みたびJ様のバーへ①

J様のバーにお邪魔するのもこれで三度目です。GO TO何とやらで、2500円で小奇麗なビジネスホテルに宿泊出来た上に、地域クーポンが1000円も使えたのでお得な旅です。国をあげてポイント還元だのクーポンだの何だかなという気もしつつ、ちゃっかり利用はしています。

その日はタトゥーが白肌に映える新人M女性YさんとJ様の二人体制でした。初めてこのバーに訪れた時にいらしたM女性Kさん同様、長身で女王様ばりに見栄えのする素敵な女の子です。まだ新人ということで少しあたふたしているYさんにJ様があれこれ指示をされています。J様には今月お誕生日を迎えられたということで、ちょっとしたプレゼントをお持ちし、皆さんにはお煎餅をお持ちしました。

今日のお客さんは若い女の子が多いなと思って話をしてみたら、皆私の娘であったとしてもおかしくない年頃でした。礼儀正しくて、親御さんがしっかりしつけされていたことが伺えるよい子たちばかり。この場は、私のような拗らせてこの世界にしか救いを求めることが出来なかった中年男と屈託ないよい子たちだけど、溢れる好奇心やいたずら心でこの世界に引っ張られてきた子たちが交差する、不思議なプラットホームなのかもしれません。
私が彼女たちくらいの頃、妄想で頭をいっぱいにしながらも、SMクラブやSMバーは何だか少し敷居が高い存在でした。といっても、そういう近寄りがたいアングラな空間が良かったというわけではありません。もちろん、そこにノスタルジーを覚える感覚はわかりますが、キャッキャキャッキャはしゃぎながら、際どい会話に屈託なく笑う彼女らを見ていたら改めていい時代になったのだと思うのです。
J様が彼女らの一人に縛られてみる?と声を掛けられます。意外に?やはり?J様は人を乗せるのが上手いのです。決して押し付けるわけではありません。
SMって楽しいよ素敵だよと語りかけるような微笑みは、我々M男をいたぶる時にお見せになるいたずらっ子のような笑顔とは全く違います。
気遣いの細やかな方なので、J様の風貌で押せば相当に威圧感があることをよくわかってらっしゃると思います。我々のようなJ様に威圧されて喜ぶM男に対してと、お店に初めて来てSMの世界に興味津々な女の子たちに対してでは全く違う表情をお見せになるのです。今まで、SMクラブでのセッションという閉ざされた空間で一対一でしか接してこなかったのでこれは改めての発見でした。
手馴れた手つきでJ様が先ほどの若い女性の一人を縛り上げます。何だか嬉しそうな、恥ずかしそうな表情の中に時折女としての表情が伺えます。私よりもはるかに小柄な女の子で、J様とでは大人と子どものようで、ただの緊縛風景なのに見てはいけないものを見ているような刺激的なシーンです。
SMって楽しいんだよというメッセージ、きっと伝わったと思います。


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