表面張力

ティースプーンですくった1口分のココア。
表面張力でドーム状になった液体を見て、
「すご、表面張力やん」「綺麗」
って思った自分に安心した。

20歳すぎて表面張力なんかにときめく自分に、｢まだ大丈夫だ｣と思ったのだ。

雨の音が雑音になって、水たまりが邪魔になって、風がうっとおしくなったら
きっと私は耐えられない。

生きるためには無理をしなきゃいけない。
心穏やかに過ごし続けるのは難しい。
胸のざわつきを抑えて抑えてひたすら時と一緒に流されていく。
壁はいつの間にか迫ってきて、決心がつかないまま次の道へ突き落とされる。

生きるのが下手くそな私なりに毎日自分の特性と向き合って調節しながら暮らしてる。

何も考えずにいることが難しくて常になにかで頭をパンパンにしていることが多いけど、表面張力みたいな些細な発見に「あっ！」と思う瞬間だけはその「あっ！」だけで心と頭が統一されるから楽なんだ。心の声でさえ二重三重になってる普段の重さと比べたら本当に楽。

雨音に気づいて心地よいと感じる
水たまりを見つけて綺麗だと思える
風を感じて気持ちいいと思える

そういう瞬間を大切にしたい。

今日は大切にできたから、「まだ大丈夫」