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暮らしの勉強メモ③ 調理道具の特徴とお手入れ(アルミ/ステンレス/琺瑯/ガラス/木・竹)

お久しぶりです!雑貨屋「あるくらし」店主の絢音です。

店主の暮らしの勉強メモって?
雑貨屋オープンに向けての歩みの記録や、店主のリアルな暮らし日記を続けていく中で、
「暮らしの中のモヤモヤや、興味を持った分野に対して、もっと調べたり、勉強する時間を確保したい…!」と感じる場面がでてきました。(暮らしの勉強メモ1に詳細を記載しています。)
そういった「学びたい!」と感じる瞬間をチャンスに、こちらのnoteを利用して、少し立ち止まる時間を確保し、学んだ内容を残していける「勉強メモ」コーナーを作成しました!
勉強!と気張らずに、ゆるりとお付き合いをいただければ嬉しいです。

今回は、「調理道具のお手入れ方法」について。

今回は、「調理道具のお手入れ方法」についてです。調理道具の素材って様々ありますよね。金属だと、鉄やアルミ、ステンレス、琺瑯、銅等。天然素材ですと、木や竹がピンと浮かびます。我が家のキッチンには、ここで例を挙げた素材の道具が一応、全てキッチンに在ります(“一応”というのは、全てが全てレギュラーメンバーでは使っていなくて、ここぞという時に登場してもらっている調理道具もあるため)。

調理道具の素材っていろいろありますよね!

料理や暮らしに関する事を考えたり、実際に手を動かす事も好きなので、家に調理道具が多くある方だと思いますが、100%手入れが行き届いているかと言われるとNO.です。素材の特性を知らずに傷ませてしまった事もありますし、料理は好きでも手入れまできっちりできるタイプではない大雑把な性格もあって、道具には、「申し訳ございません。」な扱いをしたこともあります。

ただ、「手入れなんて、そんな余裕ない!」と見て見ぬふりを続けることもどこかモヤモヤとした、悔しい気持ちになる部分も正直な所です。
そして、道具に対して「申し訳ないな…」と思う事を、少しでも減らしていきたい、という事も切実な気持ちです。
そこでこの機会に、調理道具の素材の特性を知り、お手入れ方法を学ぶことで、自分の性格、生活の優先順位、憧れと現実のバランスも考えながら、自分が心地良いと思える「これならできる!」事を発見していけるといいなと思っています。
忙しい毎日の中、何かひとつでも「私にもできるやん!?」と思う希望を持っていられるように、素材の特徴とお手入れ方法をまとめましたので、皆さんにも何か参考になる事があれば嬉しいです!

素材の特徴とお手入れ方法

一般的な素材の特徴とお手入れ方法を記載していますが、基本は商品についている取扱説明書の記載に従ってくださいね!

〇アルミ素材の調理道具

特性を知れば、手軽にガシガシと日常使いがしやすい素材です。我が家ではアルミ製の雪平鍋を愛用しています。湯が沸きやすく、野菜を茹でる時や汁物を作る時に大活躍してくれています。

我が家の頼れる相棒、アルマイト加工のアルミ雪平鍋!

【嬉しい特徴】
・金属素材の中では軽くて腕への負担が少ない。
・熱伝導率が良いため、早く温まり、冷ます時も冷えやすい。

【気を付けたい特徴】
・酸やアルカリに弱く、水や空気に触れる事で黒く変色しやすい。
※黒ずみは特に体に害があるわけでない。

【お手入れ方法】
・普段のお手入れは、中性洗剤をつけて洗う。
アルマイト加工等のものは表面の加工が取れないように金属たわしではなくやわらかいスポンジを使う。
・黒ずみが出にくい予防方法は、
①洗う時に重曹を使わない。
(アルカリ性である重曹とアルミが反応するため)
②ひと手間かける余裕があるときは、米のとぎ汁を煮て表面に膜をつけることで変色を予防することができる。

・黒ずみが出たときのお手入れ方法

今回はクリームクレンザーを使用!
ドラッグストア等で購入できます。

クレンザー等の研磨剤の入った洗剤を適量つけ、

アルミは柔らかい素材なので今回はスポンジを使いました。

スポンジで擦る。

クルクルと優しく擦ります。

アルミの表面が削れ、黒い液体が出てくるため、水で洗い流す。

黒ずみが落ちて、綺麗になりました!

追記3/18
アルマイト加工の雪平鍋をクレンザーで洗うと、
加工が取れたのか、黒ずみは無くなりましたが使っていくうちに少しくすんだマットな質感になりました。気になる方は、避けた方が良いかもしれません!



〇ステンレス素材の調理道具

丈夫でお手入れが簡単な素材。
我が家では、ステンレス素材でできているトングや蒸し器を愛用しています。手入れに気を使わなくても良いので、気軽にやってみたかった蒸し料理に挑戦できています。

手入れに気を使わなくて良いので日常使いがしやすい。

【嬉しい特徴】
・錆(サビ)に強くてお手入れが簡単。
・酸やアルカリ性にも強いため食材を選ばない。
・衝撃にも強い。
【気を付けたい特徴】
・ほかの金属と比較すると熱伝導率があまり良くない。
【お手入れ方法】
普段の手入れは中性洗剤を使って洗う。
基本的に取り扱いに注意点はないが、万が一錆がでた場合は、クレンザー等(重曹やメラミンスポンジもOK)をつけてスポンジで擦る。

〇琺瑯
金属の良さに、表面にコーティングされたガラス質の良さを掛け合わせた素材。
我が家では、深めの保存容器と味噌ストッカーと小鍋、手前みその保管容器として多方面で活躍中です。洗う時にツルリと汚れが落ちてくれて直火やオーブンを利用できる事が嬉しいポイントです。

便利さだけでなく琺瑯の柔らかな風合いも、気分が高まり、キッチンで使いたくなってしまう理由です。

【嬉しい特徴】
・酸やアルカリ、塩分に強く、匂い移りがしにくいため保存容器に適している
・直火やオーブンに対応している商品が多く、
利用シーンの幅が広い
 ※直火にかける場合は空焚きすると破損の原因になるため厳禁

【気をつけたい特徴】
・表面にガラス質の釉薬がかけられているため衝撃に弱い

【お手入れ方法】
・研磨剤の入ったクレンザーや、金たわしを使わないようにする。
・中の金属が見えている箇所に、錆がでた場合、その部分に食用油を塗ると錆の広がりを抑制できる。

・焦がした場合

直火調理の時、側面に焦げがこびりついてしまいました。

ぬるま湯と重曹(1Lに対して大匙1程)をいれ、混ぜ、食用油を2.3滴加える。

重曹は100均やドラッグストアなどで購入できます。

火にかけ沸騰したら火を止めて数時間置き、

湯が沸いたら火を止めます。重曹を入れていると勢いよく泡が噴き出ることがあるため、火の元から離れないように。

中のものを捨ててスポンジで洗う。

焦げがかなり薄くなりました!


〇ガラス製品
見た目の軽やかさがキッチンに爽やかな印象を与えてくれる素材。耐熱性、非耐熱性の素材があるため取り扱い時は特性を要確認。我が家では、食器以外に、保存容器として大活躍しています。中身が見えるので、家族に「〇〇を取って~」と伝えても、相手にとっても分かりやすいし、自分も管理がしやすく便利です。

横からも上からも中身が見えやすいので、パッと食材や調味料を判断しやすいのが嬉しいです。

【嬉しい特徴】
・見た目の軽やかさ
・中に何が入っているか一目で分かりやすい
・匂い移りが気になりにくく、塩分や酸にも強いため、お漬物の保存にも良い

【気を付けたい特徴】
・衝撃に弱い
・水分が残った状態だと水垢が表面に残る

【お手入れ方法】
・水垢が気になる方は、自然乾燥を避け、乾いた布でしっかりとふき取る。
・水垢が付いた場合は、食酢をペーパータオルに付けて擦る。

〇木・竹
手入れのポイントを知って、経年変化の味わいを楽しめる素材。
我が家では、木:ヘラ、お玉、まな板、マドラー、竹:ヘラ、お玉、箸を愛用中。ヒビが入ってしまった事も白っぽく乾燥してきたことも経験しましたが、それを超えるように、段々と経年変化していく木や竹の姿がいとおしく、キッチンには欠かせない素材の道具です。
ぜひ手入れ方法を知って、天然素材の調理道具とのお付き合いを楽しんでくださいね。

使う程に表情が変化していく天然素材の調理道具。

【嬉しい特徴】
・軽くて熱伝導性が低いため温かいものを
 よそっても木材が熱くなりにくい。

【気を付けたい特徴】
・デリケートな素材のため取り扱いに注意が必要。

【お手入れ方法】
・長時間の水へのつけ置きを避ける
(ヒビ割れや反り、黒ずみの原因に)
・中性洗剤でサッと洗い(汚れがひどくない場合は水洗い)、洗い終わった後はふきんで拭き、
風通しの良い場所でしっかりと乾かす
・直射日光や乾燥機で急激に乾燥させると傷むため避ける
・保管場所は湿気がこもらない場所へ
(食器棚の上の方や壁に吊るして収納。)
・黒ずみが出てしまった場合は市販の紙やすり(細かい目のもの)で擦る

・木にツヤが無くなり乾燥してきた場合
 カサッとツヤがなくなってきたら、
 オイルメンテナンスする事がおすすめ。

今回はスーパーでも手に入りやすいアマニ油を使用しました。

木が乾いている状態でアマニ油やエゴマ油(乾性油※)をキッチンペーパーに含ませて、

キッチンペーパーに少量ずつ含ませる

塗り込む。
※オリーブオイルは乾きにくい不乾性油なので、できれば避ける事がおすすめ!

ぬりぬり。

10分ほど置いてから布でふき取り、

布は、着古した靴下やTシャツを切っておくと、お掃除やお手入れにサッと使えて便利です。

1日置いてから使用する。

木にツヤが戻りました!


◆番外編◆ 木・竹の塗装の種類

〇無塗装
・塗装しないことで、抗菌作用、調湿作用、やわらかな質感等、素材そのものの特性が活きる。
・匂いや色が染み込みやすいため、使う前に水をくぐらせると安心。
〇オイル/ミツロウ仕上げ
・クルミ油やエゴマ油等、「乾性油※」と呼ばれる種類のオイル(空気中に放っておくと自然に乾燥する油)を塗りこんだり、ミツロウで表面をコーティングしている。
・油分が木の乾燥を防ぎ、反りなどを出にくくする。
・木肌にツヤがでて、木目を美しく見せる。
〇ウレタン塗装
・口に入れても安心な樹脂で表面をコーティングしている。
・耐水性があるため手入れがしやすく、気軽に使いやすい。
〇漆塗
・縄文時代から使われてきたといわれる、伝統的な技法
・漆の樹皮をひっかくと出てくる樹液で表面をコーティングしている。
・耐水性があり、酸やアルカリにも強く、すぐれた素材。使い込むと自然のツヤが出てくる。

素材の特性を知っておくと、モノを選ぶ時にもピン!と選びやすくなり、役に立つと思います。
手軽に使いたいの?ゆっくりと経年変化を楽しみたいの?等、自分自身に問いかけながら、自分に合ったモノの選択ができると、なんだか自信が付いてくるようにも思います。
そして、たくさんの情報を記載しましたが、どれも完璧にできなくても大丈夫!今の自分に合う調理道具の素材を知ったり、「これならできそう!」ってことを見つけて、憧れる素材を使ってみたり、素材の特性やお手入れを知る事で、ゆっくりと愛着を持ってモノとの付き合いができればうれしいですね!

はじめましての方も引き続き読んでくださっている方も、お付き合いいただきありがとうございます。今後も焦らずゆっくり続けていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

店主 絢音

【参考文献】
日本手仕事・暮らしの道具店cotogoto(2022) .『暮らしの図鑑 台所道具 日々を彩るキッチンツール285×季節の手仕事365日×基本知識』.翔泳社
大橋歩(2009).Arne2009-3-15/№27
北陸アルミニウム株式会社:https://hokua.com/houseblog/housecare
野田琺瑯株式会社:https://www.nodahoro.com/maintenance

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