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愛知用水と愛知海道(地域開発と参加)

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愛知用水と愛知海道。郷土の大規模な地域開発事業の歴史とその裏側にせまります。
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愛知用水と忘れられた愛知海道 【せかトモセミナー20191216】(1/2)

国際共創塾のせかトモセミナーの様子を録画しました。 愛知県でも三河地方だと実はあまり知らない方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、長野県の御嶽山の水を集めた木曽川の水を多目的に利用する利水プロジェクトが愛知用水です。 2016年4月から2019年9月まで名古屋市立大学の大学院でわたしが研究していたのが、この愛知用水の歴史にまつわる物語でした。 2005年に、愛知用水を発願した久野庄太郎さんが著した『躬行者』という個人雑誌の全100号(1962年10月から1971年2月まで原則、毎月刊)を手にしたことから、愛知用水の隠された秘史が書かれているかと思って分析をはじめたら、実は、『躬行者』のテーマは、彼が手掛けた愛知用水ではありませんでした。 なんと、愛知用水ではなく、その後に久野が手掛けた名古屋南部臨海工業地帯や、三重県の四日市から名古屋をつなぐ名四国道を東三河の豊橋にまっすぐにつなぐ「愛知海道(第二東海道)」の建設推進のプロパガンダがこの雑誌のメインテーマでした。 愛知用水をつくったひとたちは、その後に、愛知県の内陸部の農工一体開発をすすめるために、幅60メートルの片側2車線で中央の共同溝に水や燃料、上空には高架線がはしる自動車専用道路をつくり、道路の片側2キロメートル、つまり両側で4キロメートルの地域を区画整理して2割減反により農地や宅地、工業用地をつくろうとしていたのです。 残念ながら、この自動車専用道路は、久野が雑誌を発行していた1970年の頭では、ほとんど事業の進捗がなく陽の目をみませんでした。 ところが、なんとこの道路計画は、伊勢湾岸道や国道23号線のパイパス路線となぜか一部一致するのです。 ということは、つまり、久野らが始めた事業は50年間をかけてやっと実現したということもできるのです。 修士論文では、『躬行者』という一次資料の発掘(なんと公立図書館に2冊しか納められていない)と、愛知用水と愛知海道の関連性を示唆したのみにとどまりましたが、この講座では、この最新の研究結果をふまえて、愛知用水の日本の地域開発史における意味と、愛知海道のミステリーについて語ります。

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愛知用水と忘れられた愛知海道 【せかトモセミナー20191216】(2/2)

2019年12月におこなわれた国際共創塾のセミナーの様子を動画でアップしました。2分の2なので、前半の動画もあわせてご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=pYjj9IWXdOk&list=PLi99aQwcKR3RYfLY6QsHCALWcCgpfjOjL&index=1 愛知県でも三河地方だと実はあまり知らない方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、長野県の御嶽山の水を集めた木曽川の水を多目的に利用する利水プロジェクトが愛知用水です。 2016年4月から2019年9月まで名古屋市立大学の大学院でわたしが研究していたのが、この愛知用水の歴史にまつわる物語でした。 2005年に、愛知用水を発願した久野庄太郎さんが著した『躬行者』という個人雑誌の全100号(1962年10月から1971年2月まで原則、毎月刊)を手にしたことから、愛知用水の隠された秘史が書かれているかと思って分析をはじめたら、実は、『躬行者』のテーマは、彼が手掛けた愛知用水ではありませんでした。 なんと、愛知用水ではなく、その後に久野が手掛けた名古屋南部臨海工業地帯や、三重県の四日市から名古屋をつなぐ名四国道を東三河の豊橋にまっすぐにつなぐ「愛知海道(第二東海道)」の建設推進のプロパガンダがこの雑誌のメインテーマでした。 愛知用水をつくったひとたちは、その後に、愛知県の内陸部の農工一体開発をすすめるために、幅60メートルの片側2車線で中央の共同溝に水や燃料、上空には高架線がはしる自動車専用道路をつくり、道路の片側2キロメートル、つまり両側で4キロメートルの地域を区画整理して2割減反により農地や宅地、工業用地をつくろうとしていたのです。 残念ながら、この自動車専用道路は、久野が雑誌を発行していた1970年の頭では、ほとんど事業の進捗がなく陽の目をみませんでした。 ところが、なんとこの道路計画は、伊勢湾岸道や国道23号線のパイパス路線となぜか一部一致するのです。 ということは、つまり、久野らが始めた事業は50年間をかけてやっと実現したということもできるのです。 修士論文では、『躬行者』という一次資料の発掘(なんと公立図書館に2冊しか納められていない)と、愛知用水と愛知海道の関連性を示唆したのみにとどまりましたが、この講座では、この最新の研究結果をふまえて、愛知用水の日本の地域開発史における意味と、愛知海道のミステリーについて語ります。