて、
なんだか妖精さんみたいだな、と思っていました。

そんなひとみちゃん、
実はシャーマンなんです。
(本当にほんとうですよ!)

と言ってもみんなと同じように暮らしているし、
仕事もバリバリできて、とっても美味しい料理も作れます。
それにとっても可愛らしいのです。

そして彼女は、
土地や人の心の声が聞こえたり、
その先の色んな未来が見えます。

みんなにそれぞれ得意なことがあるように、
彼女にとってそれらは、呼吸をするのと同じくらい
得意なことなのです。

そんな力を持つシャーマンと出会い、
”私が私だと思っていた自分は
本当の自分ではなかった”、
という体験をたくさんしていくことになります。

"なんだか生きるのが辛い"

と居場所を求め
色んなところをフラフラ彷徨っている間に
余分なものをたっくさん身につけて、
その代わりに自分の得意を捨ててきたようです。

それを一つずつ剥がし、
自分の得意を取り戻していく作業。

シャーマンやそのほかの精霊たちと
笑ったり怒ったり泣いたりしながら、
少しづつ成長していきます。

第2話へつづく


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